豊かな実りを迎える秋は、美食の季節。そして、“芸術の秋“にふさわしく、イタリアからレオナルド・ダ・ヴィンチの名作が初来日しています。ホテル インターコンチネンタル 東京ベイの「イタリアンダイニング ジリオン」では、ダ・ヴィンチが生きたルネサンス期のトスカーナへと誘う期間限定コースを提案。まるで実験のように、豊かな秋の恵みを、料理長 阿部洋平シェフの創造性で美食へと昇華させます。
ダ・ヴィンチへのリスペクトに満ちたコース
ダ・ヴィンチが手稿に用いたことで知られる“鏡文字”を施したオリジナルカクテル『レストロ・ディ・ヴィンチ(ヴィンチの創造性)』を飾るのは、《人体模型図》からインスピレーションを得たガーニッシュ。洋梨のジュース、ザクロのシロップ、ドライジンジャーエールをかき混ぜると、甘さひかえめでほんのり苦味のある味わいが広がり、コースの始まりを彩ります。

冷前菜は、レオナルド・ダ・ヴィンチが所蔵していたとされる料理書に記されたレシピをもとに、『白いんげん豆とイチジクのインサラータ』を現代的な感性で表現した一皿。この冷前菜のポイントは、全体に散りばめられた黒い粉。実はオリーブパウダーで、野菜やイチジクと一緒に味わうと、オリーブの豊かな風味が広がります。

フィレンツェ名物リボッリータを香ばしく焼いて
温前菜は、メニューを見たときから気になっていた『フィレンツェ風焼きリボッリータ』。「あの煮込み料理を焼くってどういうことだろう?」
阿部料理長によると「揚げ焼きのようなイメージです。本来ならルネサンス時代にはトマトは使われていなかったので、最初はトマトウォーターのようなものを使おうかとも考えました。ただ、それだと少し味が抜けた印象になってしまったんです。そこで別の方法を取り入れ、少し固めに仕上げたものを焼いています」

外側はカリッと香ばしく、ナイフを入れるとトマトベースにチャパタ、パルミジャーノ・レッジャーノが調和したリボッリータ。オカヒジキが添えられて色合いも鮮やかに、フィレンツェの家庭のマンマの味が、レストランの美食にアップデートされています。
フィレンツェの秋といえばポルチーニ!パスタ料理は、コシのあるキタッラを、自家製パンチェッタを使ったポルチーニ茸のクリームソースでいただきます。筆者は最近、もちもち食感のキタッラがお気に入りなのですが、四角い断面のザラッとした表面に、ポルチーニの旨みと香りがよく絡んで絶品でした。

冷前菜、温前菜、パスタと3皿食べてみて、どれも想像を超える美味しさ。「メインはこれを超えられるのか?」と心配になるほどでした。
《最後の晩餐》の魚料理とスパイス香る仔羊料理
今回のシーズナルコースは、一皿一皿、かなりテーマにこだわって創作されていることがわかります。魚料理は、なんとあの《最後の晩餐》に描かれているうなぎとオレンジを素材にしたカルピオーネ。
カルピオーネとは、油で揚げた魚や野菜を、酢やオリーブオイル、香味野菜などで漬け込むマリネ料理。日本でいうと南蛮漬けという感覚でしょうか。ふっくらとした天ぷらを思わせるうなぎのベニエ(衣揚げ)が、さっぱりいただける魚料理でした。

肉料理は、ルネサンス期に「神の仔羊」としてキリストの受難や純潔を象徴した仔羊。「当時の調理法自体は、実際はかなりシンプルだったと考えられています。それをそのまま再現するのではなく、現代的なアレンジを加え、当時使われていたとされるクミンやシナモンなどの香辛料を意識して取り入れています」と、阿部料理長は語りました。
しっかりとした噛みごたえのある仔羊肉は、燻製ローストによってスパイスの香りをまとい、ソースは仔牛のフォンドヴォーベース。なによりも筆者が驚いたのは、添えられていたジロール茸の濃厚な風味と、旨みを引き立てる苦味でした。
「ジロール茸は本当に香りがいいんですが、食べる機会もあまり多くない貴重なきのこです。イタリアでは『フィンフェルリ』と呼ばれています」
時を超えて蘇った仔羊料理は、単なる再現ではなく、食感も風味も豊かに進化していました。

目の前でグラニテを作る!氷の実験
ジリオンのシーズナルコースといえば、イベント感たっぷりの演出も楽しみのひとつ。レオナルド・ダ・ヴィンチの探究心がテーマの今回は、客の目の前で液体窒素を用いてグラニテを作る「化学実験」が繰り広げられます。立ち上る白煙の中で、30秒ほど攪拌を繰り返すと、ブラッドオレンジがひんやり冷たいグラニテに!

ほんのり苦味を感じるブラッドオレンジのグラニテは、濃厚なメイン料理からデザートへの口直しにぴったりのすっきりした美味しさです。
ルネサンスを象徴するドルチェとは?
ルネサンス時代のドルチェというと、何が思い浮かびますか?メディチ家からフランス王アンリ2世に嫁いだカテリーナ・ド・メディチがアイスクリームをフランスの宮廷へ持ち込んだのは有名な話ですが、ルネサンスにフィレンツェで生まれたドルチェといえば「ズコット」。聖職者の帽子のような半球型のケーキです。
ナイフを入れると、中にはぎっしり生クリームやココアスポンジが詰まっていて、周りにはキャラメルソースとヘーゼルナッツが添えられ、ナッツの香ばしい食感がアクセントとして効いています。ルネサンス時代の人たちも同じものを食べていたかと思うと、その土地の食文化を守り続けるイタリアのこだわりが伝わってきます。

デザートは、これで終わりではありません。ドルチェがたっぷりのったワゴンが運ばれてきて、好きなケーキや焼き菓子を好きなだけ選べるグランドルチェへ。筆者はオペラとパンナコッタと焼き菓子を選んだのですが、イタリアを代表するドルチェが網羅され、心もお腹も満たされるコースの余韻にひたれます。


名画から美食へ、五感で味わうルネサンス
今回のシーズナルコースを構築するにあたり、「当時の食文化を意識しつつ、現代のレストランとしてプレゼンテーションや演出も加えています」と語った阿部料理長。フィレンツェの秋の実りとルネサンスから受け継がれる食文化、どちらも大切にしながら、心から満足できる美食体験が楽しめます。
現在、新国立美術館で開催中の『ルーヴル美術館展 ルネサンス』のために、レオナルド・ダ・ヴィンチの《女性の肖像》、通称《美しきフェロニエール》が初来日!絵を観てから味わうか、「Vinci e Tosucana〜ルネサンスの食卓」を堪能してから《美しきフェロニール》に会いに行くか。
この秋は、イタリア文化が華麗に花開いたルネサンスを、五感で味わってみませんか。
ジリオン シーズナルフェア「Vinci e Tosucana〜ルネサンスの食卓」
期間:12月6日(日)まで
会場:ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 1階
イタリアンダイニング ジリオン
ランチ:11:30~15:00(LO 14:30)
ディナー:17:30~22:00(LO 20:00)
シーズナルコース
ランチ限定コース 8,250円・特別個室装飾席 9,350円
エレガンテコース 11,220円・特別個室装飾席 12,430円
インペレアーレコース 13,750円・特別個室装飾席 14,850円
*別途サービス料15%
ご予約
https://www.interconti-tokyo.com/zillion/plan/zillion-vinci-toscana_2026.html
お問い合わせ 03-5404-2222(代表)