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スターシェフ、イヴァノ・リッケボーノに魅力を聞いた「リグーリア」の食

2024年5月25日(土)と5月26日(日)の2日間、六本木ヒルズにて開催された、日本最大級のイタリアフェスティバル「Italia, amore mio!(イタリア・アモーレ・ミオ!)」。2日間で延べ35,000名が来場し、大盛況のうちに幕を閉じました。


ミシュランシェフの Ivano Ricchebono(イヴァノ・リッケボーノ)氏

Italia, amore mio!のために来日したのが、リグーリア州のミシュランシェフ Ivano Ricchebono(イヴァノ・リッケボーノ)。リッケボーノは、リグーリア州の州都ジェノヴァの中心に位置する、星付きレストラン「The Cook」でオーナー兼エグゼクティブシェフを務めています。巨匠グアルティエロ・マルケージのオートキュイジーヌ学校「ALMA」の講師をするかたわら、イタリア国営放送「RAI 1」の料理番組にレギュラーにてゲスト出演するなど、イタリア料理界を代表するスターシェフとして、イタリアで高い人気を誇っています。


この度、本イベントのために彼が特別に来日し、故郷リグーリア州の味がランチタイムとディナータイムで提供され、大変好評を博しました。


リグーリア州は、リグーリア海に沿って弓なりになっている州で、南フランスに一部接しています。温暖な地中海気候ですが、海が近く、湿度は高めです。そのため、酪農などには適していませんが、その地形を利用して作られる農作物や、目の前に広がる海から獲れる新鮮な魚介類が食べられています。


また、リグーリア州のワインはもともと生産量が少ないうえ、そのほとんどが地元住民と多くの観光客によって消費されてしまうため、日本ではあまり見かけない希少なワインとして知られています。リグーリア州のワインの代表格には、世界遺産チンクェテッレ地区でつくられる甘口ワインの「チンクエ・テッレ・シャッケトラ」と、ピガート種の白ワインが挙げられます。


イヴァノ・リッケボーノにリグーリア州の食の特徴について尋ねたところ、「リグーリアで最も特徴的な料理は、ペストジェノベーゼ(具材をすり潰してペースト状にしたソース)とサルサ・ディ・ノーチ (クルミのソース)です。この2つがリグーリア州で一番人気となっています。また、今回このイベントのために、フォカッチャ・ディ・レッコという料理を持ってきました。フォカッチャ・ディ・レッコはフォカッチャの一種で、パンのような感じですが、中にイタリアでとてもポピュラーなストラッキーノというチーズが入っています」と述べています。


ペストジェノベーゼのパスタ

ペストジェノベーゼとは、バジル、松の実、にんにく、パルミジャーノレジャーノやペコリーノなどのチーズをすり潰し、オリーブオイル・塩・こしょうを加えて作る緑色のペーストのこと。アンチョビを加えることもあります。主に、パスタと一緒に食されています。


サルサ・ディ・ノーチを作っている様子

サルサ・ディ・ノーチとは、北イタリア名物のクルミのソースのことで、ウォールナッツをすりつぶして作られるペーストです。イタリアではペストジェノベーゼと並んで有名なソースで、パスタと合わせる他、ディップソースにしたり、パンに塗ったり、ミルクで伸ばしてドレッシングにするなど、万能ソースとして知られています。


フォカッチャ・ディ・レッコ

フォカッチャは、小麦粉、水、塩、オリーブ油、イースト菌を入れるのに対して、フォカッチャ・ディ・レッコはイースト菌が入っていないため、膨らんでいません。薄い生地を作り、その上にストラッキーノチーズ(ロンバルディア州原産のフレッシュチーズ)をちぎって乗せ、さらにその上から同じ薄い生地を乗せて焼いたものです。


その他、リッケボーノは「日本人の皆さんに、ペストジェノベーゼとサルサ・ディ・ノーチの他にも、リグーリア州の食を楽しんでもらえると嬉しいです。例えば、チーマという料理も食べて欲しいと思っています。チーマはジェノバの町で作られる料理で、肉の中に野菜が入っています。また、トルタサラータという料理も皆さんに食べていただきたいですね。しょっぱいケーキのようなもので、中に野菜が入っています。トルタサラータは、それぞれの州で違うスタイルとなっていますが、イタリア全土で大変人気のある料理です 」と語りました。


日本に初上陸した「INVOLIO(インヴォリオ)」のエキストラバージンオリーブオイル。

「Lavoratti(ラヴォラッティ)」のチョコレート。

Italia, amore mio!には、本格イタリア料理のキッチンカーが集結したり、イタリア発のエキストラバージンオリーブオイルやチョコレートなどが販売されたり、イタリアからトップアーティストが来日するなど、「ラグジュアリーでカッコいい」「カジュアルで楽しい」イタリアの世界感が会場全体を包み込みました。


個人的に注目したのが、日本に初上陸した「INVOLIO(インヴォリオ)」のエキストラバージンオリーブオイル。中でも、シチリア原産のオリーブで作った「TONDA IBLEA(トンダイブレア )」は貴重品とのこと。輸入業者の株式会社エフェトレーディングの方が、イタリアで400種類のオリーブオイルを試飲した中で、こちらのトンダイブレアのエキストラバージンオリーブオイルが、群を抜いて美味しかったそう。


また、「Lavoratti(ラヴォラッティ)」のチョコレートには、パルミジャーノ・レッジャーノを使用した珍しいものも。松屋銀座の催事に出たら、すぐに売り切れるほど、人気を博しているといいます。


以上、イタリアのスターシェフであるイヴァノ・リッケボーノに聞いた、リグーリア州の食についてご紹介しました。魅力溢れるリグーリア州に、ぜひ注目してみてくださいね!