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渋谷・タロスで見つけた、はちみつとチーズの“甘じょっぱさ”がたまらないセアダス|東京ドルチェリレー【第4回】

思わず誰かにおすすめしたくなるようなおいしいドルチェが食べられる東京都内のショップを、数珠つなぎのようにご紹介していく連載コラム「東京ドルチェリレー」。スイーツのプロがハマったツウなドルチェをぞくぞくご案内します!

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今回ご紹介するのは、渋谷にある〈タロス〉というイタリアン。前回訪れた〈オルトレヴィーノ〉の古澤さんいわく「特にセアダスがおすすめ」とのことで、あがるイタリア編集部の期待も高まります。

お出迎えしてくれたのは、オーナーシェフの馬場圭太郎さん。あがるイタリア編集部は早速、古澤さんおすすめの「セアダス」についてたずねてみました。

“イタリア最古のお菓子”とも言われている知る人ぞ知るドルチェ

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–馬場さん、よろしくお願いします!〈オルトレヴィーノ〉の古澤さんが特におすすめされていたのが「セアダス」なのですが、それは一体どういったドルチェなのでしょうか!?

特にイタリアのサルデーニャでポピュラーなドルチェです。砂糖を使っていないのが特徴なので、一説では“ヨーロッパ最古のお菓子”とも言われています。

–とても長い歴史があるお菓子なのですね。

そうなんですよ。日本ではドルチェと言えばティラミスやパンナコッタなどがよく挙げられますが、それらよりも古株であるセアダスにも、もっとスポットライトを当てても良いのではと思っています(笑)。

–馬場さんはイタリアでセアダスを学んだのですか?

ええ、私は22〜27歳でイタリア修業に行っていたのですが、25、6歳くらいでセアダスに出会いました。なので、もうかれこれ20年近くセアダスを作ってきたということになりますね。

–その時に教わったレシピを今も忠実に再現しているのですか?それとも、馬場さん流のアレンジを加えているのですか?

素材選びなどの細かい部分は日本人の舌に合わせて多少アレンジを加えていますが、基本的には現地で学んだものをそのまま再現しています。

–あえて大きくアレンジを加えるという選択肢もあると思いますが、そうしない理由は何でしょうか?

うちは場所柄、イタリア人のお客様も多くいらっしゃるんですが、その方々が召し上がって故郷を思い出していただけるような味にしたいんです。

–なるほど。

うちのセアダスはとにかくベーシックなものですが、自由が丘にある〈セアダス フラワー カッフェ〉というところにはさまざまなアレンジが効いた色んなセアダスを楽しめるのでおすすめですよ。

–唐突に他のお店を紹介されましたね(笑)。

ええ(笑)。でもそちらは世界でも珍しいセアダス専門店なんですよ。

–へえ、そうなのですね!

実はそちらのオープン時に私も微力ながらお手伝いをさせてもらったんです。ベーシックなセアダスはうちで、もっと色々なセアダスを食べたいと思ったら〈セアダス フラワー カッフェ〉にもぜひ行ってみてください。

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こちらが馬場シェフが手がけるセアダスです。早速いただいてみましょう。使っている素材は小麦粉やセモリナ粉などのシンプルなものだけ。

それらを混ぜ合わせたものを、弱火から強火へとやさしく揚げることで絶妙なパリッと感を生み出しているのだとか。そこにイタリア生まれのオレンジのはちみつをたっぷりとかけていきます。ちなみに、上に乗っているのはオレンジピールです。

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「サクッ」という音とともに中を開いてみると、中にはトロッとしたチーズが入っていました。はちみつやオレンジピールと一緒にいただくと、口の中に広がるのは心地良い“甘じょっぱさ”。

馬場さんいわく「本場では羊のチーズだけを使いますが、日本人の舌には癖が強すぎるので、うちではモッツァレラをベースに、羊のチーズは香り付け程度に混ぜ合わせています」とのことで、思った以上にさっぱりとして食べやすいです。

「ティラミスやパンナコッタは甘すぎて食後のデザートにはちょっと…」という方にはぴったりだと思いました。

イタリアでの修業先はあえて三ツ星以外を選んだ

–ごちそうさまでした!砂糖不使用のやさしい甘さにハマりました!

ありがとうございます、やっぱりセアダスはもっと注目されるべきですよね!

–同感です!ちなみに、イタリアでセアダスを学んでいらっしゃった時に、お師匠の方々から言われて今でも覚えていることはございますか?

うーん、なんだろう…。いや、私は複数の店舗を渡り歩いていたので、行く先々でセアダスを勉強させていただきましたが、どの店舗もかなり個性的でした。

–そうだったのですね(笑)。修業に行かれていたお店はどこも三ツ星を獲るような一流どころが多かったのですか?

いえ、むしろ三ツ星レストランのようなところは避けていました。

–え、それはどうしてですか?

イタリア人の方々が普通においしいと感じるようなものを作りたいと思ったからです。もちろん三ツ星を否定する訳ではありませんが、多くのイタリア人にとってより身近な郷土料理を学びたくって。

–ああ、なるほど。イタリアでの学びの中で特に馬場さんに影響を与えたものはなんでしょうか?

人生の楽しみ方を学ぶことができたように思います。

–例えばどういったことでしょうか?

休む時はとことん休む、働く時は集中して働く、ということでしょうか。

–なるほど。さまざまなお店で修業されてきたからこそ、料理の技術だけでなく、働き方といった部分でも多くのことを学べたのですね。

そうですね、メリハリをもって働くことの大切さがわかったように思います。

馬場さんがハマったドルチェは?

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–最後に、馬場さんおすすめのドルチェが食べられる都内のショップを教えていただけますか?

池尻大橋にある〈ラトリエ モトゾー〉というところはいかがでしょうか。イタリアのお菓子の専門店という、こちらの企画にはぴったりなお店で、どのドルチェもとてもおいしいのでおすすめです。

いかがでしたか?長い歴史を持つ、知る人ぞ知るイタリアドルチェ、セアダス。渋谷駅から徒歩約1分と近いので、ぜひお気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。次回は馬場さんがハマった、〈ラトリエ モトゾー〉のドルチェをご紹介したいと思います!

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タロス
東京都渋谷区道玄坂1-5-2 渋谷SEDEビル 1F
TEL:03-3464-8511
http://www.tharros.jp
セアダス フラワー カッフェ
東京都目黒区自由が丘2-16-11
TEL:03-6459-5987
http://centoapi.co.jp

【初出:この記事は2018年1月29日、初公開されました@AGARU ITALIA】

読書して料理する

2018.03.05 | アイ・ラブ・イタリアン・フード