「今夜は特別なワインを飲もう!」と、楽しみにしていた赤ワインをセラーから取り出し栓を抜くと、腐った卵のような不快な臭いが……。
大切に保管していたはずのワインが、ブショネ(欠陥ワイン)であるとわかった瞬間、盛り上がったテンションが一気に下り坂へ。
この悲劇を少しでも減らす為、本日はイタリアソムリエ協会の講習で学んだ「ブショネの特徴」と「ワインの保管方法」をご紹介します。
ブショネと勘違いしてしまうケース
天然コルクを少しでも使用したコルクならブショネになる可能性があります。
劣化したワインには、ブショネの他に過度に酸化したもの、熱により劣化したものがあります。臭いも強烈なものから微弱ものまで様々です。
特に醸造過程で酸欠になったことで発生する硫化水素により応じる還元臭はブショネに間違われやすいので注意が必要です。しかし、これは空気にふれさせることで収まる場合もあるため判別が比較的容易です。
また、近年人気のあるビオ臭と呼ばれる自然農法でつくられたワイン独特の匂いもブショネと間違われがち。しかしこれはそのワインの個性が発する匂いなのか、不快な臭いとなのか判断する必要があります。
ブショネの特徴とは
•開けた瞬間、又は、注がれた後に少し時間が立つとよりわかりやすく感じられる
•コルクから段ボールの濡れた臭いがする
•不快な臭い(腐った卵、濡れた段ボール、カビ臭など)
ワイン貯蔵庫(カンティーナ)の条件
•温度 11〜15度
•湿度 60度〜75度前後
•振動の無い場所で保管する(振動は温度の急変よりダメージをあたえるとの情報も)
•日光のあたらない暗所で保管する
•臭いのない場所で保管する
•横に寝かせて保管
※温度は上に行くほどに上昇する傾向にあるので、下からスパークリング、白、ロゼ、赤の順が理想的。また、ビンテージになればなるほど、立てた状態で保存するという方法もあります。
イタリアでブショネに出会ったら
Secondo me, Questo vino sa di tappo.
「これ、タッポ(欠陥ワイン)だと思います。」
と伝え、新しいボトルと替えてもらいましょう。
以上、ブショネの特徴と、ワインを守る保管方法についてご紹介しました。
暑い夏、ワインの保管に注意して大切なワインを守りましょう。
というわけで、今日は夏にもおすすめの赤ワイン「カッシーナ・キッコ(Cascina Chicco)」のバローロを浜辺でいただきます。タッポしていません! 美味しい!!