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「サステナブル」がキーワード! 環境問題に積極的に取り組むイタリアブランド3選

昨今、ファッション業界で多くのブランドがキーワードとして掲げる「サステナブル」。衣服の生産から着用、廃棄に至るプロセスにおいて、将来にわたり持続可能であることを目指し、生態系を含む地球環境や、関わる人・社会に配慮した取り組みに力を注ぐ企業が多くなっています。サステナブルを意識するのは企業だけではありません。消費者の意識も高まっており、サステナブルなアイテムを選ぶ方が増えている現状があります。筆者自身、最近はサステナブルなアイテムを選ぶよう心掛けています。

サステナビリティ

ファッション産業は、製造にかかるエネルギー使用量やライフサイクルの短さなどから、環境負荷がかなり大きい産業だと言われており、これが国際的な課題となっています。環境省によると、原材料の調達から製造までにかかる年間環境負荷の総量は、ファッション業界全体で、CO₂排出量が約90,000kt、水消費量が約83億m³、端材等排出量が約45,000tとされています。

一般社団法人サーキュラーコットンファクトリーによると、例えば、日本では年間で約28.5億枚の洋服が作られており、その内約14.8億枚は売れ残り、新品のまま破棄されているといった現状があると言います。さらに、工場で洋服をつくる過程でも繊維廃材が発生しているにも関わらず、繊維廃棄物を繊維に再生するリサイクル率は17.5%と非常に低い状況のままだそう。

海外、特にイタリアに目を向けてみると、こんな状況を一刻も早く打破しようとしているイタリアブランドが数多く存在していることはご存じですか?そこで今回は、サステナブルに取り組んでいるイタリアブランドを3つご紹介します。

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)を傘下に置くジョルジオ アルマーニ社は、環境問題への取り組みとして、温室効果ガスの排出量を、2030年までに半減させる(2019年比較)という大きな目標を掲げています。その目標へ向けての様々な活動には、環境負荷の少ない原材料を用いての製品製造も含まれます。

そんなエンポリオ アルマーニから、再生素材&オーガニック素材に特化したカプセルコレクション「サステナブルコレクション」の3シーズン目が登場。エンポリオ アルマーニのサステナブルコレクションは、革新的で持続可能な素材を用い、なるべく環境への負荷を減らした製品作りを行っている特別なコレクションです。今季のサステナブルコレクションのテーマは「」。豊かに緑が繁栄する「想像上の森」は、木々をイメージしたブラウンやグリーンといったカラーリングで構成されており、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)サステナブルコレクション

今季も、最先端を行くテキスタイルの研究開発をベースに生まれた様々な素材が登場しています。過去2シーズンでも使用してきた、ペットボトルから再生されたものや、漁業で使用されて使われなくなった網から再生した再生素材に加え、今季はSORONA社のバイオベースのポリエステル素材なども取り入れています。コットン素材はすべてオーガニックコットンを使用。また、商品のパッケージにも、認定を得ている堆肥化可能な素材が用いられており、このコレクションの意図をさらに強調しています。

今季登場するアイテムはメンズ31点、レディス21点。メンズアイテムには、森をイメージした迷彩柄の中に、はばたくイーグルをプリントしたマスタードイエローのTシャツ、フォレストグリーンのセーター、迷彩柄のブルゾン、フード付きダウンベストなど、幅広いアイテムが登場。小物では、ナイロンキルティングのバケットハット、迷彩ワンポイントのビーニーやニットグローブ、マウンテンブーツなどを取り揃えています。

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)サステナブルコレクションダウンジャケット 231,000円、ハット 55,000円 / EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)サステナブルコレクションTシャツ 41,800円、ベスト 330,000円、ハット 55,000円 / EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)

レディスコレクションは、主にカーキとブラックのカラーパレットで展開。ケープコートとベストの2WAYで着用できるブルゾン、フロントにレースアップデザインがあしらわれているハイネックセーター、キルティングデザインが施されたミニスカート、迷彩柄を思わせるような森がイメージされたプリントデザインのバケットハットやバッグなどが登場しています。

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)サステナブルコレクションアウター 179,300円、スカート 73,700円 / EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)

EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)サステナブルコレクションニット 89,100円、スカート 73,700円 / EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)

本コレクションは、10月21日からエンポリオ アルマーニ表参道店と心斎橋パルコの限定2店舗で展開を開始しているので、気になる方はぜひ店舗に足を運んでみてください。

https://www.armani.com/ja-jp/experience/emporio-armani

SAVE THE DUCK(セーブ・ザ・ダック)

2012年にイタリア・ミラノで誕生した、サステナブル・アウターウェアブランド「SAVE THE DUCK(セーブ・ザ・ダック)」。セーブ・ザ・ダックは、世界中で羽毛を搾取され続けているダックたちを守るべく、動物愛護とサステナブルなモノづくりの精神に基づいて創設されました。セーブ・ザ・ダックのアウターは、美しいデザインと多彩なカラーリングを基調としており、また最先端技術で独自開発した「PLUMTECH(プラムテック)※各国商標登録済」による中綿を、水鳥の羽毛(リアウダウン)に代わる新素材として使用しているのが一番の特徴です。その性能は、リアルダウンにも匹敵する軽量性、保温性、柔軟性、通気性、速乾性を備えています。

自然環境や生物多様性、動物愛護に配慮した活動を続けるセーブ・ザ・ダックは、今季より生分解性素材の使用によって、環境負荷の低減に大きく貢献することができる新シリーズ「WE LOVE NATURE」をローンチ。本シリーズの表地、裏地、ジッパー部分には生分解性素材である「ナイロン6.6」を、中綿には90%が大豆、10%がポリ乳酸を原料とする素材を採用しています。製品が残念ながら繊維ごみとなってしまった場合は、適切な処理を施すことにより、低酸素状態の環境下において約5年で94%まで生分解することが可能となっています。

save the duck we love nature(左から)エコダウン 49,500円、41,800円 / SAVE THE DUCK(セーブ・ザ・ダック)

また、2019年に史上初めてアニマルフリーのスノーウェアでエベレスト登頂を果たした登山家Kuntal Joisher氏に着想を得たシリーズ「Pro-Tech」からは、イギリスのGriffin Studioとのコラボレーションによる「Loveland」コレクションが登場します。Kuntal氏のために制作したスノーウェア同様に、優れたプロテクション性能をキープしつつ、自然界からインスピレーションを受けたシンプルでタイムレスなウェアが揃います。

save the duck loveland(左から)エコダウン 67,100円、83,600円 / SAVE THE DUCK(セーブ・ザ・ダック)

Pro-Techシリーズは、中綿にはプラスチックボトルなどのリサイクル素材から作られた素材と、リサイクル繊維から作られたPFCフリーのGORE-TEXが採用されており、セーブ・ザ・ダックの「地球の生物多様性を保護する」、「できる限りサステナブルなファッションを創造する」、「ユニークな服を消費者に提案する」というブランドの基本的な価値観が反映されています。

伊勢丹新宿店や小田急百貨店新宿店、日本橋高島屋などをはじめとする全国の百貨店にてポップアップストアをオープンしているので、気になる方はチェックして!
(※ストアのスケジュールについては、下記URLよりご確認ください)
POPUP STORE情報

PREMIATA(プレミアータ)

1885年に、イタリア・モンテグラナーロにて創業したシューズメーカー「PREMIATA(プレミアータ)」。この地域はクオリティの高い靴づくリで知られるメーカーが多数あり、同社はその中でも最も古い靴メーカーとして知られています。履き心地の良さなどあらゆる面で評価されており、有名なハイブランドやデザイナーズブランドからのOEMの依頼も多くなっています。その理由は数多くの技術レベルの高い職人をかかえ手仕事を大切にした靴づくりが行われているから。

プレミアータスニーカー 44,000円 / PREMIATA(プレミアータ)

革靴から始まったプレミアータは、今日ではビッグメゾンや数多くのファッション関係者から支持されている老舗シューズブランドにまで成長を遂げました。現在のCEOであるGraziano Mazza氏は、歴史と伝統あるプレミアータを一新。代々培ってきた高いクオリティの靴作りはそのままに、トレンドを意識しつつ、トレンドが去っても古さを残さないクラシカルなデザインをベースとし、その時代の空気感を取り入れた新しいスタイルのスニーカーを展開しています。伝統的な職人による靴作りとモードを融合させた普遍的に美しいスタイルはまさに「ニュークラシック」と表現するにふさわしいものです。

PREMIATA(プレミアータ)

2021年春夏に登場した、ブランド初のサステナブルスニーカー「JOHN LOW(ジョン・ロー)」から、秋冬の新色として、メンズとウィメンズのスニーカーがお目見え。原材料の適切かつ合理的な使用と、環境のためにできるだけ廃棄物を少なくするということが不可欠という考えのもと誕生したジョン・ローは、環境に配慮した革新的な技術により、生産上で生まれる生地・革・ソールなどの部材の廃棄物を回収して製造された、上質な素材だけを採用。イタリアの特許を持つ再生素材を最大で80%使用しているサステナブルモデルです。

PREMIATA(プレミアータ)

アッパーに使用されている高品質スエードは、環境に優しいと認定され、特許を取得したプロセスを備えたシャラーダ社の皮なめし工場で製造されています。インナーは土に還ることのできる生分解性のヤギ革を採用。害や残留物のない有機材料でなめされ、非常に少ない水消費量で製造されており、環境に配慮されています。ソールは、加工バリの回収から得られた50%の再生ゴムで製造され、残りの50%は純粋な天然ゴムです。スニーカーが入っているボックスは、イタリア国内で認定されたリサイクル段ボールから作られています。

メンズは、ブルー、ブラウン、ネイビー、ブラックの4色、ウィメンズは、レッド、グリーン、ブルー、ブラック、パープルの5色展開。オフィシャルオンラインショップや、全国の百貨店をはじめとする取り扱い店で販売中なので、気になる方はチェックしてみては?

https://premiata.jp/f/online
以上、サステナブルな取り組みを行っている、イタリアブランドを3つピックアップしました。持続可能な社会の実現のために、ぜひサステナブルファッションを意識して選んでみてはいかがでしょうか。

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