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イタリア流コーヒーを楽しもう!直火式エスプレッソマシン2種の使い方

イタリアでコーヒーといえば、日本のエスプレッソを意味します。バールでもレストランでも、イタリアのコーヒーはすべてエスプレッソです。日本で言うところのコーヒーは、イタリアではアメリカンコーヒーと呼ばれていますが一般的ではありません。

ちなみにイタリア語でコーヒー(=エスプレッソ)のことはCaffè(カッフェ)といい、アメリカンコーヒーのことはCaffè Americano(カッフェ・アメリカーノ)といいます。

イタリア人が家庭で飲むコーヒーももちろんエスプレッソです。イタリアに来て間もない頃、イタリア人たちがどんなコーヒーを飲んでいるか知らなかった私は、日本で飲んでいたようにインスタントコーヒーを飲んでいたのですが、イタリア人の友人たちからは「この国でそれを飲むのか?」というような目で見られたものです。

イタリアの家庭ではカプセル式コーヒーメーカーと直火エスプレッソマシン使用の2方法

そんな私も、今ではエスプレッソを毎朝いれて楽しむのがすっかり日課になりました。エスプレッソをいれる方法は、従来の直火式エスプレッソマシン(マキネッタ)を使う方法と新しいカプセル式コーヒーメーカーを使う方法の2種類があります。

カプセル式コーヒーメーカーは日本でもお馴染みとなっているので、皆さんも使い方はご存知かと思います。時間のない朝などにさっと飲めることが魅力のカプセル式コーヒーはイタリアでも数年前から利用者が激増し、従来の直火式エスプレッソマシンが売れなくなったというニュースを目にするほど人気となっています。

もうひとつは従来の直火式エスプレッソマシン(マキネッタ)でいれる方法ですが、私はこの従来の方法で毎朝コーヒーをいれています。確かにカプセル式コーヒーメーカーよりも時間はかかりますが、待ち時間中に前夜のうちに食洗機で洗っておいた食器を片付けるなどしていれば、案外あっという間です。

「コーヒーを待っている間に部屋に香りが漂うのもいいし、朝を気持ちよく過ごせていい。」とイタリア人の友人たちも口を揃えて言います。

この方法ではカプセルのゴミも出ないのでエコロジーですし、使用後のコーヒー粉は生ごみに混ぜるとごみの匂いも取ってくれる優れものでもあります。さらに、イタリアではコーヒー粉250グラム入りのパックが200円程度からありますが、1パックで何杯もいれられるのでお財布にも優しいのです。

直火式エスプレッソマシン「モカ」と「ナポレターノ」の使い方

直火式エスプレッソマシンには「モカ」と「ナポレターノ」の2種類のマキネッタがあります。イタリアやコーヒーが好きな日本人にも馴染みがあるのは「モカ」で、「ナポレターノ」の方はイタリア人でも使い方を知らない人が案外多いのですが、今回は両方の使い方をご紹介します。

コーヒーの粉

コーヒーの粉

どちらにも共通するのが、まずはコーヒーの粉を用意することです。どこのスーパーでも売っていますが、銀色の真空アルミパックや缶に入った状態で販売されています。どんなコーヒー粉でも、だいたい美味しくできるので私はコーヒー粉にこだわりはありません。

●直火式エスプレッソマシン「モカ」の使い方

直火式エスプレッソマシン「モカ」

(1)まず、下の部分に水を入れます。

直火式エスプレッソマシン「モカ」

(2)穴の開いた部品を(1)の水の入った下の部分にかぶせます。

直火式エスプレッソマシン「モカ」

(3)穴の開いた部品にコーヒーの粉を入れます。この時、スプーンで表面を空気を含ませる感じに少しかき混ぜます。スプーンでコーヒー粉を押し込めるのはNGです。

直火式エスプレッソマシン「モカ」

(4)マシンの上の部分を取り付けます。

直火式エスプレッソマシン「モカ」

(5)弱火にかけます。ガスでもIH式でもどちらでも可能です。「ゴボゴボ」と音がして、上の部分にコーヒーが満杯になったら出来上がり。

●直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」の使い方

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(1)注ぎ口がついていない方に水を入れる。この時、小さな穴の下ぐらいまでいっぱい入れる。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(2)と(3)の工程は「モカ」と同じ。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(4)穴の開いたフタ部分を取り付けます。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

5)注ぎ口のついた方を(4)の上にさらに取り付け、弱火にかけます。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(6)小さな穴から水がシュッシュッと飛び出したら火を止めます。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(7)上下二つの取っ手を両手に持ち、ぐいっと上下逆さに回転させます。その時、穴からさらにピューッと水が出る場合があるので台所の流しなどで行うといいです。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

(8)回転させ、注ぎ口のついた部分が下になった状態で、そのまま1分ほどおいて、コーヒが下へ移動したら出来上がり。

直火式エスプレッソマシン「ナポレターノ」

●直火式エスプレッソマシンの使い方の注意点は?

この二つのマキネッタに共通する注意点は「使用後は洗剤で洗わないこと」です。イタリアに来て間もない頃、エスプレッソマシンの使い方も知らなかった時にうっかり洗剤で洗おうとしてイタリア人から「絶対にだめー!」と言われたことをとてもよく覚えています。イタリア人曰く、洗剤で洗うと洗剤の匂いや成分がマシンについて、せっかくのコーヒーの風味を損ねてしまう恐れがあるからだそうです。ですから水またはお湯だけで洗うようにしましょう。

イタリア人はいつどんな風にコーヒーを楽しんでる?

イタリア人はまず、朝に目覚ましのコーヒーを飲む人が多いです。朝には牛乳を加えたり、牛乳を泡立ててカプチーノにして飲む人もいます。朝食にビスケットを食べる人も多く、イタリア人はビスケットをコーヒーにひたして食べるのが大好きです。

午後になると、コーヒーに牛乳は加えません。イタリア人にとっては牛乳は朝のものというイメージがあり、ランチ後から夜にかけてはカプチーノは飲みません。それから、日本のようにデザートと一緒にコーヒーを楽しむ、ということもほとんどありません。先にデザートを食べてから、最後にコーヒー(牛乳なし)でしめる、といった感じです。イタリアに来て間もない頃、そんなイタリア人の習慣を知らなかった私は、ランチ時にレストランで「パスタ、デザート、カプチーノ」をうっかり同時に頼んでしまい、一番最初にカプチーノが運ばれてきて「なぜ?!」と衝撃を受けたものです。

コーヒーはカフェイン飲料なので、夕食後はイタリア人の中でも飲む人と飲まない人に分かれます。気にせずカフェイン入を飲む人もいれば、カフェイン無しを飲む人や全く飲まない人もいて様々です。

イタリア人の生活にコーヒーは欠かせない存在ですが、美味しくて香りの良いコーヒーを気軽に楽しめるイタリアはコーヒー好きにはたまらない国です。

モカとナポリターノとエスプレッソ

コロナ禍で自宅にいる時間が増えたという方、イタリアの直火エスプレッソマシン「マキネッタ」でいれるイタリア流コーヒーを楽しんでみてはいかがでしょうか。いい香りのコーヒーを味わいながらのリモートワークは普段よりはかどるかもしれませんよ。

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