MUSIC

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イタリア語の歌をフィーチャーしたイタリア映画

どこの国でも映画と音楽が密接な関わり合いを持っている例が多いですが、イタリアも同様、否、かなりの関係性がある例が多いです。映画音楽、サウンドトラックというジャンルもありますが、ここではイタリア語詞の歌の比重が高い映画の中から、日本で20年以上開催が続いている『イタリア映画祭』で過去上映された作品を紹介いたします。


中には歌の内容がかなり重要ながらも、日本語字幕や日本語解説では割愛されているものもあるので、歌を知ってから改めて映画を見ると、より作品の魅力が判ります。


イタリア映画祭上映作品の中には、日本市場でも後にロードショーが行われたり、セルDVDが発売されたり、TVやストリーミングで視聴できる作品もいくつかあります。それでも見当たらない場合は、映画祭実行委員会にリクエストすると、アンコール上映される例も増えています。


ズバリ、歌のタイトル名=映画タイトル名の作品

1. 『メイド・イン・イタリー』原題:Made in Italy [2018年]
監督:ルチャーノ・リガブエ
出演:ステファノ・アッコルシ、フランチェスコ・コレッラ、カシア・スムトゥニアク


『メイド・イン・イタリー』原題:Made in Italy [2018年]

イタリアの国民的人気を誇るロックスター、リガブエが映画監督を務めた3作目。リガブエが2016年にリリースした同名のアルバムの収録曲をモチーフにした映画で、アルバム内で一貫して主人公となっているRiko(リコ)という精肉工場で働く一介の50歳男性の生き様を通して、母国イタリアへの愛憎を描いた作品。


劇中には、2016年のアルバムから7曲、新たに制作された楽曲が13曲と、ミュージシャン出自らしく、音楽の魅力がたっぷり詰まった映画になりました。


2. 『来る日も来る日も』 原題:Tutti i santi giorni [2012年] 
監督:パオロ・ヴィルズィ Paolo Virzì
出演:ルカ・マリネッリ、トニー、ミコル・アッズッロ


『来る日も来る日も』 原題:Tutti i santi giorni [2012年] 

ヒット作を連発するヴィルズィ監督のハートフル・コメディー。仲良しカップルが、子供ができないことからギクシャクし始める葛藤を描いています。カップルを演じた2人の俳優は、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の主演男優賞と主演女優賞にそれぞれノミネートされました。


この映画の為に書き下ろされた同名の主題歌は、オルタナ・ロックバンドVirginiana Miller(ヴィルジニアーナ・ミッラー)が手掛け、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ最優秀オリジナル楽曲賞を受賞する栄誉に輝きました。MVも映画シーンを織り込んで製作されています。


3. 『はじめての大切なもの』原題:La prima cosa bella[2010年]
監督:パオロ・ヴィルズィ
出演:ミカエラ・ラマッツォッティ、ステファニア・サンドレッリ、ヴァレリオ・マスタンドレア、クラウディア・パンドルフィ


『はじめての大切なもの』原題:La prima cosa bella[2010年]

サンレモ音楽祭1970で2位となったヒット曲のタイトルをそのまま冠した映画で、作中には同曲を始め1970年代のいくつかのヒット曲を使った印象深いシーンが盛りだくさんなので、これらの楽曲を知っているかいないかで、楽しさが10倍ぐらい異なる典型的な映画作品です。筆者もあまりの楽しさに、立て続けに3回ぐらい観てしまいました。


美しくも奔放な母親(ミカエラ・ラマッツォッティ)に複雑な心境を抱いて育った息子(ヴァレリオ・マスタンドレア)。今ではその母も老いて(ステファニア・サンドレッリ)、既に死の間際。中年になった今も中二病が抜けない息子と老いた母の間のこんがらがった糸をほどいていくシーンで、出演者たちに口ずさまれるのが、あのタイトル曲。


同曲を書いて歌ったのは、シンガーソングライターのNicola Di Bari(ニコラ・ディ・バリ)。21世紀になってすっかり“過去の人”と化していた彼が、この映画作品をきっかけに再評価されるようになったそうです。エンドロールで同曲が新たに流れますが、これはこの映画の為に新録されたMalika Ayane(マリカ・アヤン)によるカヴァー。
同映画は同年の米アカデミー賞イタリア代表に選ばれました。


4. 『星の子どもたち』原題:Figli delle stelle[2010年]
監督:ルーチョ・ペッレグリーニ
出演:ピェルフランチェスコ・ファヴィーノ、ジュゼッペ・バッティストン、ファビオ・ヴォーロ、クラウディア・パンドルフィ

『星の子どもたち』原題:Figli delle stelle[2010年]

1977年に大ヒットした楽曲と同じタイトルを冠した映画で、もちろん劇中にタイトル曲が効果的に使われています。


港湾労働者が事故死したものの、安全対策や保障制度などに向き合おうとしない政治に反発した様々な人々が集結し、大臣を誘拐して身代金を遺族に宛がう為に義賊団を結成。しかしそこはイタリアならではのコメディータッチなので、二転三転、どんでん返しアリで進んでいきます・・・・義賊仲間たちが余興として楽しむダンスシーンで流れるのがタイトル曲です。


70年代後半から80年代初頭にかけて、イタリアには一大ディスコブームが訪れますが(その名残がいわゆるユーロビート)、イタリア国内ではこの楽曲を歌ったシンガーソングライターAlan Sorrrenti(アラン・ソレンティ)が、今でもディスコの帝王と目されているほどの大ヒットとなったのです。しかも演奏しているのは、当時アメリカで最先端のミュージシャンたちで、ざっくり言うとToto(トト)人脈の人物ばかり。


なので、様々な年代にまたがる義賊仲間たちの中でもリアル世代の強面の男性が、若い仲間たちに、当時の踊り方をレクチャーしているところが微笑ましいシーンでした。


なお、アラン・ソレンティはその少し前まで、プログレ畑でドンヨリとしたサウンドの音楽をやっていたので、イメチェンに大成功したきっかけとなった楽曲となりました。

エンドロールで流れるのは、この映画の為に新録されたIrene Grandi(イレーネ・グランディ)によるカヴァー。



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よしおアントニオ / 2020.10.15


5. 『最後のキス』原題:L’ultimo bacio[2001年]
監督:ガブリエーレ・ムッチーノ
出演:ステファノ・アッコルシ、ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、クラウディオ・サンタマリア、ピェルフランチェスコ・ファヴィーノ


『最後のキス』原題:L'ultimo bacio[2001年]

30歳直前の若者たちの“こんな筈じゃなかった”現実や気持ちを描いた群像劇の傑作で、同年のダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で監督賞など5部門を制しました。


その前年にリリースされた同名の楽曲を書いて歌ったのが、女性シンガーソングライターCarmen Consoli(カルメン・コンソリ)で、当時の“英語の曲しか聴かない若者たち”でさえ、彼女の作品を好んで聴いていた才媛。映画と同じ情景を同じ役者陣が出演している同曲のMVを紹介いたします。


同曲の歌詞にはサンレモ音楽祭1959年優勝曲で、国際的にも大ヒットした「Piove(ピォーヴェ / 意:雨が降る)」の歌詞を引用されているところも重要なポイント。日本では「チャオ・チャオ・バンビーナ」の名前で親しまれました。書いて歌ったのは、イタリア音楽を世界的にヒットさせた偉人Domenico Modugno(ドメニコ・モドゥーニョ)です。


6. 『もう一度キスを』原題:Baciami ancora [2010年]
監督:ガブリエーレ・ムッチーノ
出演:ステファノ・アッコルシ、ヴィットリア・プッチーニ、ピェルフランチェスコ・ファヴィーノ、クラウディオ・サンタマリタ


『もう一度キスを』原題:Baciami ancora [2010年]

前出の『最後のキス』の10年後を描いだ続編的作品。もちろん登場人物たちは40歳という人生の岐路に際して、相変わらずも悩み多き人生をそれぞれが送っており、その様々な葛藤を描いた群像劇となり、本作も大ヒットしました。ムッチーノ監督はこの10年の間にハリウッドに進出して『幸せのちから』、『7つの贈り物』を手掛け、久々にイタリアに凱旋帰国してメガホンを取ったのがこの作品。


この映画の為に同じタイトルの楽曲を手掛けたのが、イタリア語ラップの父Jovanotti(ジョヴァノッティ)で、このMVも出演俳優総出演の豪華版です。


7. 『シャッラ / いいから!』原題:Scialla! [2011年]
監督:フランチェスコ・ブルーニ
出演:ファブリツィオ・ベンティヴォッリョ、フィリッポ・シッキタノ、バルボラ・ボブロワ


『シャッラ / いいから!』原題:Scialla! [2011年]

かつて熱心な教師として働いていた中年男性は、教師をやめて適当に暮らしていましたが、元教え子の母親が倒れ、その教え子が「あなたの子よ」と打ち明けられ、しばらく預かって面倒を見て欲しいと頼まれます。困惑する中年男と実の息子かもしれない少年のハートウォーミングなコメディー作品。同年のヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門の受賞作。


この映画の為に書き下ろされた同名の楽曲もフィーチャーされています。
ちなみにタイトルの“シャッラ”とは当時の若者ことばのひとつ。


歌が大きくフィーチャリングされた映画

8. 『皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」』原題:Lo chiamavano Jeeg Robot [2015年]
監督:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア、ルカ・マリネッリ


『皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」』原題:Lo chiamavano Jeeg Robot [2015年]

1979年にイタリアで放映された日本のアニメ『鋼鉄ジーグ』(原作:永井豪)が空前の大ヒットとなり、その時期に子供だった世代のイタリア人にとっては、今も心のヒーローであり続けているという、日本人には知られざる驚愕の事実が判る映画です。ローマ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、大喝采を浴びて、マイネッティ監督のデビュー作ながら大ヒットを記録しました。


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よしおアントニオ / 2020.07.31

この映画の登場人物たちは“鋼鉄ジーグ世代”であるものの、人生がうまくいっているとは言えない状況にあり、主人公はあるアクシデントが原因で超人的なパワーを手に入れるものの、悪事に利用することしか考えないダメダメ人間。その驚異的なパワーを我がモノにせんとするゴロツキと鎬(しのぎ)を削りあいます。ところが鋼鉄ジーグの熱狂的なファンの女性(軽度の知的障害者)との出会いから、心を改めていくストーリー。


劇中にイタリアのヒット曲の挿入歌がいくつもあり、最もフィーチャーされているのが、ゴロツキのジンガロがマイクを手にほぼフルコーラスを歌う「Un’emozione da poco(ウネモツィオーネ・ダ・ポコ / 意:たわいない感情)」(1978)です。80年代に一世風靡するスター歌手に成長するAnna Oxa(アンナ・オクサ)が17歳時のデビュー曲でもあり、サンレモ音楽祭初出場曲でした。
※『鋼鉄ジーグ』のイタリアでの放映時代の楽曲であることも重要なポイント。


そしてエンディングロールで流れる楽曲は、主演のクラウディオ・サンタマリアが歌うイタリア語版鋼鉄ジーグの主題歌。元の日本版アニメの主題歌と同じメロディ(作曲:渡辺宙明)ですが、別曲に聴こえるほどスローダウンして歌っています。そう、クラウディオ・サンタマリアは歌手になる夢に挫折して俳優になったと言われるほど、歌ウマ俳優のひとりなのです。


9. 『あしたのパスタはアルデンテ』原題:Mine vaganti[2010年]
監督:フェルザン・オズペテク
出演:リッカルド・スカマルチョ、ニコル・グリマウド


『あしたのパスタはアルデンテ』原題:Mine vaganti[2010年]

オズペテク監督が得意とするLGBTテイストを盛り込んだ傑作ハートフル・コメディー。南イタリアのパスタ工場を経営する一家の中で、自身がLGBTであることに悩む主人公は、意を決して家族にカミングアウトして、稼業を継ぐのを諦めさせようとするものの…という物語。イタリア系出自の米歌手マドンナも絶賛し、本国で140万人を動員する大ヒット映画となりました。


カトリック教会では、生殖を阻む行為は避妊でさえも良しとしない教義があるので、LGBTは絶対に認めてはならない対象であり、南イタリアは今もその厳格な教義に染まった社会であることを踏まえて鑑賞すると、よりその深刻さが理解できるようになります。原題の意味は「浮遊機雷」の意味で、フワフワと浮かぶ危険物、転じて、触れると危ない人物、と劇中の登場人物全てに当てはまるニュアンスが実に巧みなタイトルです。


主題歌に採用された「50mila(チンクァンタミラ / 意:5万)」(2009)は、レトロなテイストの作品で定評のある女性シンガーソングライターNina Zilli(ニナ・ズィッリ)が自作して歌ったもので、ソウル畑の第一人者Giuliano Palma(ジュリアーノ・パルマ)をゲストに迎えたデュエット曲。映画の公式トレーラーでは、主人公が鏡の前で口ずさむシーンが効果的に使われています。その他にも劇中ではLGBTテイストの歌詞の楽曲がさりげなく使われていたり、楽曲を知っていると映画を数倍楽しめるタイプの映画作品でもあります。


10. 『イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男』原題:Il divo [2008年]
監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:トニ・セルヴィッロ、アンナ・ボンナイゥート


『イル・ディーヴォ-魔王と呼ばれた男』原題:Il divo [2008年]

戦後イタリアを代表する政治家ジュリオ・アンドレオッティ元首相を題材にイタリア政界の裏側を描いた問題作ながら、同年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。


7期に渡って長期政権を築いた首相ながら、裁判にかけられるなど波乱万丈の人生を過ごした人物の、かつて誇った圧倒的な権威が失墜していく憂き目の姿を描き出しています。


主人公とその妻がTVの前でチャンネルをザッピングしていると、そこに流れて来たのは、スター歌手Renato Zero(レナート・ゼロ)のライヴ映像で「I migliori anni della nostra vita(イ・ミリォーリ・アンニ・デッラ・ノストラ・ヴィータ / 意:我らが人生の最良の時)」(1995)。そのタイトルの意味通り、“最良の時”から没落していく夫婦の心理がセリフなしで描写される見事なシーンとなりました。


余談ながら、ザッピング中に流れるのは芸人ベッペ・グリッロが首相を揶揄する声。奇しくも彼は21世紀になって“五つ星運動”の党首としてイタリア政界に一石を投じる政治家に転身することになりますが、これはソレンティーノ監督も全く予期せぬ偶然のはずですが、優れた予知能力に基づく演出だったのではないか?という噂も。


11. 『マリオの生きる道』原題:La febbre [2005年]
監督:アレッサンドロ・ダラートリ
出演:ファビオ・ヴォーロ、ヴァレリア・ソラリーノ


『マリオの生きる道』原題:La febbre [2005年]

主人公は夢を諦めて公務員に転身したものの、退屈な官僚社会の中で、自分探しを続けるか否かで悩み、葛藤します。その中での出来事や出会いを丁寧に描いた秀作。


当時はまだどこにでもいる若手バンドのひとつにしか過ぎなかった、Negramaro(ネグラマーロ)の楽曲が劇中全般に多用されており、この映画のヒットと並行してバンドもブレイク。今では、イタリアで最も人気があるバンドのひとつとなっています。


12. 『家の主たち』原題:Padroni di casa [2012年]
監督:エドアルド・ガッブリエッリーニ
出演:ヴァレリオ・マスタンドレア、エリオ・ジェルマーノ、ジャンニ・モランディ


『家の主たち』原題:Padroni di casa [2012年]

かつて有名だった歌手の家のウッドデッキの張り替えに呼ばれた職人兄弟。その歌手は妻の看病をするために歌手は引退したと言うものの、何かがおかしい…ロカルノ国際映画祭コンペ部門出品。


“かつて有名だった歌手”役を演じるジャンニ・モランディは、日本でも60年代に有名だったので、配役と重ねてイメージする世代の方もいらっしゃるようですが、実は本国では、70代後半となる現在もなお国民的トップスターであり続けており、イタリア人ならそれが判っているので、そのギャップすらも楽しめるところがポイントです。


もちろん、劇中にはリアルの世界ではスターであり続けるモランディの歌が楽しめますし、そのバックを務めることの多いバンドRidillo(リディッロ)の面々の姿も映っています。ロケ地では、住民たちのためにモランディが実際にコンサートを行ったそうです。
主題歌「Lascia il sole(ラッシャ・イル・ソーレ / 意:太陽を諦めろ)」は残念ながらSpotifyに登録されていませんでした。


13. 『サルヴォ』原題:Salvo [2013年] 
監督:ファビオ・グラッサドニア、アントニオ・ピアッツァ
出演:サレ・バクリ、サラ・セッライオッコ


『サルヴォ』原題:Salvo [2013年]

コメディ要素なしのハードボイルド作品。主人公は非情さが売りの孤独なヒットマン。ある家に侵入すると、そこに居たのは盲目の女性で、標的の妹でした。そして帰宅した標的を仕留めたものの、それは実妹の目前(実際は見えてはいないけれど)…という因果関係から、2人の人生は予期せぬ方向へ…カンヌ国際映画祭の批評家週間でグランプリを受賞。


混乱の中で盲目の女性が口ずさむ「Arriverà(アッリヴェラ / 意:やって来るよ)」は、サンレモ音楽祭2011で2位となった楽曲で、人気バンドModà(モダー)とEmma(エンマ)の共演で披露されました。楽曲を書いたModàのヴォーカリストKekko(ケッコ)によると、“困難を抱えた女のコが男友達と対話している情景”を描いているそうで、まさに映画『サルヴォ』の主人公とヒロインの関係にピッタリ当てはまります。


映画の公式トレーラーではそのシーンが使われていないので、楽曲の公式MVを紹介します。映画『サルヴォ』が製作される以前の楽曲なのですが、MVのために何人かの俳優を招いて撮影された、映画仕立てに仕上がっているのも見どころです。



イタリアを代表するポップ・シンガーのエンマ(EMMA)インタビュー 「音楽を通じてイタリアの『美』を表現したい」
INTERVIEW

イタリアを代表するポップ・シンガーのエンマ(EMMA)インタビュー 「音楽を通じてイタリアの『美』を表現したい」

梅森 妙 / 2018.05.14


14. 『南部のささやかな商売』原題:Una piccola impresa meridionale [2013年]
監督:ロッコ・パパレオ
出演:リッカルド・スカマルチョ、ロッコ・パパレオ、バルボラ・ボブロワ


『南部のささやかな商売』原題:Una piccola impresa meridionale [2013年]

音楽人・俳優・コメディアンと多彩な顔を持つロッコ・パパレオ監督作品。神父の仕事を辞めて故郷に戻ってきた50歳男性(パパレオ)のもとに、妻に浮気されて(イタリア語で“コルヌート”と言います)失意の義理の弟(スカマルチョ)や元娼婦(ボブロワ)らが同居し始め、一風変わった共同生活を描いたエンターテインメントな作品。


パパレオ監督のジャズ・テイストのオリジナル作品なども劇中に使われていますが、最も印象的なのは、エンディングに流れる女性シンガーソングライターErica Mou(エリカ・ムゥ)が歌う「Dove cadono i fulmini(ドヴェ・カードノ・イ・フルミニ / 意:雷が落ちる場所)」(2013)。公式MVの最後、海に潜ったEricaが海上に顔を出すと…出演する役者総出で迎えられる豪華な映像です。