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秘密基地で味わう日本食材を突き詰めたイタリアン「湯浅一生研究所」

11月13日、恵比寿に日本の旬の食材を使用したイタリア料理を提供するレストラン「湯浅一生研究所」がオープンしました。
シェフとして腕を振るうのは、「リストランテキオラ」をはじめとしたグループ各店の勤務を経て渡伊、トスカーナやエミリア・ロマーニャ州のレストランで修業し帰国後サローネグループに参画。渋谷「BIODINAMICO」のシェフを5年間務め、本格的なイタリア料理を提供し、多くのファンを魅了してきた湯浅一生氏。エコール辻東京を卒業後13年間各店で研鑽を積み、満を持して自身の名前を冠としたレストランを立ち上げました。

看板のない隠れ家でひたすら美味しい料理を生み出す「研究」空間

「湯浅一生研究所」があるのは、恵比寿駅から徒歩5分の場所に位置するビルの地下。完全予約制のレストランに看板はなく、オートロックのドアを開錠してもらわなければ入ることができません。予約したゲスト以外は誰も足を踏み入れない地下の秘密基地。いわば湯浅氏の聖地で、日本各地で出会った食材に向き合い試作を重ねています。そんな湯浅氏が自分の料理を突き詰めるための空間で研究を重ねながら、ひたすら美味しい料理を生み出すのが、この研究所なのです。

機密の隠れ家は現代アートや作家ものが楽しめる極上空間

秘密の扉とも言えるドアを開けると、まず目に入るのか壁に飾られた現代アート。ちょっと不思議だけれど、心くすぐれられる温かみのある作品がその空間を彩ります。テーブルには、若手陶芸家 岩崎龍二氏による、アイスグリーンや樹皮のような色合いのショープレートが並べられ、ゲストを優しく迎えてくれます。

テーマは日本。全国各地で探し求めた日本食材と選びかれた焼き物の数々

「BIODINAMICO時代には、イタリアのものを中心使い続けてきましたが、ここでは日本の良いものを知って欲しい」という湯浅氏は、今回日本にフィーチャーした料理作りに着手しています。

一つは食材。「日本は食材の宝庫。目の前にある新鮮な食材を使わない手はない。現在は日本各地の生産者さんを訪問しています」と、日本の素晴らしい食材だけでなくまだ日の当たっていない食材を追い求め、広島や静岡、茨城など日本各地の生産者を自ら巡っているとか。「今までとは違う、もっと美味しくなる調理法があるのではないだろうか」。イタリアや日本で培った目利きと日本各地へ赴き探しだした食材をこの研究所に持ち帰り、新たな視点で再度自分の料理を日々突き詰めています。

もう一つは、器。
「食材同様、日本にはいいものたくさんあるのに、なかなか触れ合える機会がないですよね」。そんな思いから日本で作られた器に料理を盛り付けています。
例えば、北大路魯山人や人間国宝の鈴木 藏、尾形 乾山などのような美術館でお目にかかる名窯から、時代物、辻村史郎や辻村 塊などの現代作家に至るまで多様な器が登場し、料理に花を添えてくれます。

食材と器という二つの素晴らしいものたちが融合したおまかせコース

「湯浅一生研究所」の料理は、厳選した食材をイタリア料理の技法を駆使した10皿前後のおまかせコース仕立て (15,000 円/税サ別)。ここには日本各地の食材と素晴らしいお皿の共演が愉しめます。

「イカ墨のファルファッレ 鮪とチーマ・ディ・ラーパのソース からすみ添え」は、金沢の名窯であり、11代となる当代の大樋焼きの器で登場しました。飴色の釉薬に散りばめられたからすみは、器と料理のそれぞれの輝きをさらに増します。ファルファッレと合わせたチーマ・ディ・ラは埼玉県にてこの野菜に魅せれた森田さんという生産者のもとで栽培されています。ふんわり仕上げた鮪とチーマデラーパの苦味が味わいを補い合うバランスの取れた一品。

「ブレス産の鳩 ラディッキオ タルティーボ」は、華やかな古伊万里で。身のしまった鳩の赤とタルテイーボの紫などさまざまな赤い色合いが目の前に迫り、印象的な華やかさを作りだすメインでした。

スペシャリテの「カチュッコ」は、かの北大路魯山人の器に盛り付けられて登場しました。北大路魯山人といえば、一度はその名を聞いたことがある料理人かつ、美食家であり陶芸を始めとした芸術家として名を馳せた人物。まさかイタリア料理に魯山人の器を合わせてくるとは。そんなまさかの体験もできるのが「湯浅一生研究所」なのです。

5つ以上の魚介類が入ることが定義とされるカチュッコですが、対馬のクエをメインに、熊本の大浅利、駿河湾のボタンエビなどを使ったご馳走です。クエを仕入は次の世代のために漁師の地位も高めていこうと対馬で奮闘する対馬のフラットアワーの銭本 慧氏から。スペシャリテに相応しい、キリッとしまった香ばしく濃厚な味わいを作り出してくれる北海道のエビジャコなど、湯浅氏のこだわりがこの一皿に溢れています。

湯浅氏が、10年以上に及ぶ料理人人生と料理を見つめ直し、さらに自分の料理を追求するこの研究所。限られたゲストだけが出会うことのできるこの空間で、日本の良さを再度見直しかつ新たな発見のあるイタリア料理をぜひご堪能ください。

湯浅一生研究所

営業時間 18:00-24:00(L.O. 20:30)※政府からの営業自粛要請により変更することがあります
不定休
03-6712-7713
東京都渋谷区恵比寿西2-7-10 えびす第3 B1F
https://www.instagram.com/issei_yuasa_/

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