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実力派シェフが独立!馴染みの店にしたい、御茶ノ水で目指すのは日本食材を使った懐深いリストランテ

歴史ある街 御茶ノ水。大学や病院などもありアカデミックな一面を持つこの街に、7月1日、アクアパッツア出身の直井一寛シェフが手がける新たなイタリアンレストランが誕生しました。そのロゴには『701』と。店名とロゴにラッキーセブンの「7」とNo.1やスタートの意味を持つ「1」が入り、まるでオープンが運命付けられていたかのようなタイミングです。うっかりシェフの苗字である「ナオイ」と読んでしまいそうですが、実は「nanamaruichi(ナナマルイチ)」という店名なのです。この読み方は娘さんの発案だとか。


オーナーシェフである直井一寛シェフは、1976年栃木県生まれ。大阪あべの辻調理技術研究所を卒業後、「レストランCHIANTI」に入社し、 約10年間、 飯倉本店、西麻布店、六本木店などで修業。神谷町の「La tana di Bacco」にて11年間 シェフを務め、2018年に「アクアパッツァ」に入社され5年間アクアパッツァの厨房を支えてきたお一人でもあります。


家庭では良き父でもあり、日本イタリア料理協会で実行委員もされる直井シェフは、頼れるアニキ的な存在とでもいいますでしょうか。そんな印象の直井シェフは、御茶ノ水という地でレストランを営業するにあたり「お客様がわがままを言えるような、気軽に来れる店にしたい」といいます。


窓からは、御茶ノ水駅を交差する丸の内線やJR総武線が見えるこのレストランでは、ランチコースが5,000円、ディナーコースが9,000円(いずれも税抜)と、昼夜共にコースは設けてあるものの、アラカルトにもご用意。パスタとワインで気軽に1日の疲れを癒して帰宅していただけるようなカウンターも作りたいし、本日の入荷食材をお伝えし、それをお客様の食べたいスタイルで提案するような、リクエストの叶う店をめざしたいと。これは料理人として懐の深さがなせる技ですね。


直井シェフは海外での経験がない代わりに、名店に運ばれる一流の日本食材に日々触れてきました。日本で獲れる旬の食材を一番美味しい調理法で料理し、提供したいとあくまで日本の食材目線だからこそなせる美味しさをめざしています。その中で今回こだわった料理が、炭火焼き。炭で焼くと一味も二味も旨味がアップする。肉や魚は、炭の力で美味しく焼けた力強い旨味を是非お店で感じてみてください。


例えば、ディナーコースのメインで登場することのある山形牛の炭火焼きは、山形牛は以前よりお付き合いのある生産者さんか雌のみを仕入れし、炭火で仕上げる渾身の一皿。ヒレ肉を焼いていただきましたが、肉質がなめらかながら、炭火独特のじっくりした火入れで旨味が強い。他には仔羊などを提供していかれるとか。炭火で仕上げる力強い旨味が堪能できるメインがいただけます。


この日のパスタは、直井シェフの原点と言えるキャンティの「スパゲッテイバジリコ」を彷彿させるたっぷりのしらすとシソを合わせたもの。濃厚なグリーンも美しいけれど、しらすの塩分と旨味をパスタにうまく閉じ込めることで、日本人の琴線にもふれる安心感さえも感じられます。イタリア料理経験の長いシェフの作り出す和食材のパスタは、季節ごとに訪れたくなるコースの要となるに違いありません。


前菜はヤングコーンとケンサキイカは、唐津海と合わせて。ヤングコーンにコラトゥーラとレモンでマリネしたケンサキイカを合わせることで、味わいをプラスし、ヤングコーンの旨味がしっかり際立ちます。皮ごと焼くことでヤングコーンのさくっとした食感も残しつつ、ヒゲもじんわり甘味を引き出しつつ嫌味なく食べられる、極上の夏の前菜になっていました。


ひとりでさくっとワインバー的な使い方をするもよし、度量の大きなアニキ的シェフの胸を借り、その日の気分で食べたい料理に仕立ててもらいしっかり食事を堪能するもよし。「ただいま」と戻りたくなる、馴染みの店にしたいレストランがオープンしました。


コース料金

<ランチ> 

5,000円(税抜)アミューズ、前菜5点盛りあわせ、パスタ2種、メイン(魚か肉から1つチョイス)、ジラート、ドルチェ、カフェ

<ディナー> 

9,000円(税抜)アアミューズ、野菜の前菜、魚料理、肉料理、パスタ、ドルチェ、カフェ


nanamaruichi(ナナマルイチ)

東京都千代田区外神田2-1-3 東進ビル 新館1階

03-3525-7107