無料で聴けるSpotifyプレイリストには、勝敗の結果順に楽曲を収録しています。
2026年2月24日~28日に開催された第76回サンレモ音楽祭は、Sal Da Vinci(サル・ダ・ヴィンチ/ 56歳)が歌った「Per sempre sì(ペル・センプレ・スィ/意:永遠に誓うよ)」が優勝に輝きました。
内容は、一組の男女が永遠を誓うラヴソング、というよりもズバリ結婚賛歌と言えるでしょう。キリスト教の結婚式で、神父から「永遠に愛することを誓いますか?」と問われて、新郎新婦が互いに「はい、誓います!」と答えるという部分が楽曲タイトルになっています。
サンレモの舞台でも、ミュージックビデオでも、最後の決めポーズとなっているのは、自身が身に付けた結婚指輪を差し示すパフォーマンス! 早くもこのポーズはイタリアでちょっと流行り始めているようです。

その指輪を指し示す部分である、最後の歌詞のみナポリ語を取り入れて、「Accussì sarrà pe sempe sì」(アックッスィ・サッラ・ペ・センペ・スィ/意:だから これからもいつも“はい”と誓うよ)が、ナポリ人のみならず、イタリア人の音楽のふるさとであるナポリへのオマージュが込められているところも聴きどころですね。
注:サンレモ音楽祭出場資格曲は“イタリア標準語歌詞”であることなので、全部が方言ではNG。
楽曲の作成にはサル自身と息子のフランチェスコがナポリ風のエッセンスを、優れたメロディメーカーとして知られているフェデリカ・アッバーテがヒット要素を付け加え、国際的に著名な音楽制作組メルク&クレモントが楽曲制作にも加わりプロデュースを担当するという、いわばドリームチームを結成したことで、伝統的なナポリのサウンドにモダンなファンクの要素を加えたことが、世代や異なる音楽志向の垣根を超えて、多くの票の獲得に繋がったようです。
ここ数年のサンレモ音楽祭はどちらかというと若手が優勝をさらう回が多かったことへの反動なのか、56歳とベテラン域に入りつつも、まだサンレモ音楽祭では無冠だったサル(今回が17年ぶり2回目の出場)が優勝に輝くという予想外の展開。こういう時の運を手に入れるのも実力のうち、といったところでしょうか。
優勝者サル・ダ・ヴィンチとは?
サル・ダ・ヴィンチは著名な歌手だった故Mario Da Vinci(マリオ・ダ・ヴィンチ)を父に持つ、いわば「芸能人2世」であり、父のアメリカツアー中にニューヨークで生を受けたため、アメリカ国籍を保有しています(イタリアとの二重国籍)。その後は一家の地元であるナポリで育ち、‘76年ごろ(6歳ごろ)からは父マリオに随行する形でサル自身も芸能活動を開始しているので、いわば活動50周年目で得たサンレモ優勝という快挙だったとも言えます。
カヴァー大会でも聴かせたサル!
今回のサンレモでも例年のお楽しみのひとつとなっているカヴァー大会が第4夜に開催され、サル・ダ・ヴィンチは名曲「Cinque giorni(チンクエ・ジョルニ/ 意:5日間)」(1994)を作者&オリジナル歌手のMichele Zarrillo(ミケーレ・ザッリッロ / ‘90年代に来日公演歴あり)を招いてデュエット。カヴァー大会での順位は6位に留まりましたが、多くの聴衆を魅了してやまない名パフォーマンスとなりました。
サビを観客全員で歌うのはイタリアあるある情景=愛されている歌の証
またこの歴史的デュエットをスタジオ録音したヴァージョンもリリース。
※その他にも今大会のカヴァー大会で披露された楽曲の多くがスタジオ録音版をリリースしています!← 近年は全くなかったのでファンには嬉しいはず。

ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2026出場権を獲得
ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2026年大会は5月12日から16日までオーストリア・ウィーンで開催されます。イタリア代表はサンレモ優勝者にまず優先的に出場権が与えられ、稀に出場辞退する優勝者もいるのですが(2025年大会もそのパターンで、サンレモ準優勝者がユーロヴィジョン出場となった)、今回は優勝者サル・ダ・ヴィンチがそのまま出場を決め、サンレモ優勝曲「Per sempre sì」でイタリア代表として挑戦することが決まりました。
※イタリアはシード権を持つため、最終日の決勝戦から)

サンレモ2026も順調な視聴率を獲得!
視聴率は平均:62.16%、最高瞬間視聴率は最終夜の現地時刻深夜11時時以降~午前2時にも関わらず、74.7%を記録。前年の数値はそれよりも高いバケモノ級だったので、前年比自体は94%ぐらいでしたが、充分すぎるほどの数値であることは間違いないでしょう。ちなみにメインスポンサーは、スズキ(のイタリア法人)。

真の優勝曲は?
古くからのサンレモ七不思議のひとつですが、優勝曲がその後も他の出場曲を押さえてぶっちぎりの大ヒットとなり、翌年以降も定番曲に残り続けるとは言えない現象が度々あり、大会終了後に密かに「真の優勝曲は〇〇だったのでは?」という噂が止みません。
この原稿を書いている時点(大会終了後の1週目)でヒットしている順位は:
- 「Male necessario(意:必要悪)」Fedez(フェデツ) e Masini(マジーニ)(大会では5位)
- 「Che fastidio!(意:なんて不快!)」Ditonellapiaga(デイトネッラピアガ)(同3位)
- 「Tu mi piaci tanto(意:君が大好き)」Sayf(セイフ)(同2位)
- 「Prima che(意:その前に)」Nayt(ナイト)(同6位)
- 「Ossessione(意:妄想)」Samurai Jay(サムライ・ジェイ)(同17位)
- 「Qui con me(意:私とここに)」Serena Brancale(セレーナ・ブランカーレ)(同9位)
- 「Stupida sfortuna(意:愚かな不幸)」Fulminacci(フルミナッチ)(同7位)
- 「I romantici(意:ロマン派)」Tommaso Paradiso(トンマーゾ・パラディーゾ)(同10位)
- 「Magica favola(意:魔法の寓話)」Arisa(アリーザ)(同4位)
といったところで、優勝曲の「Per sempre sì」は11位に甘んじています・・・・
新人部門結果

優勝:「Laguna(ラグーナ/ 意:潟湖)」Nicolò Filippucci(ニッコロ・フィリップッチ/ 19歳) 2位:「Mattone(マットーネ/ 意:レンガ)」Angelica Bove(アンジェリカ・ボーヴェ/ 22歳)
新人部門はサンレモ音楽祭への登竜門となる2つのコンテストから2人ずつの計4組で戦われ、Sanremo Giovani(サンレモ・ジョーヴァニ)からの2名がArea Sanremo(アレア・サンレモ)から選出の2名を破って決勝戦に進出。しかしながらサンレモ・ジョーヴァニでは優勝したアンジェリカが2位に甘んじで、まさかの大逆転で若いニッコロが優勝に。時の運って判らない物です。
アンジェリカは2025年5月大阪・関西万博の野外アリーナで行われた『Sanremo Giovani World Tour』に出演する4人の歌手のひとりとして来日し、筆者も実際にステージを堪能した縁で個人的には応援していたので、本当に残念!

彼女は過去何度もSanremo Giovaniに挑戦するもファイナリストに残れず、サンレモ出場権を得られない人生でしたので、今度こそ!だったはずなのですが。。。
しかしながら栄誉ある副賞「ミア・マルティーニ賞(批評家賞)」と「ルーチォ・ダッラ賞(記者クラブ賞)」をW受賞!この2つはいわば音楽業界のプロたちの声のみで選出される賞なので、時には優勝より価値があると言われているのですから。
サンレモ音楽祭2026の詳細
出場アーティスト、ゲスト出演者などの詳細の他、全出場曲、全カヴァー曲&そのオリジナル曲、ゲストが披露した楽曲、各出場者入場の際に使われたジングルなどを網羅した、まさにComplete版プレイリストが付いた記事は、筆者の公式サイトに掲載してあります。
よしおアントニオ公式サイト
https://piccola-radio-italia.com/archives/52418002.html
Buon ascolto!(ブォン・アスコルト!/ 楽しんで聴いてね!)