INTERVIEW

INTERVIEW

【8/8〜来日】Il Volo(イル・ヴォーロ) インタビュー!YouTubeで2億回再生、ジャンルを超える声楽家トリオ

10代半ばでデビューした際、最初からアメリカ市場で成功をつかみ取って以来10数年。Il Volo(イル・ヴォーロ)の3人の少年声楽家たちは、立派な若者になって、3度目の来日公演のために再々来日を果たしました。


既に日本や世界中に多くのファンを獲得している彼らがインタビューに答えてくれました。文末にイル・ヴォーロからITALIANITY読者へのヴィデオメッセージがあります。



【公演スケジュール】

8月8日(月):東京国際フォーラム ホールA
8月10日(水):フェスティバルホール(大阪)
8月12日(金):愛知県芸術劇場コンサートホール

詳細: http://www.tate.jp/concert2020/IL2022.html

今回の来日では、上記の来日公演のほか、世界遺産「清水寺」でライヴ映像を無観客で収録。その模様はその後、映画化され日本をはじめ世界各国で上映される予定となっています。


イニャツィオ・ボスケット(左)とジャンルカ・ジノーブレ(右)(インタビューはオンラインで実施)

清水寺でのライヴは外国人アーティストとして世界初

ーー今回の来日では、世界遺産である清水寺でのライヴ映像を収録するそうですね。このプロジェクトへの想いを教えてください。


ャンルカ(以下、G): オペラのベルカントが持つ音楽の力が、歴史的かつ素晴らしい場所で歌うことを許していただけていると思っています。プッチーニの「誰も寝てはならぬ」や巨匠モリコーネの楽曲、そして僕らの音楽が持つ魔法がその場所のサントラのようになるからかもしれません。2016年に『三大テノールに捧げるコンサート』をフィレンツェのサンタ・クローチェ広場で行った時も、巨匠エンニオ・モリコーネ追悼コンサートをアレーナ・ディ・ヴェローナで行った時もそうでした。日本に戻って来て、僕らの音楽の“ベスト”を尽くせることを、とても光栄に思っています。僕らを信じてくれるすべての人に感謝を捧げるとともに、この素晴らしい国で僕らの音楽を奏でることを許していただけることを嬉しく思います。


イニャツィオ(以下、I): 特に感謝したいことは、清水寺でライヴする初めての外国人アーティストに僕らを選んでいただいたことですね。そしてこの世の中の平和と自由を祈願した慈善コンサートとなることもうれしく思っています。


※清水寺で撮影されるライブ収録動画は9月19日(日)にストリーミング配信も行われます。その後全世界で映画化予定。
詳細はソニーミュージック「イル・ヴォーロ」オフィシャルサイトにて発表予定


ーー今回は3度目の来日公演ですが、日本への印象は初回と変わりましたか?


G: 2017年、2019年、そして2022年ですね。最初の頃から比べると僕らは成長しましたし、日本にはある程度は慣れましたが、いつも僕らを驚かせてくれ、違いを楽しませてくれる素敵な国だと感じています。幸いなことに、僕らはあらゆることを吸収する能力を持っていて、場所、人々、食べ物や文化の違いを楽しみさえすることができるようになりました。同じ体験を共有できる人々と一緒に居られることを幸せに感じています。今では僕らは日本が大好きなんです。


ーー今回は日本人観客に何を伝えたいですか?


I: もちろん、毎回いろいろな事を伝えたいと思っています。前回と異なるものを与えられたらと思いながら。結局は音楽に対する僕らの情熱に尽きますね。そしてあたかもイタリアに居るかのように感じていただけたらと願っています。イタリアの文化や背景などを僕らのコンサートで感じて欲しいのです。いつもそのような思いを込めているんですよ。


過去の曲だけではなく、新しい曲にも挑戦するグループ

ーー3人で歌うことには、何か特別な秘訣はありますか?


G: 僕らはとても幸運に恵まれていたと思います。3人3様の異なる声を持っていたのですから。3人ともそれぞれ異なるカリスマ性をも持っていますし。こうした大きな違いがあるにも関わらず、音楽に対する熱い情熱は誰もが同じでした。この熱い情熱で3つの異なる声を重ねた時、それが僕ら特有の声質として特別なものになった、ということに尽きますね。


ーー昨2021年に亡くなった偉大なイタリア人作曲家エンニオ・モリコーネを追悼してコンサートを行い、スタジオ録音アルバムもリリースしましたね。あなたたちにとって、モリコーネとはどんな人物ですか?


I: エンニオ・モリコーネはまさに天才ですね。映画の中で流れる音楽を超越して、それ以上のものを伝えられる魔法のような力を持っていたのですから。僕らは美しいメロディを持った彼の楽曲をカヴァーする機会に恵まれて、とても光栄に思っています。


『夕陽のギャングたち』より「ゴールドの恍惚感」 作曲:エンニオ・モリコーネ

ーーあなたたちのオリジナル楽曲は、フランチェスコ・ボッチャ、トミー・エスポージト(イル・ジャルディーノ・デイ・センプリチ)、フランチェスコ・レンガ、ジャンナ・ナンニーニなど、有名なイタリア人アーティストたちが書いた楽曲が多いですね。


G: 僕らにとってベルカントでたくさんの歴史的な楽曲を歌うのと並行して、新しいオリジナル曲を歌うのは、単に過去の曲だけを歌うグループではないという姿勢なんです。僕らのような若いグループに偉大なアーティストたちが楽曲提供してくれることはとても幸せに思っています。


ーーあなたたちはたくさんのカヴァー曲のレパートリーにしていますが、オリジナル曲を歌う時と異なる特別なことはありますか?


I: 絶対的に過去の曲を歌う方が簡単なんです。新曲を歌うには、新しい感覚、新しい技法、新しいフィーリングなどを探り寄せなければなりませんから。とはいえ、僕らが巨匠モリコーネをカヴァーした時、既にモリコーネは他界していましたから、直接教えを請うことはできなかったので、それはそれで難しかったですが。


10代半ばでデビュー。3人で子供の頃からの夢をつかむ


ーーあなたたちは10代半ばの頃、年少者向けのタレントショー番組『ティ・ラッショ・ウナ・カンツォーネ』に2009年に出演して、音楽界にデビューしましたね。当時の思い出を教えてください。


G: 僕らは3人とも少年、しかもまだ年端もいっていない子供で、単に夢を追って駆け出したら、そこで天職を得たのです。とても幸運なことだったと思います。挫折も味わうことなく自分の情熱で生きていけるということは。僕らは単に自分の夢を信じていただけなのに、3人でその夢をつかみ取れたのは奇跡のようでした。


『グランデ・アモーレ』はYouTubeで2億回以上の再生回数を誇る

ーーあなたたちのアメリカ市場進出の際、有名な歌手であり敏腕プロデューサーのトニー・レニスと、もうひとりの敏腕プロデューサーのミケーレ・トルペーディネが貢献してくれましたね。


G: そうそう、そうなんです。彼らは、子供だった僕らの夢を成就させるために尽力してくれた恩人なのです。ミケーレ・トルペーディネはアンドレア・ボチェッリやズッケロといった、後にビッグとなるアーティストたちを育てた敏腕マネージャーでもありましたから。まだ15歳ぐらいの子供たちが商業的ではない楽曲を歌うというグループを売り出すのには、僕らの力は充分ではありませんでしたから。でもそれが受け入れられる市場を見つけ出してくれたのが彼らでした。


I: 僕も全く同じことを思っていますよ!


ーーインタビューの最後に、ITALIANITY読者にヴィデオメッセージをお願いします。


G: チャオ、皆さん。僕らはイル・ヴォーロの2人。もう1人のピエロは明日到着する予定です。ITALIANITYの読者の皆さまにご挨拶申し上げます。


I: 全てジャンルカが言ってくれましたね。またコンサートでお会いしましょう。チャオ!アリガトゴザイマス!