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ファッションデザイナーが映画の衣装を手がけるムーブメントを牽引! ジョルジオ・アルマーニの功績

ファッション界の重鎮、ジョルジオ・アルマーニ氏。自身の名前をブランド名に冠したラグジュアリーブランド「GIORGIO ARMANI(ジョルジオ アルマーニ)」を始め、ディフュージョンラインの「EMPORIO ARMANI(エンポリオ アルマーニ)」、カジュアルラインの「A|X ARMANI EXCHANGE(A|X アルマーニ エクスチェンジ)」といったファッションブランドを手掛けており、世界中に多くのファンを抱えています。また、ホームコレクションの「ARMANI / CASA(アルマーニ / カーザ)」や、スイーツラインブランド「ARMANI / DOLCI(アルマーニ / ドルチ)」も展開するなど、ファッション界のみならず、幅広い活躍をみせています。


(左から)イタリア共和国セルジョ・マッタレッラ大統領 ジョルジオ・アルマーニ氏

そんなジョルジオ・アルマーニ氏は、これまでの卓越した功績が認められ、昨年2021年11月にイタリア共和国功労勲章最高位を受勲しました。イタリア共和国功労勲章は、イタリア国内だけではなく外国人にも与えられるものですが、それは6階級から構成され、アルマーニ氏は先にも述べたように、その最高位にあたる「カヴァリエーレ・ディ・グラン・クローチェ・デコラート・ディ・グラン・コルドーネ」の勲章を授かりました 。これまで、大統領や大統領経験者などに与えられることがほとんどで、そのことから「民間人の受勲は極めて難しい」と言われ続けていた勲章です。最高位をファッションブランドのデザイナーが受勲したことは、イタリア国内でも大きな話題に。


アルマーニ氏は受勲に際し「この勲章は、私にとって特別な意味を持っています。この栄誉を授けてくださった我が国の大統領は、国家元首であるだけでなく、人としての価値、寛容さ、心の優しさにおいて疑う余地のない高尚な人物です。私はイタリアの代表となることを誇りに思うと共に、国全体を代表する大統領からこの栄えある称号を賜ったことを光栄に思います」と語りました。


2月27日に行われたジョルジオ アルマーニの2022-23秋冬コレクションファッションショーでは、 ウクライナでの状況を鑑み、 無音でショーを開催して注目を集めました。華やかなファッションショーの場において自身ができることを摸索し、 無音の中ショーを行うという異例の決断をしたアルマーニ氏は、「お祝いしている場合じゃないことを伝えたかった。 沈黙はどんな音楽よりも大きく、 インパクトがあったと思う」とショーの後に語りました。


彼が最高経営責任者をつとめるアルマーニ・グループは、 この度ウクライナからの難民支援のために寄付を行うことを発表しました。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が立ち上げた募金活動を支援するために50万ユーロ(約6300万円)が届けられ、この寄付金はウクライナの紛争により避難を余儀なくされている人々を保護するために使われるといいます。


アルマーニ氏が初めて映画のために衣装デザインした映画『アメリカン・ジゴロ』。リチャード・ギア氏の衣装デザインをきっかけに、ヒット映画の衣装デザインの最前線を現在も歩み続けています

このように尊敬に値する人物であるアルマーニ氏は、映画の衣装を多数手掛けていることでも知られています。彼がデザイナーとして映画に関わるようになったのは、1980年『アメリカン・ジゴロ』のリチャード・ギアの衣装デザインをしたときからです。この映画の成功がアルマーニ氏の名声を世界的なものにし、その後、ファッションデザイナーが映画の衣装を手掛けるムーブメントを常に牽引してきました。アルマーニ氏自身は常々「ファッションの世界に足を踏み入れなければ、映画監督になりたかった」と語るほど、映画に対して熱い思いを持っているといいます。

1920年代から30年代初期の時代背景を絶妙にデザインに落とし込み、アルマーニのメンズウェアの世界観が映画と融合された作品『アンタッチャブル』
 
映画『 アメリカン・ドリーマー / 理想の代償 』の主演女優であるジェシカ・チェスティン氏への衣装協力

アルマーニ氏が衣装を手掛けた映画は、現在数百本にも上り、その中には『アメリカン・ドリーマー / 理想の代償』『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『ダークナイトライジング』、 『ダークナイト』、『アンタッチャブル』、『エリジウム』、『魅せられて』、『シャフト』、『ハンニバル』、『グッドフェローズ』、『オーシャンズ13』、『フェア・ゲーム』、『ハンナ』、『ミッション:インポッシブ ル / ゴースト・プロトコル』などが挙げられます。


また、映画関係者とも深い親交があり、マーティン・スコセッシ監督やパオロ・ソレンティ監督をはじめ、ソフィア・ローレン、ケイト・ブランシェット、ジュディー・フォスター、ショーン・ペン、ジョージ・クルーニー、サミュエル・L・ジャクソン、レオナルド・ディカプリオ、金城武、チャン・ツィーなど、国境を越えて長きにわたって親交を温めています。


また、映画の中だけでなく、様々な映画祭などのレッドカーペットでもアルマーニの衣装が選ばれています。例えば、カンヌ映画祭でも、多くの映画関係者がアルマーニを着用しています。


このように、目覚ましい活躍をみせるアルマーニ氏から、今後も目が離せません。