1ジロ・デ・イタリアとジーノ・バルタリ自転車博物館
CULTURE 04 Jun 2021

超高速!ジロ・デ・イタリアを自転車競技の英雄ジーノ・バルタリの地元で応援


「Quando passa il ciclismo è sempre una festa!=自転車レースが通る時は、いつもお祭り騒ぎさ!」と言われるほど、イタリアでは自転車ロードレースは大人気です。

日本ではジロ・デ・イタリアとして有名なイタリア一周自転車レースですが、イタリア語ではGiro d’Italiam、ジロ・ディタリアと発音します。

今回で104回目を迎える歴史ある大会で、北から南まで全長3479.9kmをチームで競い合います。昨年はコロナ禍の影響で開催時期がずれましたが、今年は例年通り5月の開催に戻り、5月8日〜5月30日の日程で開催されました。フランスの「ツール・ド・フランス」、スペインの「ブエルタ・ア・エスパーニャ」とともに世界三大自転車レースの一つで、世界中に熱狂的なファンのいる大会です。

往年の自転車競技名選手ジーノ・バルタリの地元でジロ・デ・イタリアを応援

フィレンツェ郊外のポンテ・ア・エマは、イタリアでは知らない人がいないほど有名な往年の自転車競技選手ジーノ・バルタリの出身地で、彼の功績を称える自転車博物館があります。5月20日、ジロ・デ・イタリアがこの博物館前を通ることを祝って、自転車博物館は特別に博物館を無料開館し、みんなで応援することを呼びかけました。

ジーノ・バルタリ自転車博物館

この日はポンテ・ア・エマの街中がジロ・デ・イタリアのテーマカラーであるピンク色で飾り付けが施され、まさにお祭り騒ぎです。ジーノ・バルタリの出身地とあって、街の住民も自転車ファンが多く、自宅の窓からピンクのTシャツや風船、横断幕を掲げてジロ・デ・イタリアを大歓迎していました。

ジロ・デ・イタリアとジーノ・バルタリ自転車博物館

博物館前にも近所の人やフィレンツェから多くの人たちが集まり、ジロ・デ・イタリアが通るのをいまかいまかと朝から待っていました。

ジロ・デ・イタリアとジーノ・バルタリ自転車博物館

自転車競技をしているかわいらしい子どもたちも、手作りの横断幕を持って熱烈に応援しています。ポンテ・ア・エマの町長やフィレンツェの市長も自転車博物館前に応援にかけつけ、ジロ・デ・イタリアの開催を祝福していました。イタリアでは自転車ロードレースが子供からお年寄りまでみんなに愛されているのがよくわかりました。

手作りの横断幕を持って熱烈に応援するかわいらしい子どもたち

自転車競技車が通る前に、何台もの宣伝車やメディアや警備関連の車やバイクが通り過ぎますが、その中にはジロ・デ・イタリアのオフィシャルパートナーを務めるTOYOTAやSHIMANOの宣伝車も。特にSHIMANOは今年創業100周年を迎えるという記事が、ジロ・デ・イタリアのオフィシャルサイトでも大きく取り上げられています。

ジロ・デ・イタリア

目の前を超高速で疾走、大迫力のジロ・デ・イタリアの生観戦

選手たちがすぐ近くまで来ると、観戦者たちが「来たぞー!」「もうすぐそこだー!」などを騒ぎ始め、盛り上がりも最高潮を迎えます。ジロ・デ・イタリアは見る場所によって違った印象を持ちますが、私が見た場所は平坦な直線コースだったのでものすごいスピードで走り去っていきました。

さほど広く無い道幅の道路だったので、選手たちと応援者の距離が非常に近く、自転車の猛スピードをすぐそばで体感できました。レースが生み出す膨大なエネルギーを肌に直接感じましたが、その迫力はライブでしか味わえないもの。なるほどイタリア人たちが熱狂するわけです。

イタリアの英雄、ジーノ・バルタリ選手とポンテ・ア・エマの自転車博物館

ジロ・デ・イタリアが開催されるほどイタリアでは外出規制が大幅に緩和されており、美術館や博物館も営業が再開されています。ポンテ・ア・エマのジーノ・バルタリ自転車博物館はジロ・デ・イタリアの通過を祝って特別に木曜日に開館しましたが、現在は週末のみ予約制で開館しています。

ジーノ・バルタリ自転車博物館

ジーノ・バルタリは1914年ポンテ・ア・エマで生まれ、1935年にプロ選手となり、その年にイタリア国内選手権を制覇。また同年のジロ・デ・イタリアでは山岳賞を受賞し、その後も通算7回も山岳賞を受賞。この最多受賞記録は今もなおジロ・デ・イタリアで破られていません。

バルタリが現役最後の大会で使用した自転車バルタリが現役最後の大会で使用した自転車

翌1936年にはジロ・デ・イタリアで総合優勝も。その後、第二次世界大戦のため一時キャリアは中断しますが、大戦後は復活してバルタリの宿命のライバルであるファウスト・コッピ選手とともにさらに活躍を続け1954年に引退しました。イタリアでは、ジーノ・バルタリとファウスト・コッピの二人は往年の名自転車競技者として、その名を知らない人はいないほど有名です。

左後方がバルタリ、右前方がコッピ左後方がバルタリ、右前方がコッピ

また、ジーノ・バルタリは偉大な自転車競技者であるだけでなく、第二次世界大戦中にイタリア国内のユダヤ人たちの国外逃亡を手伝ったことでも知られ、真の英雄として称えられています。

バルタリが使用していた黄色い自転車バルタリが使用していた黄色い自転車

善い行いはするものだ、言うものではなく。真のメダルは魂にかかっている、ジャケットにかかっているのではない」とは、まさに有言実行を体現したバルタリだからこそ言える、バルタリの名言です。

ジーノ・バルタリ自転車博物館

博物館は、現在コロナ禍のため縮小した形で展示されていますが、ジーノ・バルタリが使用していた自転車やトロフィー、スポーツウェアやインタビュー記事など功績を称える貴重な展示物の他、往年の自転車レースチャンピオンたちが使用していたクラシック自転車など自転車の歴史に関する資料などが展示されています。

ジーノ・バルタリ自転車博物館

自転車レースファンの皆さん、来年はイタリア現地でジロ・デ・イタリア観戦とジーノ・バルタリ自転車博物館の見学でイタリア自転車の世界を満喫してみてはいかがでしょうか。

Museo del Ciclismo Gino Bartali(ジーノ・バルタリ自転車博物館)
住所 Via Chiantigiana, 199 – 50126 FI
サイト https://www.ciclomuseo-bartali.it/

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WRITER PROFILE
小林 真子 Mako Kobayashi

フィレンツェ在住。元静岡朝日テレビ報道記者。2012年よりフィレンツェ在局FMラジオ番組レギュラー出演。イタリアの労働ビザを取得し、イタリア製アイテムのオンラインショップ「AmicaMako(アミーカ・マコ)」を経営。「FIATマガジンCiao!」「週刊新潮」等でイタリア関連の記事やコラムを執筆。 ●ブログ https://www.blog.amicamako.com/ ●FACEBOOK https://www.facebook.com/amicamako/ ●INSTAGRAM https://www.instagram.com/makokobayashi_firenze/ https://www.instagram.com/amicamako_onlineshop/