フィレンツェ名物野うさぎのドルチェフォルテ
FOOD 18 Feb 2021

フィレンツェの自慢の一品!チョコレート料理「野うさぎのドルチェフォルテ」を召し上がれ


イタリアではロックダウンのバレンタインとなってしまいましたが、日本のバレンタインは盛り上がったのでしょうか。「チョコレートをもらいすぎちゃって困る!」なんていうような羨ましい方がいらっしゃったら、チョコレート消費にこんなレシピはいかがでしょう?今回ご紹介したい料理は、なんと”ダークチョコレート”と”野うさぎ”という全く味の想像がつかない組み合わせの、フィレンツェ名物「野うさぎのドルチェフォルテ」です。

イタリアの家庭料理といえば、真っ先にマンマ=お母さんが頭に浮かぶかと思いますが、実はイタリア人男性には料理上手な人が多く、ホームパーティーでも男性が自慢の手料理をふるまってくれることは日常茶飯事です。今回ご紹介する”Lepre in dolceforte”(レプレ・イン・ドルチェフォルテ)=「野うさぎのドルチェフォルテ」をふるまってくれたのも、そんな料理好きな男性の一人で、友人のお父さんのフランチェスコ・カッライさん。友人曰く、「母より父の方が料理が好きで上手よ」だということ。そんなフランチェスコさんの「自慢の一品」、期待せずにはいられません。

イタリアでもイノシシや野うさぎ、鹿肉などジビエ料理はポピュラー

野生のイノシシや鹿肉料理のことを日本ではフランス語のジビエ料理と呼んでいますが、イタリアではセルヴァッジーナ(selvaggina)といい、イタリアでもかなりポピュラーです。トスカーナではイノシシから鹿肉、鳥類などが多いですが、Lepre(レプレ)=野うさぎもそんなジビエのひとつ。野うさぎは一般的なスーパーなどではあまり販売されておらず、お肉専門店や猟師から手に入れたりします。

今回の料理に使う野うさぎの仕入先はというと・・なんと手料理をふるまってくれたご本人のフランチェスコさん!趣味で猟をしているフランチェスコさんが野うさぎを仕留めたことから、この料理がふるまわれることになったのです。御年82歳にして現役バリバリで猟をするフランチェスコさんは、最近も猟師仲間10人で38匹のイノシシを仕留めたばかり。
ちなみにフランチェスコさんは、夏には別荘のあるコルシカ島で釣り三昧。釣った後すぐに冷凍保存してフィレンツェまで運んできてくれた魚を頂いたこともありますが、シンプルにグリルで頂いたその魚はとっても美味でした。夏は釣りを楽しみ、秋〜春は狩りを楽しみ、パワフルな人生を送っているフランチェスコさんですが、本業はなんと宝石店経営者&ジュエリーデザイナーなんです。

フィレンツェの観光名所ポンテベッキオにある宝石店「Gioielleria Callai(ジョイエッレリア・カッライ)」を家族経営していますが、趣味と本業のギャップがとてもユニーク。人生をいろんな角度から謳歌しているフランチェスコさん、人生の楽しみ方を知っているイタリア人だなあといつも感心させられます。

野うさぎとダークチョコレートが奏でるハーモニーはいかに?

フランチェスコさんのご自宅に友人たちと伺うと、キレイにテーブルセッティングをして出迎えてくれました。料理の下準備は済んでおり、最後の仕上げは食べる直前に行うとのこと。

「野うさぎのドルチェフォルテは、トスカーナの伝統的な郷土料理なんだよ。野うさぎの代わりにイノシシでもできる料理で、個性の強い味の野うさぎやイノシシの肉ととても相性がいいんだよ」と、フランチェスコさん。

ちなみに「ドルチェフォルテ」ですが、「ドルチェ=甘い」「フォルテ=強い」、つまり「甘みが強い」といったような意味合いになります。その名の通り、甘みのあるソースで煮込む料理です。

作り方は、ざっとこんな感じです。

①鍋にオリーブオイルを入れて熱し、みじん切りにした玉ねぎ、人参、セロリ、プロシュート(生ハム)を炒めて塩コショウをふる。そこへ、一口大に切った野うさぎの肉を入れ、肉に焼き色がつくまで炒める。
②肉に焼き色がついたら、肉から出る脂を鍋から取り除く。
③小麦粉をふりかけて混ぜ合わせ、お湯またはブロード(だし汁)を入れて具材に火が通るまで煮る。
④別の厚手の鍋に、ダークチョコレート、レーズン、シトロンやオレンジのピール(砂糖漬け)、松の実、赤ワインビネガー、砂糖を入れて温める。
⑤食べる直前に、③を④の鍋に入れて混ぜ合わせてできあがり。

レシピを見ても正直、味の想像が全然つかなかった一品。さて、気になるお味は?

実はお肉の味がしっかり濃いジビエは苦手気味の私、食べるまでは少々ドキドキしましたが、チョコレートソースと一緒にお肉を口の中に入れると・・「あら、おいしい♡」とつい口に出していました。

濃厚なチョコレートソースが野うさぎ肉の強めのクセを抑えてくれ、食べやすい味わい。ミルクチョコレートではなくダークチョコレートを使っているので甘すぎることもなく、赤ワインビネガーの酸味も効いているのでくどくもありません。未体験の味でしたが、想像以上に食べやすく、ジビエ料理はちょっと苦手という人にも美味しく頂けると思います。

赤ワインとももちろん相性がよく、残ったチョコレートソースはパンにつけて食べて完食。たっぷりチョコレートが含まれていたのでデザートは要らないかな、と思ったのですが、デザートは欠かせないのがイタリアの食事会。フランチェスコさんはスキアッチャータ・フィオレンティーナを食後に用意してくれていました。

スキアッチャータ・フィオレンティーナは2月のカーニバルの時期にフィレンツェで伝統的に食べられるデザートで、スポンジケーキ風のお菓子です。

フランチェスコさんの自慢の一品「野うさぎのドルチェフォルテ」。イタリアでも食べられるレストランは滅多にないのですが、もし幸運にもレストランで見つけることがあれば是非味わってみてください。「イタリア料理ってこんな料理もあるんだな!」と、新しい発見ができること請け合いです。

ちなみに、フランチェスコさんがポンテベッキオのお店「Gioielleria Callai」で販売しているアクセサリーはオンラインで注文することができます。イタリアに行けないこんな時期だからこそ、イタリアを感じられるアクセサリーをフィレンツェから取り寄せてみてはいかがでしょうか。

Gioielleria Callai(ジョイエッレリア・カッライ)

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。2013年、イタリアのテレビ局SKYのドキュメンタリー番組に出演。「週刊新潮」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 AmicaMako https://www.facebook.com/amicamako/ https://www.blog.amicamako.com/ https://www.instagram.com/amicamako/