実力派シェフ神保佳永氏の新店JINBO MINAMI AOYAMAが青山にオープン

メディアをはじめ、さまざまな食の分野で活躍されている神保佳永シェフが、初となる自身の名前を冠とした新店「JINBO MINAMI AOYAMA」を2022年4月29日に開業しました。25年間、料理人として培ってきた経験の集大成となる新店舗は、閑静な住宅街にありながらも人を惹きつけてやまないオーラを放っています。

アンティークと天然素材を使った新たな神保家の食卓で温かなおもてなし

そっと手で触れてみたくなるような名栗加工を施された桜の木で作られた扉を開けると、迎えてくれるのは温かな空間。まるで神保家に招かれたような気分になります。エントランスからダイニングへ進むと、温もりを含んだ空気が流れるような九州・高千穂のシラスの塗り壁。アンティークのメタルアートとオーストラリアの女性作家の絵画が飾られ、すっとその空間に溶け込むような感覚に包まれます。

テーブルの上には、深海をイメージするかのようなブルー模様が描かれた有田「カマチ陶舗」のショープレート。漁師だった祖父ヘのオマージュと共に刻々と神保氏の料理の世界へ導かれ、「カマチ陶舗」のプレートと共にアートのようなお料理が繰り広げられていきました。

水に至るまで食材にこだわり抜いた料理がイタリアンを超越したスタイルで

生産者を訪ねる旅を始め17年。素晴らしい生産者との出会いが神保氏の料理を培ってきました。同店で使われる野菜生産者は約20人、他に魚介、肉、調味料など、全ての生産者を合わせれば50人にも及ぶといいます。神保氏が産地までおもむき、信頼を寄せるハイクオリティーの食材が、新たな「JINBOスタイル」の料理となって登場します。またその食材を最大限に活かすため、「水」にも注目。北アルプスの山々に濾過された長野県大町市の湧水は、ミネラル成分を多く含み清々しい旨味があります。フォン・ド・ヴォーなどの出汁はもちろん、テーブルウォーター、コーヒーやお茶類も全て大町の水が使用され料理の要となっています。

同店の料理は、イタリアンをベースにしつつ、フレンチ、和食、中国などの料理技法を取り入れ、食材の個性を際立たせています。特に発酵に注力し、イタリア料理だけに縛られない、日本の風土を感じさせつつも、華やかで食材を活かしたイノベーティブなお料理が登場します。食材全ての出会いは一つの物語“Ogni　incontroe’ irripetibile”『その時・その食材には二度と出会えないかもしれない・・・』
そう言う気持ちで今を大切にし、料理という形で表現されています。
コースでは、生産者を巡る旅をしたように、全国を巡っていただきたいという思いで、北は北海道、南は鹿児島まで50種ほどの食材が堪能できます。

シグニチャーディッシュは初めて出会うアートのようなバーニャカウダー

コースの中で、ひときわ力強い光を放ち、作り手の思いが色濃く映し出されるシグニチャーデイッシュ。同店では神保氏の代名詞となった「バーニャカウダー」に、神保氏の真髄が再構築された「今の神保シェフを象徴する料理」として新たなスタイルで登場します。夜のコースで必ず登場する「バーニャカウダー」は、生産者から届いた食材で日々変わります。だから一期一会。届いたばかりの野菜を使い、それに合った調理法_生のまま、茹でる、揚げる、ソテー、炭で焼く、発酵させる、ペーストにする_などその日のスタイルで仕上げています。

テーブルまで2つの器で登場する新たなスタイルのバーニャカウダーで、蓋をされた器の上部には葉もの中心の野菜が盛り付けられ、下部の器には味のベースとなる調味料や火の入った野菜が仕込まれています。これらを目の前で合わせ、最後にエスプーマでムース状にしたバーニャカウダーソースをかけていく。ダークな器に盛り付けられた色鮮やかな野菜が飛び交うそのライブ感と味わいは、五感を刺激し、強烈な記憶として刻み込まれるに違いありません。