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『ホテル虎ノ門ヒルズ』の顔となったのは、オランダ出身のスターシェフが作り出すアジア初の『Le Pristine Tokyo』

新しい複合施設の完成で活気づく虎ノ門エリアでは、国内外のビッグシェフたちのレストランが次々にオープンしています。ビッグウェイブのひとつである『Le Pristine Tokyo(ル・プリスティン東京)』がオープンしたのは、昨年12月6日のこと。アンバウンド コレクション by Hyattブランドの『ホテル虎ノ門ヒルズ』の1階に位置し、ホテルの顔ともなるレストランはオランダの三つ星シェフ、セルジオ・ハーマンの監修によるものです。


まず贅沢に使われたその空間に圧倒されるはず。レストランはプライベートダイニングルームの8席を含む86席で構成され、空間デザインは日本初となるデンマークのデザイナーユニット「Space Copenhagen(スペース・コペンハーゲン)」が担当。エントランスでは、21世紀初頭における最も影響力のあるデザイナーの一人と言われている「Maarten Baas(マーティン・バース)」のレセプションデスクが迎えてくれます。またエントランスをはじめ、店内のところどころに置かれたオランダのアート集団「Rotganzen(ロットガンゼン)」や現代アートの「Rinus van de Velde(リヌス・ヴァン・デ・ヴェルデ)」がその世界観を演出し、モダンな空間を作り出しています。


レストランを監修したのはオランダ南西部ゼーラント地方出身の「Sergio Herman(セルジオ・ハーマン)」。かつて父親が経営していたムール貝が人気だったシーフードレストランで育った少年は、オランダのスロイス地方にあるレストランでそのキャリアをスタート。一時は父と共に厨房に立ち、そのカジュアルなレストランを引き継ぐも、業態を変換し、みるみるうちにミシュラン三つ星にまで昇華。現在は、ベルギーのアントワープで ミシュラン1つ星レストラン『Le Pristine(ル・プリスティン)』を経営するほか、オランダやベルギーでレストランを開業しているスターシェフであり起業家。そのセルジオ氏がアジア初のレストランを展開したのが、ここ日本の『Le Pristine Tokyo』です。世界を飛び回るスターシェフの感性を随所に取り入れ、「食」「ファッション」「デザイン」「アート」「音楽」という5つの洗練されたクリエイティビティが融合した「没頭型ガストロノミー体験」ができるレストランとなっています。


料理は、イタリアンをベースにしたコンテンポラリーなヨーロッパ料理。肥沃な土壌と自然のままの水、十分な日照時間に照らされた美しい海岸を持つオランダ最大の農業地帯であるゼーラントは、ヨーロッパで最もみずみずしくジューシーな甲殻類の産地で知られています。その地で育ったセルジオ氏にとっては、上質な甲殻類はまさにアイデンティティー。ディナーコースには甲殻類をふんだんに使ったメニューが登場し、日本人の私たちにも親しみある料理を作ってくれます。また日本では、豊洲市場に足を運び刺激を受け、同店では日本食材も積極的に取り入れています。


レストランで食事をすることは「Celebration」と考えるセルジオ氏は、シェアというスタイルで料理を構成しています。料理のハイライトである「オレキエッテ ゼーラント風」は、手長海老やハマグリなどの新鮮な魚介を贅沢に使い、特別感のある華やかさ。ンドゥイヤを使った、ちょっと辛味でキリッとした味わいとなっていました。


サラダ“ル・プリスティン”は、南瓜、グレープフルーツをベースに、タレッジョやエンダイブが突き刺さった、視覚的にも楽しいまるでケーキのようなサラダ。チーズやケイパーなどで味を出していますが、実は和梨を使い奥ゆかしい味わいもプラスしています。見た目もそうですが、スターシェフの独創性を素直に感じた料理でした。


国産ムール貝、雲丹、いくら、グレモラータ、すだちの茶碗蒸し。小さな頃からその香りの中で育ってきたセルジオ氏にとって、アイコン的メニューなのではないでしょうか。ご本人の説明で“茶碗蒸し”と言っていたと思うのですが、スモークした出汁で仕上げた味わい深いものになっていました。ムール貝だけでなく、いくらや北海道の雲丹など、日本食材をふんだんに使った洋風茶碗蒸しです。


日本食材との出会いにインスピレーションを受け、日本でのオリジナルメニューも積極的に取り入れている『Le Pristine Tokyo』。すだちやみかんなどの柑橘類だけでなく、醤油などの調味料、そして多彩な野菜やフルーツなど、日本での出会いはセルジオ氏の感性をも刺激したことかと思いますが、大根も日本で出会った野菜のひとつ。


ハマチ、毛蟹、ピスタチオ、黒大根は、黒大根をリボンのように重ね、普段大根を見慣れている日本人の私たちでもハッとする一品。ここには百合根やみかん、シソ、醤油、木の芽といった日本食材をふんだんに使い、ピスタチオをアクセントに。日本のお造りがセルジオ氏の感性と融合し、生み出されたものとさえ解釈してしまいます。


ティラミスはライブ感あるもので、このセルクルを抜くと、中からアイスクリームなどがなだれる仕掛け。全てのメニューからも感じられますが、視覚的にも楽しい料理というだけでなく、目でも楽しませてくれる唯一無二の「Celebration」溢れるものになっていました。


器が少し日本的な素朴さがあったので伺ってみたところ、セルジオ氏がベルギーのインテリアブランド『SERAX』と共に開発した、まさに『Le Pristine』オリジナル。この『INKU』 というコレクションは、日本の侘び寂びにインスパイアされたとか。


デザインされた空間の中、ライブ感溢れオープンキッチンとオートクチュールなファッション、そしてここに寄り添うリズム。スターシェフによる「Celebration」溢れる時間が過ごせる新たなダイニングです。


<コース>

4コース 17,600円 / ワインペアリング 4コース 24,640円

5コース 22,000円 / ワインペアリング 5コース 30,470円

※全て消費税込み・サービス料別途15%


Le Pristine Tokyo(ル・プリスティン東京)

東京都港区虎ノ門2-6-4 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(ホテル虎ノ門ヒルズ1F)

https://lepristinetokyo.com/

https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hotel-toranomon-hills/tyoub

電話番号 03-6830-1077

ランチ:11:30 ‐ 15:00 (LO 14:00)
ディナー:18:00 ‐ 23:00 (LO 21:00)
定休日:日曜日・月曜日
※ランチは火曜日~金曜日のみ営業