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女性のためのマーケット・イベント「Forza Ragazze(フォルツア・ラガッツェ)」には、日本未上陸の女性デザイナーブランド続々登場!

イタリア・マルケ州を拠点に活動するニット・デザイナーGaia Segattini(ガイア・セガッティー二)氏と、マルケ州の靴工場に生まれた背景をもつ、靴とバッグ2つのブランドのデザイナー Daniela Diletti(ダニエラ・ディレッティ)氏が発起人となり、イタリアを中心に定期的開催されているマーケット・イベント「Forza Ragazze(フォルツア・ラガッツェ)」。そんなイタリアで人気のマーケットが、11月4日(木)から11月7日(日)までの4日間、代官山の「Studio 4N」にて日本で初開催されました。


当日は、デザイナーである彼女たちのライフスタイルを切り取り、ライフワークとしてデザイン、生産しているアイテムの数々が会場に並びました。イタリアの生産背景、技術を大切にしている彼女たちは、ECサイトやPOPUP、イベントでの販売を中心とし、お客様と直接コミュニケーションをとることを大切にしています。


「Forza Ragazze」とは、イタリア語で“Go Girls”を意味するもので、彼女たちの信念でもあります。デザイナーとしてだけでなく、製造者(職人)としての一面を持つ彼女達だからこその魅力がそれらの製品にはあります。


今回は、そんなフォルツア・ラガッツェに登場したブランドを4つご紹介! 早速、みていきましょう。


Gaia Segattini Knotwear (ガイア セガッティーニ ニットウエア)

2019年、イタリアのマルケ州で20年に渡りデザイナー、トレンドハンターとして活動してきたガイア・セガッティーニ氏と、同じくマルケ州で、小さいながらも長きにわたり一流ブランドのニットウエアを手掛けてきた工場と共同で立ち上げた「Gaia Segattini Knotwear(ガイア セガッティーニ ニットウエア)」。イタリアの生産背景や技術、インディーズブランド、サステナビリティといった考え方への知識を深め、ブランドがスタートしました。ブランド名が“Knitwear”ではなく、“Knot(=結び目)wear”なのは、イタリアの生産背景、技術、デザインを結ぶといった思いが込められています。



すべてのニットにイタリア製の余ってしまった糸を使用。一流ブランドが使用しなかった糸を買い取って生産しているため、しっかりとした上質なものづくりと、限定生産によるコレクションアイテムを作り出しています。そのため技術的な側面はもちろんですが、持続性(サステナビリティ)といった面でも、無駄をなくし環境を守ることに貢献しています。数量限定で生産されるニットウエアは、ECサイトやPOPUP、イベントを中心に販売。彼女自身がお客様と直接やり取りをし、コミュニケーションをとることを大切にしており、イタリア国内でファンを増やし続けているブランドです。



この度、「ITALIANITY(イタリアニティ)」の読者に向けて、各ブランドのデザイナーからメッセージが届きました。

ガイア セガッティーニ ニットウエアのデザイナー セガッティーニ氏は次のように語っています。


ガイア セガッティーニ ニットウエアのデザイナー セガッティーニ氏

フォルツア・ラガッツェは、地球の反対側に住んでいても、好奇心、クオリティやデザインに対する想い、SNSを通した交流などを通じて笑顔の価値を共有することのできる、同じような思いを持つ女性たちがつながるために生まれました。


イタリアの小さな職人のブランドが初めて、直接お客様に製品を届けることができました。これは、女性が自分たちに似た女性のために制作した製品であり、デザイナーは実際に製品を作る職人でもあります。それらが作られている地域に密接に関連する製品、Instagramで女性のコミュニティを作成する製品、実際に毎日着用され、ポジティブなエネルギーに満ちた服やアクセサリー。フォルツア・ラガッツェのイベントの期間中は、会ったことがなくても同じ想いを共有できることが確認できて、とても興奮しました。この取り組みは、新しいデジタルクラフトマンシップ、女性の起業家精神、サステナブルで自然なビジネスモデルとしての展示会、会議、デザインスクールや大学での講演等を含め、今後さらに成功し、より構造化できると信じています。日本の皆様に感謝し、またお会いできる日を楽しみにしています!」


オンラインストア:https://gaiasegattiniknotwear.it/it/


Rosso Cuore by Paola Brunello(ロッソ クオーレ バイ パオラ ブルネッロ)

イタリア・ミラノ出身のPaola Brunello(パオラ・ブルネッロ)氏は、12年間劇場でコスチュームやセットのデザインを担当したのち、2011年にアクセサリーブランド「Rosso Cuore by Paola Brunello(ロッソ クオーレ バイ パオラ ブルネッロ)」を設立。劇場とデザイン、紙とインク、生地と装飾品、 原材料と造形など、クリエイティブへの情熱を注ぎつくられています。



元々お菓子からインスピレーションを受け、様々な形や色、匂いなどとつけた室内装飾品をつくっていましたが、2016年からもっとパーソナルでストーリーのあるアートピースになるようなものづくりをしたいと、いまのブローチが誕生しました。このブローチは、彼女が憧れていた歴史上の女性がインスピレーション源となっています。



ブランドのコンセプトは、研究、革新、デザインへの情熱、好奇心、そして強い美意識に駆り立てられた新しいプロジェクトに常に取り組んでいくこと。すべてイタリアのマテリアルを使用し、マルケ州にある彼女のラボで自身の手によって生産されるアクセサリー群は、女性が女性に憧れ、身につけるすべての女性のためにつくられています。


ブルネッロ氏は、次のように述べています。


私のビジューNELLIEAROUND THE WORLDは、19世紀のジャーナリストの第一人者であり、本物の歴史上の女性であるネリー・ブライをインスピレーションに生まれました。彼女は最初の調査ジャーナリストであり、女性の社会進出や自立の素晴らしい例であり、1888年にわずか72日だけで世界最速の旅行の記録を破った最初の女性でした。


私はネリーが大好きです。なぜなら、彼女はすべての女性が人生に直面しなければならない勇気、大胆さ、決意、回復力、情熱を表しており、私のビジューで語られた物語を通して、多くの女性がネリーように情熱を持って生きるように刺激したいと思っています。


私のストーリーテリングビジューは、勇敢で華麗で好奇心旺盛な女性が世界中で誇らしげに身に着けられ、女性によって語られる女性についての物語です。私のネリーを身に着ければ、孤独を感じることは決してありません!」



オンラインストア:https://www.rossocuore.it/it/73-spille


LA MARCHIGIANA(ラ・マルケジアーナ)


SOUVENIR D‘ITALIE(スベニール・ディタリー)

イタリア・マルケ州のアスコリ・ピチェーノという街にある靴工場に生まれたダニエラ・ディレッティ氏は、アート、建築の学位を取得後、LA MARCHIGIANA(ラ・マルケジアーナ)とSOUVENIR D‘ITALIE(スベニール・ディタリー)という2つのブランドで、靴とカバンを展開しています。



スベニール・ディタリーのラインは、現在のイタリアの新しいクリエイティブのシーンからインスピレーションを得て、今の生産背景にあったモノづくりを心掛けています。ラ・マルケジアーナは、彼女の生まれ育った町の名前を付けて、彼女自身のクリエイティブの基準となっています。快適性と美しさの両立を目標に掲げ、毎日身につけられるように考えられているブランドです。またサステナビリティの観点から、工場などで余った革を使用してつくられているので、余剰生産をなくし、受注生産という形をとっています。


デザイナー、革職人として活動する傍ら、大学でアートヒストリーの教鞭を取るダニエラ氏は、現在職人が置かれている立場の悪さに違和感を感じ、技術を守りながら世界中に発信できる若い世代の育成と、有意義な作業ができるような環境を整えていくことを目標に学校を立ち上ました。


ダニエラ氏曰く「私のブランド ラ・マルケジアーナが、ITALIANITYにフォルツア・ラガッツェ プロジェクトの一員として、参加できることを光栄に思います。ファッションに対するセンスの良さと細部へのこだわり等、日本の皆様には、サステナビリティと非常に快適で美しい製品を生み出すための継続的なリサーチをする私のブランドのコアバリューをよく理解していただけるかと思います。


私にとって、美しさは快適性の妥協ではないと思っています。私の作る靴は、寒い日でも温暖な日でも、ソールは快適で、靴内の温度は適温に保たれまるアッパーの素材を使用します。そのような靴に私たちは、形と色の選択肢を与え、さらなる価値を高めています。


サステナブルへの取り組みとして、私たちの商品に使用する革は、工場にて過剰生産され余った革や、少量生産の為使用されることのなかった革です。そのため、ラ・マルケジアーナの商品は、サステナブルでありながら、ユニークで一味違った商品です。イタリアの工芸品のような商品、特に私のブランドに関心を持っていただいた日本の皆様に感謝したいと思います。日本の皆様が私が商品に注いだ想いや情熱を受け取っていただけると幸いに思います。」


公式HP:https://lamarchigianastore.com/


Clotilde(クロティルデ)

2003年イタリア・プラートで出会い立ち上げたファッションブランド「Clotilde(クロティルデ)」。プラトはフィレンツェ郊外に位置し、イタリアを代表する繊維産業の街。生地工場で出会ったデザイナーのシルビア氏とコスタンザ氏の二人は、そこで大量に廃棄されていく服を見て、トレンドを追い続けるファッションの世界をどうにか変えていきたい、それらの服を再利用するのではなく、洋服という概念を根本から変えていきたいと考えブランドをスタートしました。


トランスフォルマビティというラインは、生地やデザインを見直し、着る人によって様々な着方に変更できるように作られています。トレンドに左右されず、一人一人がその時々で着たい服に変化できるデザインを生み出しているので、長きにわたって愛用できます。彼女たちの哲学を反映させ、それぞれの思いを服に落とし込み、これまでの洋服の概念を変えるコレクションを発表しています。


デザイナーのシルビア氏とコスタンザ氏からは、詩が届きました。


クロティルデは2003年に常識に疲れた2人の女性によって立ち上げられました。

その瞬間から、二人は方法、問題、そして形や空間を考察してきました。

クロティルデはプラトで生まれました。

案山子、糸、そしてビンテージ古着の町。

私たちは生地の保管倉庫で出会いました。

原材料とぼろきれ。

古い洋服の間を歩き回り、

私たちのアイデアの原型を見つけました。

生地の裏話を探し、私たちの思いを織り込む方法を探しました。

クロティルデは、再構築ではなく、破壊的欲求から始まりました。

捨てられた洋服を復活させたい思いから、すぐに飽きられてしまうファッションへの戦いに変わりました。

私たちは何度も挫折し、復活し、変化し、立て直しました。涙。

私たちはルールは理解していましたし、それを覆すことができることとも思っていました。

着る人が自由に着る時を選べる生地を作ることが必要だったのです。

”トランスフォルマビティ“は、クロティルデの哲学です。

“トランスフォルマビティ“は、何通りもの着こなしが出来ます。

これが私たちの洋服がその名前を付けている理由です。

人の自由な創造性による、無制限のルックスと雰囲気を作るために、名前に記しています。

ボリューム、長さ、ボタンの留め方、ライン、そして着方に至るまで、変化させることが出来ます。

皆一人一人が持つ変身への思いが反映できない服とはどういうことでしょう?

クロティルデは、それこそがファッショントレンドの権威よりもっと現代的で自然なことだと考えます。

私たちは2人。黒毛と赤毛。

シルビアとコスタンザの2人で一つのプロジェクト:クロティルデ

生地という概念を身に着ける

現代の2人の違う人間のストーリーがそれぞれの服に詰まっています」


オンラインストア: https://www.clotilde.biz/shop


国際市場がこれまでの歴史で持ち続けた固定観念とは異なる「メイド・イン・イタリー」を伝えたいという想いから生まれたフォルツア・ラガッツェ。彼女たちの信念が詰まった各ブランドに、ぜひ注目してみてくださいね!