ステファノ・セラピアンが創業した高級レザーブランド「セラピアン」は、今年創業94年を迎える老舗メゾン。1966年の映画『おしゃれ泥棒』でオードリー・ヘップバーン演じたニコル・ボネが持っていたバッグとしても有名です。最高級のイタリアンレザーとともに、このブランドのアイコン素材とされているのは「ステパン」。サイコロ状の突起にブランドイニシャル「S」の字をあしらったPVCのバッグは耐久性も高く、男女問わず人気です。
そんなセラピアンが今シーズン、長いブランドの歴史上初めて日本製デニムを採用しました。ラギッドな素材を都会的なバッグのコレクションに乗せることで、新しい表情のイタリアンラゲッジのコレクションを展開しています。今回は代表的な3つのモデルをご紹介しましょう
男性が持ってもサマになる大容量のトートバッグは、センターラインとハンドルの「根革(取り付け部分)」を絞るように取り付けている点が、このバッグのアイコンデザイン。定番の「ステパン」でも同じバッグがラインナップされています。ハンドルが細身なところは、このバッグのモダンな印象を高めていることがおわかりいただけるでしょうか。開口部はマグネットボタンで開閉できて、内装にはポケットになった間仕切りと、スマホ用のポケットなど収納機能も多彩です。
フラップ付きのデイパックはレザーのフラップとアウトポケットが目印。ここでフラップやショルダーストラップに採用されているレザーは、セラピアンオリジナルの「カシミアレザー」。美しいシボが浮き上がっていますが、その名のとおりタッチはカシミアのように柔らかで、見た目はもちろん手にしたときの高級感が格別です。インディゴブルーの日本製デニムと、イタリアの高級レザーとのコンビネーションとともにカジュアルなリュックにもノーブルな印象を漂わせます。
こちらはデザインから完全新作モデルの「ツーインワントートバッグ」。開口部はダブルジップで開閉し、手持ちのハンドルとデイパックのように背負えるショルダーベルトが付属しています。片手で持ち歩けるメンズハンドバッグから、両手が開くデイパックにトランスフォームするのはもちろん、ベルトで固定している開口部サイドを外せば、形状をモディファイすることもできる楽しいデザインも特徴的。新たなデザインモデルに、日本製デニム生地を採用したことも、ちょっと誇らしく感じますね。
老舗の高級バッグメゾンでありながら、新たな素材使いやデザインを追求する姿勢は若々しい感性を感じさせるセラピアン。2017年からカルティエ、ダンヒル、モンブランなどの高級ブランドを集約するリシュモングループに属したことで、さらにブランドの成長が期待されています。