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フェラーリを特注できる顧客とは!? 世界に1台だけのワンオフ・フェラーリ | フェラーリ SP38(2018)

フェラーリ SP38(2018)

スーパーカーの代名詞「フェラーリ」。目立つうえに台数が少ないため、街で見掛けると思わず見入ってしまうことも。ところでフェラーリには、世界に1台しか作られないスペシャルモデルがあることをご存じだろうか。フェラーリでは顧客からのオーダーにより特別な1台を作るワンオフ・プログラムというサービスを提供している。今回はそんなテーラーメイドで作られた世界に1台だけのフェラーリを紹介しよう。


2018年5月に発表されたワンオフモデル「SP38」。

ワンオフ・フェラーリの最新作が2018年5月に発表された「SP38」。同モデルは、V8エンジンを搭載する最新の「488GTB」をベースに、フェラーリ デザイン センターが顧客の要望を聞いて特別に仕立てたもの。レースに情熱的な顧客のためにサーキットと公道の両方の走行を加味して設計され、デザインは歴代フェラーリの流れを汲んだものとされた。


エンジンカバーのルーバーやボディに溶け込んだリアウイングが「F40」を彷彿とさせる。

SP38の開発にあたりデザインチームがインスピレーションを受けたのは、フェラーリが1987年に創業40周年を記念して送り出した「F40」。リアのボリューム感を強調したスタイリングや、切り込みが入れられたリアエンジンカバー、車体と一体化したリアウイングなどに、その面影が見て取れる。


ボディは完全にオリジナル。3層レイヤーのメタリックレッドでペイントされている。

一方、フロントはヘッドライトが可能な限り小型化が追求され、シャープな表情を形成している。装着が義務付けられているデイタイムランニングライトは、バンパーリップに内蔵した。こうしたゼロから作り上げたとは思えないデザインクオリティの高さも、フェラーリを愛する顧客とその要望に真摯に応えたフェラーリ デザインチームのこだわりの結晶といえるだろう。

フェラーリ P540 スーパーファースト アペルタ(2009)


他にもフェラーリが過去に手掛けたワンオフモデルをいくつか紹介しよう。まずは「P540 スーパーファースト アペルタ」。こちらはアメリカの裕福な顧客のために「599GTBフィオラノ」をベースに2009年に作られたもの。映画『トビーダミット(世にも奇妙な物語)』(1968)に登場したフェラーリに感銘を受けた顧客がフェラーリに発注。その劇中に登場したフェラーリは、カロッツェリア・ファントゥッツィが映画のために特別に製作したモデルだった。

フェラーリ スーパーアメリカ 45(2011)

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スーパーアメリカ45は、ニューヨークのコレクターで、熱心なフェラーリファンでもある不動産王のピーター・カリコウ氏がフェラーリオーナー歴45周年を記念してフェラーリに製作を依頼したモデル。カーボンファイバー製の回転開閉式トップは、オープン時にトランクルーム内に格納される。インテリアもレザーとカーボンを組み合わせた特製のデザインとされた。

フェラーリ SP275 RW コンペティツィオーネ(2016)

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「SP 275 RW コンペティツィオーネ」は、「F12ベルリネッタ」をベースに、フェラーリがカロッツェリア・ピニンファリーナと共同で仕上げたワンオフモデル。2016年12月に発表された。60年代のV12搭載のスポーツクーペ「275 GTB」にインスピレーションを受けつつ、現代のデザイン技術を駆使し、バランスのとれたフォルムが追求された。フロントフェンダーやBピラーのエアベントは往年の275 GTBに共通する特徴。エンジンおよびトランスミッションはよりパワフルな「F12tdf」のものを搭載する。