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イタリアワイン紀行 Vol.5 高級リゾート ポルトフィーノの海の底に眠る 奇跡のワイン ABISSI

セレブ御用達の高級リゾート ポルトフィーノ

ポルトフィーノの景色

イタリア屈指の高級リゾート地「ポルトフィーノ」
毎年夏のバカンスシーズンになると、世界中からリゾートファッションに身を包んだセレブリティたちが自家用クルーザで訪れます。

昼は街のレストランで新鮮な海の幸を楽しみ、夜は月明かりの下ボートにゆられ波の音を聞きながら眠りにつく。
夢のような時間が約束される美しい海の底に、静かに眠るロマンチックなワインがあると聞きワイナリーへ訪れました。

ビッソンワイナリー Cantina Bisson

ビッソンワイナリー

ワイナリーがあるのはポルトフィーノの近郊のセストリ・レバンテという場所。
リグーリアの海岸線を走りチンクエ・テッレ行きの各駅電車に乗車し、ゆっくりと2時間かけて目的地へ到着しました。

駅まで迎えに来てくださったのは、今回訪れるビッソン(Bisson)ワイナリーの当主ピエロルイジ・ルガーノ氏。ワイナリーまでの道のりで設立の由来や歴史を教えて下さいました。

元美術教授であり、ソムリエでもあるピエロルイジ氏が、幼少時代から興味を抱いていたワイン作りへと本格的に挑戦する決心をしたのは1978年。ワイン作りの起源へと戻りローマ、ギリシャ時代のワイン造りの研究を重ね、リグーリア州の土着品種であるブドウを使ったワイン作りを初めました。

ワイナリーの裏には自社のブドウ畑が広がるワイナリーの裏には自社のブドウ畑が広がる

「沈没船」からヒントを得て誕生した海底熟成ワイン「アビッスィ ABISSI」

スプマンテの海中熟成はこの大きなラックの中入れて行われるスプマンテの海中熟成はこの大きなラックの中入れて行われる

カンティーナの様子。先端に集められた澱は瞬間冷凍させ取り除かれる。カンティーナの様子。先端に集められた澱は瞬間冷凍させ取り除かれる。

「当時、船で輸送されていたアンフォラ(竈)に入ったワインやオリーブオイルが海底で見つかりましたが、まだ飲むことができたのです。」とピエロルイジ氏。
海中の無酸素状態と、海底の暗さ、15度という年間を通し均等な海底の温度により、ワインを新鮮な状態で保存するための最適な環境であるということ注目し、ピエロルイジ氏はスプマンテ(イタリアの発泡ワイン)を海中で熟成させるという世界で初めての試みを実行しました。
10年間の試行錯誤の末、2009年の5月に初めての海底熟成ワイン「アビッスィ ABISSI」 が完成しました。

リグーリアの大地の恵みをワインへ

設立後まもないカンティーナはピエロルイジ氏自らがデザインし、ワインの展示方法にもセンスを感じます。地下セラーで説明を聞いた後はワイナリーの象徴でもあるスプマンテと白ワインを試飲させていただくことに。
木彫の温かい雰囲気のテイスティングルームではスタッフの方が「ローズマリーを摘んでくるから、ちょっとまってね」と、ワイナリーの裏で栽培している新鮮なローズマリーをわざわざ摘みに行ってくださり、リグーリアの名物のフォカッチャやチーズにプロシュートと一緒に出してくださいました。
スッキリ爽快な飲み口は暑い夏にぴったり。
ビッソンのスプマンテは海に近いブドウ畑で栽培されたリグーリア産のブドウ(ビアンケッタ、ベルメンティーノ、チミシア)が使用されます。地中海の潮風と高い塩分レベルの土壌のおかげでワインに「ミネラル」の感覚が与えられます。
海の中で18ヶ月ゆっくりと眠ったアビッシ・クラシコを試飲すると、新鮮なフルーツや花のエレガントな香りに、すっきりした後味が残ります。

ビッソンのスプマンテABISSIは生ハム、チーズやフォカッチャなど、前菜やシーフードとの相性が良い。ビッソンのスプマンテABISSIは生ハム、チーズやフォカッチャなど、前菜やシーフードとの相性が良い。

リグーリアで味わう海から生まれた奇跡のスプマンテ。
将来のイタリア旅行のTO DOリストへ追加するのをお忘れなく!

スプマンテを嗜むマリーニさん

Bisson ワイナリー
https://www.bissonvini.it/

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