樹齢80年を超える一級畑から生まれる最高品質のワイン。
一度途絶えてしまったワイン造りを復活させるためワイン作りを0から学び、2020年に待望のバローロを初リリースしたフォリアティ・ワイン。
今バローロの女性オーナー兼プロデューサーとして注目のアンナリーザ・キアッパさんにお話を伺いました。
———「フォリアティ・ワイン」の背景をおしえてください。
フォリアティ・ワイン(Fogliati Wine)は、1800年から続く伝統と情熱を復活させるため2016年に創業されました。
最高峰のワイン醸造地として知られるカスティリオーネ・ファレットとモンフォルテにまたがるこの地は、1800年にバローロの歴史的な生産者であったスピリト・ゾッカという人が所有していて、アルゼンチンへのワイン輸出業で成功を収めていました。
1950年代初期に祖父のグイド・フォリアティが土地を買収しました。祖父の死後、ワイン作りはストップしたのですが、ブドウは栽培され続け、その品質を認められ偉大な生産者に販売され続けていました。
2016年に孫である私(アンナリーザ )とグイドとで、土地とヴィラの管理と再編、有機栽培への転換を通じ会社を設立しました。
———なぜ国際弁護士のキャリアを捨てワイン作りの道へ?
ニューヨークとマイアミを拠点に弁護士として務めていたある日、ワインの輸出入業者で働く友人に「バローロの素晴らしい土地を持っていて、なぜワインを作らないの?」と聞かれました。
子どもの頃に祖父に連れられて葡萄の収穫を手伝った美しい思い出があり、いつの日か故郷に帰りワインを作ることを夢見ていた私にとってその会話はその夢を実現するためのきっかけとなった一言でした。
———ワイン産業で女性としてビジネスする上で大変なことはありますか?
ワイン産業では男性の経営者が大多数を占めており、2020年の現在も男性中心の社会であるのが現実です。
実際に男性と話をさせてくれと言われたこともありますし、女性としてビジネスをすることは想像以上に難しいことです。
しかし、そういった偏見と闘いながらキャリアを築く力強い女性たちがワインの世界で活躍しはじめていて、少しずつですが確実にワイン産業は女性リーダーを持つことに抵抗がなくなっているように思います。
はじめは受け入れられることが難しいかもしれません。しかし一生懸命働き男性以上の実績があげられることを示すことができれば、必ず新しいドアが開くでしょう。
———今年初リリースしたバローロについて教えて下さい。
今年初めてリリースされたバローロブッシア(Barolo Bussia)2016ヴィンテージは、90カ国以上で発刊されているワイン雑誌デキャンターで93点(ベストな飲み頃は2021年〜35年)という高得点を獲得することができました。
赤い果実やスパイス、タバコの華やかなアロマとやわらかなタンニンが特徴で、お肉料理や熟成したチーズとの相性が抜群です。
また2018年のランゲ・ネッビオーロも良い評価をいただき、とても良いスタートを切ることができています。
———今後のプロジェクトを教えて下さい。
現在はネッビオーロとバローロを生産していますが、今後はシャルドネ(白ワイン)、バルベーラ(赤ワイン)も生産していく予定です。
また、当時のままの状態にあるヴィラを改築し、宿泊施設へとリニューアル中です。
———コロナウイルスにより、ワイン産業にはどのような影響がありますか?
コロナウイルスによってほとんどの事が変化しました。
特に消費者のワインの購入方法においてはEコマース(オンラインショップ)へと関心が移り、消費者はワインショップよりもオンラインで購入することに慣れはじめています。
生産者においては、オンライン市場への参入することが最も重要な方法だと見なすようになりました。
私たちは皆このパンデミックで何かを失いました。しかし伝統を守りながら品質を落とすことなく新しい世界に適応させようとする思いと情熱だけは失っていません。
ワイン業界に新しい風を吹かせインスピレーションを与えるアンナリーザさん。
フォリアティワインの今後の活躍に目がはなせません。
Fogliati Wine フォリアティワイン
http://www.poderifogliati.it/
インスタグラム
https://www.instagram.com/fogliatiwines/