イタリアンシェフの登竜門となっているパスタ世界大会
イタリア食文化の継承を目的として、世界的に知られるイタリアの食品会社バリラが主催する「ワールド・パスタ・マスターズ2018」。❝パスタ界のワールドカップ❞とも称され、各国の若手イタリアンシェフたちが世界の檜舞台で活躍するための登竜門となっています。バリラとバリラが運営するイタリア食文化の啓発・教育機関「アカデミア・バリラ」による共催で、2012年より開催され、今年で7年目を迎えます。
バリラ創立140周年を迎えた2017年大会には、若手シェフの支援・育成に注力するため、参加資格が「満35歳以下・実務経験4年以上のシェフ」となりました。さらに本年より名称を「バリラ・パスタ・ワールドチャンピオンシップ」から「ワールド・パスタ・マスターズ」に改称。10月24~25日の本選では、世界各国から集まった18名がイタリア・ミラノで競い合い、チャンピオン1名を決定します。
去る6月4日、日本予選の最終選考を勝ち抜いた3名が集結し、パスタへの情熱をかけて、オリジナルパスタレシピの実技とプレゼンテーション(英語またはイタリア語)を行いました。その3名とは、「Villa della Pace(ヴィラ・デラ・パーチェ)」(石川県七尾市)のオーナーシェフ平田明珠(ひらた・めいじゅ)氏、「Biodinamico(ビオディナミコ)」(東京・渋谷)のスーシェフ浅賀直斗(あさか・なおと)氏、「Ca’ del Viale(カ・デル・ヴィアーレ)」(京都)のスーシェフ川崎大輔氏です。
コンテストの中で「Eat Positive」をパスタでみごとに表現した一皿
実技審査の結果、Villa della Paceの平田明珠シェフが、みごと日本代表に選定されました。
平田シェフが披露したのは、能登の甘エビを使った「Spaghetti alla Carbonara con Gamberetti(甘エビのカルボナーラ)」。能登半島の地元漁師から買い付けた甘エビを隠し味に、バリラのパスタの独特の小麦の風味を生かしたカルボナーラです。「Eat Positive」のテーマにふさわしく、美しくておいしく、地産地消を意識した、まさにポジティブな一皿。
平田シェフは、1986年東京都生まれ。2009年6月からイタリアンレストランdella Casa(閉店)に勤めたことからイタリアンの道へ。2012年1月よりBiodinamico、CICADA、Fresh Seafood Bistro Saru(いずれも東京)に勤めながら、休日は地方の生産者の元を訪れるうちに、地方での開業を目指すようになり、2016年に石川県七尾市へ移住し、Villa della Paceをオープン。生産者と料理人を結ぶ「能登F-Fネットワーク」理事として、能登の生産者とともに地域の産業活性化プロジェクトにも取り組んでいます。
Villa della Pace Webサイト http://villadellapace-nanao.com/
平田シェフは10月24日、25日の2日間、イタリア・ミラノで開催される本選へ出場することとなります。世界各国の若手シェフ18名が集結し、技、味、プレゼンテーションを通してパスタへの情熱を競います。「能登の里山里海のすばらしさを『料理』を通して表現していきたい」と語る平田シェフ。ミラノの本選で、世界を舞台にどんな活躍を見せてくれるのか期待したいですね。