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縄跳びの動きと音が響き合う!イタリア発のアートカンパニーが日本でパフォーマンスを実施!

Keiko Shimada

2025.12.04

誰もが子どもの頃に遊んだ経験のある縄跳びを、アーティスティックなパフォーマンスへと高めたカンパニーがあります。「Parini Secondo パリーニ・セコンド」のステージを通じて、イタリアから世界へと広がっていく新時代のアートパフォーマンスを体感してみませんか。



古代エジプトでは儀式だった縄跳び

縄跳びの歴史について知っていますか?なんと、古代エジプトの壁画や古代中国の文献にも出てくるという、長い長い歴史を誇る運動だったのです。古代エジプトでは儀式として使われていたらしく、壁画にもその様子が描かれている縄跳び。日本に入ってきたのは明治時代の1878年で、ドイツ人教師を通じて体操伝習所に伝わったのが始まりです。


現在では、子どもの遊びやアスリートのエクササイズが主流ではありますが、プロの縄跳びプレイヤーもいるそう。単純で誰もが楽しめるものではありますが、奥深い運動と言えるでしょう。


女性だけの縄跳びパフォーマンス集団Parini Secondo

その縄跳びがメインとなった作品を創作して活動しているのが、ダンサーのシッシー・バッサーニ、マルティーナ・ピアッツィ、カミッラ・ネーリ、フランチェスカ・ピッツァガッリによって2017年に設立されたパフォーマンス集団「パリーニ・セコンド」。縄跳びをダンスや音楽と密接に結びついたリズミックな運動として捉えるクロスオーバー的なアプローチによって、芸術と独創性の関係を問い直すパフォーマンスを行なっています。


イタリアでのデビューは2020年の『SPEEED』で、2024年の『HIT/HIT OUT』から国際的な活動を本格化させ、日本、アメリカ、台湾、ヨーロッパを巡るツアーを展開し、現在はイタリアのエミリア・ロマーニャ州を拠点に活動しています。


『SPEEED』は、90年代に東京のクラブで広まったパラパラとユーロビートから着想を得たパフォーマンス。カラフルな美学とハイパーダイナミックな動きが特徴的なダンススタイル“パラパラ”は、特に腕の動きが重要です。日本のアニメーションからインスパイアされた複雑なジェスチャーの組み合わせによって、ユーロビート特有の“カフェイン的興奮”を表現しています。

Parini Secondo『SPEEED』のビジュアル
Parini Secondo『SPEEEDO』のシーン
“SPEEED” 2020

世界を巡ったパーフォーマンスのアーカイブ

2023年、パリーニ・セコンドは、フィールド録音・電子音響のグラウコ・サルヴォ、映像および編集のピエール・パオロ・ピアッツィとともに、縄跳びという行為を通して、場所が本来秘めている音の特徴を浮かび上がらせるパフォーマンスを記録しています。


彼らは響きのある特別な空間を選び、パリーニ・セコンドの縄跳び技術の変化や成長を記録しながら、ピアッツィの静かで感受性ゆたかな映像、そしてサルヴォが丁寧に加工を施したフィールド録音を通して、リサーチの軌跡を語るアーカイブを創り上げました。

Perni Secondo“Do-around-the-world”
Perini Secondo“Do-around-the-world”
“Do-around-the-world” 2023

話題作『HIT OUT』を屋外ステージでパフォーマンス

今回、イタリア文化会館の屋外広場で披露する『HIT OUT』は、縄跳びが生み出す音に着目し、その音の可能性を探究するパフォーマンス。打楽器として縄を跳ぶ音を用いることで、リズムの実体化を試みます。縄跳びを行うパフォーマーは、「前跳び」「二重跳び」「サイドスイング」といった縄跳びの技を、リズムと振り付けが融合したスコアとして表現。声や電子音と組み合わせることで、本物のHITとして響き合います。


Perni Secondo『HIT OUT』のシーン
“HIT OUT” 2024

『HIT OUT』の元となった『HIT』は、トレーニングという個人の訓練を、ひとつのパフォーマンスへと昇華させた作品。ロープが地面を叩く連続的で力強い音は、私たちの目を閉ざし、地面に押しとどめようとする力への反逆のリズムでもあります。

Parini Secondo「HIT OUT」
『HIT』2024

イタリア文化会館の1階広場を舞台に開催される『HIT OUT』は、若手アーティスト支援プロジェクト「ペル・キ・クレア2023/2024」の一環として行われる公演。若きアーティストたちのパフォーマンスを、ぜひ目の前で体感してください。


パリーニ・セコンド × Bienoise

HIT OUT
日時:12月15日(月)
   昼の部12:00開演、夕方の部 17:30開演
会場:イタリア文化会館 1階広場

料金:無料

お申し込み:昼の部はこちら、夕方の部はこちら

出演:シッシー・バッサーニ、マルティーナ・ピアッツィ、カミッラ・ネーリ、フランチェスカ・ピッツァガッリ
振付:パリーニ・セコンド
音楽:アルベルト・リッカ/Bienoise

*本公演は、「Per Chi Crea」プログラムの一環として、MiCおよびSIAEの支援により実現しました。


イタリア文化会館 https://iictokyo.esteri.it/ja/