今回で94回目を迎える世界最大級のメンズファッション見本市「PITTI UOMO(ピッティ・ウオモ)」がフィレンツェのバッソ要塞で2018年6月12〜15日に開催されました。6万平方メートルの広大な会場に1240のブランドが出展し、2019春夏メンズ新作コレクションを発表。期間中は世界中からファッション関係者やバイヤーら3万人以上が訪れました。
2019春夏メンズファッションのトレンドは?
2019春夏メンズファッションのキーワードは、レジメンタルストライプやピンストライプ、縦縞などさまざまなストライプ柄。スニーカーやアクセサリーに取り入れる場合は、モノトーンや紺&白の組み合わせの2色使いストライプだけでなく、虹のような多色使いやマルチカラーもトレンド。
レジメンタルストライプとさまざまなストライプを組み合わせることで、ニットジャケットやジレを取り入れたファッションも新しいスタイルに見違えます。
ファッション業界ではアスレジャー人気継続、「ラグジュアリー・アスレジャー」がトレンド
スポーツシーンにもタウン使いにも対応し、着心地の良さも魅力のアスレジャーは、今回のピッティでも人気が拡大。特に2019春夏では、アスレジャーの進化系「ラグジュアリー・アスレジャー」がトレンドキーワードに。
伝統的なクラシックスタイルに先進技術を駆使したテクノ素材が組み合わされ、フォーマルとスポーティスタイルのミックススタイルがトレンドに。キーアイテムとしては100%シルクの防水ボンバージャケットや、コットンのスウェット、風や水に耐性のある素材のピーコート、コンバーチブルパーカなど。携帯電話を充電できる機能を備えたハイテクなリュックや旅行バッグも外せないトレンドです。
ピッティ・ウオモ初出展! 注目のニューブランドはセーリングとタウン使いどちらもOKのSEASE
フランコとジャコモ・ロロ・ピアーナ兄弟によるブランドSEASE(シーズ)は、「SEA=海、EASE(自由になる)」を組み合わせたブランド名で、昨年11月にミラノで誕生したばかりのニューブランド。今回がピッティ初出展となり、セーリング、スキーなどのアウトドアスポーツとタウン使いといった自然と都会の両方のライフスタイルに対応するコレクションを発表しました。
伝統的なメイドインイタリーの生地とハイテク技術を融合させたアウターやパンツ、バッグはエレガントでありながら機能的。どんなライフシーンにもイタリア製ならではのクラス感をもたらしてくれるSEASEのジャケットやバッグは、アクティブなライフスタイルを楽しみたい男性たちから今後注目を集めそうです。
SEASE https://www.sease.it/en/
ファッションの足元に異変アリ? スニーカー率の高さ目立つ
長年ピッティ・ウオモに出展しているイタリアのカシミヤニットメーカーANNAPURNA(アンナブルナ)のGinna Fantoni(ジャンナ・ファントーニ)さんは、「これまでのピッティとは違って、今回のピッティの来場者たちの足元の多くがスニーカーになっていますね。フォーマルなファッションでも足元はスニーカーといったスタイルが目立ちます」と話していました。素足に革靴スタイルも健在でしたが、今回のピッティでは年齢を問わず白のアディダスからカラフルなハイテクスポーツシューズまでさまざまなスニーカースタイルを多く見かけました。
20年以上ピッティに関わっている欧州高級メンズファッション販売エージェントの日本人男性に今回のピッティの感想を伺ったところ、「長年出展しているメーカーの社長や部長クラス、そしてイタリアのエージェント仲間とも話したが、昨今のピッティはカジュアル化が行き過ぎている。ピッティでの商談がパーティー化しており、その場でじっくり商品を見て話し合うことがなくなった」と、昨今のカジュアル化傾向を危惧する声も聞かれました。
ピッティ・ウオモに集まったファッショニスタたちの最新スナップ
自慢のファッションに身を包んだファッショニスタたちが世界中から集まるイベントとしても注目を集めるピッティ・ウオモ。会場中ではセルフィー撮影をする人たちを多く見かけましたが、今回の会場セッティングはこれまで以上に「インスタ映え」スポットが意図的に増やされているのを実感。会場中でファッション撮影会が繰り広げられました。
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