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イタリアワインと食べる、オトナなピザの楽しみ方

イタリアでピザと一緒に飲む定番は「ワイン」ではなく「ビール」

世界中で愛されるピザ。
ふっくらもちもちの生地のナポリピッツァ、薄めでクリスピーなローマ風ピザ、ピザの具を包んで油であげたカルツォーネなど、イタリアにはグルメなピザで溢れています。

イタリアでは基本的にピザをシェアしません。一人につき一枚ピザを注文し、ほとんどの人がぺろりと食べきってしまいます。
イタリア人も大好きなピザですが、ワインと一緒に食べるのかと思いきや、ピッツェリアに行くと、いつもはワイン派の友人たちも一斉にビールを注文します。
まわりの席を見渡してもビールを飲む人が圧倒的に多く、ピザとビールは定番の組み合わせなようです。

ピザとワインは有り?無し?

カットしたピザを持ち上げる様子

では、ワインとピザの相性はよくないのでしょうか?
いいえ、そんな事はありません。

イタリアで最も有名なソムリエの一人、ルカ・マルティーニ氏 によると「私はピザとビールの組み合わせが好きですが、技術的な観点から見ると、ピザとの理想的な組み合わせはビールではなワインです」 と語っています。
これはピザの種類によってワインとの組み合わせが異なり、おいしさの幅をビール以上に広げることができるという観点からだと説明しています。

ということで、今日はイタリアソムリエ協会の研修中に教わった、ピザの美味しさを引き立てるワインの選び方を一部ご紹介します。

ワインのある食卓に欠かせない「アビナメント」

イタリア語で、食べ物とワインの組み合わせのことをアビナメント(Abbinamento)と呼びます。
ワインと食べ物を合わせるときに大切なのは、「食べ物とワインがお互いの味や風味を引き立てあう」ということ。
どちらかの香りや味が強すぎたり弱すぎたりすると、一方に偏ってしまい良い組み合わせとは言えません。
食べたあとワインを飲むことで口の中にどんな味や風味が残るか、感覚を研ぎ澄ませアビナメントにトライしてみましょう。

保存版!ピザに合うおすすめのワイン

ピザ・マルゲリータ(トマト、モッツァレラチーズ、バジルを使ったシンプルなピザの王道)

トマトベースのピザ・マルゲリータに合わせるワインでまず浮かぶのは、乳製品やチーズとの相性の良い、白ワインまたはスパークリングワインです。
白ワインは香りや味が強すぎず、ミネラル(塩のような味)を感じる白ワインと組み合わせてみましょう。ピザとビールの組み合わせが好まれていることを考えると、それに近い発泡性ワインとの組み合わせもぴったりです。

チーズとオリーブオイルの油っこさを炭酸がスッキリ流してくれ、消化も促進するといわれています。
気軽にマッチするイタリアを代表する「プロセッコ」はメジャーですが、マルゲリータピザに限らず、最近はピザにあわせてフランチャコルタやシャンパンなど、ちょっと高価な泡と組み合わせも人気です。

<おすすめのワイン>
(発泡性ワイン)プロセッコDOC/DOCG
(白)ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノやヴェルディッキョなど

マルゲリータ・コン・プロシュート(ピッザマルゲリータ×プロシュート)

プロシュートピザ

プロシュート(ハム)など肉類がのったボリュームのあるピザには、ロゼワインやランブルスコがおすすめです。
80年代のイタリアで、ピザと定番の組み合わせとされていたランブルスコは、ワインの中ではアルコール度数が低く口当たりがよいため、アルコールをあまり飲まないという人にも飲みやすいワインです。日本では甘口タイプが主流のランブルスコですが、辛口から甘口と幅広い種類があり、サラミやハムの甘みと同調する微甘口のものもおすすめです。

ランブルスコ 発泡性赤ワイン

<おすすめのワイン>
ランブルスコ
(赤)バルベーラ、キャンティ、プリミティーボ
(ロゼ)サレンティーノ、オルトレポ・パヴェーゼ

クアトロ・フォルマッジ(4種類のチーズを使ったピザ)

4種のチーズ(モッツアレラやゴルゴンゾーラ、グラナパダーノ、タレッジョ、パルメザンなど)がミックスされた独特の風味に負けないワインなら、複雑性のあるミディアム〜フルボディのワインを選びましょう。
熟成された赤ワイン、または複雑性のある発泡性ワイン、シャンパーニュなどと食べ合わせるとチーズのおいしさがより一層引き出され、カジュアルなピザも豪華なメインディッシュへと変身します。

<おすすめのワイン>
(赤)アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ 
(泡)フランチャコルタ、シャンパーニュ

ボスカイオーラ(きのこを贅沢に使ったピザ)

クワトロフォルマッジ

ここでようやく赤ワインの出番。きのこの風味と同調するタンニン(渋み)の少なめ、持続性の香りを持った(後味の長めの)赤ワインがおすすめです。
白ワインをあわせる場合はフルーティで香り豊かなもの、樽で熟成したものとの相性良し。ポルチーニやシャンピニオンなど特に香りの強いきのこにはバルバレスコやバローロなどのしっかりとした赤ワインと合わせると特別感もさらにアップします。
上質なきのことワインの贅沢なハーモニー。想像したとたんにあなたもピザとワインを試したくなったはず?

<おすすめのワイン>
(赤)ピノ・ノワール バルベーラ
(白)ソアベ、シャルドネ

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