「イタリア人」とひとくくりにされがちですが、実際に暮らしてみると、都市ごとに性格や価値観がまったく違うことに驚かされます。ミラノ、ローマ、ナポリ、シチリア——同じ国とは思えないほど、人々の気質や生活リズム、仕事への向き合い方は多様です。
なぜイタリアは地域差がここまで大きいのか、北イタリアと南イタリアの違い、ミラノ人・ナポリ人・ジェノバ人・シチリア人の性格の特徴を、実体験を交えて紹介します。
イタリアは“都市ごとに別の国”と言われる理由

イタリアが現在の形で統一されたのは1861年。それまでは都市や地域ごとに別の国として存在していました。この歴史的背景から、イタリアでは今でも「自分の街が一番」という意識が非常に強く、地域ごとの文化や価値観が色濃く残っています。
とくに北イタリアと南イタリアでは大きな違いがあります。ミラノとローマで暮らして、シチリアやウンブリアなどへ定期的に行っている私はその違いを肌で感じています。北イタリアはビジネスが発達していて効率的。南イタリアはすべてがゆっくりで人生を楽しんでいる印象。

日本でイタリアというと、そのイメージは南イタリアのイメージに代表されている気がします。のんびり起きて、ちょっと仕事をした後はランチ。そして昼寝。午後(ローマの義母にとって午後は5時から7時の事を指すらしい!)もまたちょっと仕事をしてはアペリティーボ(夕食前の習慣)、そして夕食。永遠に会話をしてから寝る。
もちろん国民全員がこんなわけではなく、仕事をする人達はちゃんとしていて、特に北イタリアの人たちが仕事をし、彼らの税金で国を賄っているという噂も!? 実際、義父は80代で現役の医者として仕事をしていますし、主人も典型的な「ワーカホリック」。週末も夜もメールと電話会議の毎日忙しく過ごしています。
ミラノ人の性格|ビジネス優先でクール?

歩くのが早く、ビジネスライクで人間味がない。スノッブ。と言われるミラノ人。
以下はウェブで見つけたローマ人によるコメントです。
「ミラネーゼは朝起きてから夜寝るまでどうしていつも走っているんだ。一体どこに行くつもりなの?(もっとゆっくり日々を過ごせばいいのに)」
「ミラノで一番良いこと何か知ってる? それはローマまでいく電車がある事さ」

しかしミラネーゼ自身は、「南イタリアとは違い」、洗練されていて、何事においても見せびらかすのは嫌いだと言います。実際ミラノの多くのビルには「中庭」があり、外からは見えない中庭にこそ本当の豊かさがある、という価値観を持っているようです。
ジェノバ人の性格|堅実で倹約家
ジェノバは昔から商人の町として有名な海に面した街で、彼らは倹約家で知られています。
友人と車で旅行する際はガソリンを割勘で入れたり、物を捨てずにできるだけ直したり、何か買う時は一番安い物を買ったりするそうです。
ナポリ人の性格|情に厚く家庭第一

ナポリは「危ない街」と言われることも多い一方で、人情の厚さと家族愛の強さではイタリア随一。とても人懐っこい人々のようです。ポンペイがあり、ヴェスビオ山が近いナポリ。イタリア人は誰もがナポリを愛しています。

イタリアのコスモポリタン紙で、「南イタリアの女性と付き合う前に知っておくべき事」という記事がありました。デートのお勘定は割り勘なんて考えられない、ドレスコードはCasual Chic、ボートを持っていると得点が高い、お誕生日などの記念日は盛大に。
そして、最後に彼らが一番大切なのは、家族。南イタリアでは特に親だけではなく、いとこ、甥や姪など親族すべてが大切。友人との飲み会に兄弟や従兄弟が出席する率が高いのも驚きです。そして何より大切なのが、“マンマ”。母親の料理を褒めることは、ナポリでは礼儀の基本でしょう。
シチリア人の性格|陽気で野心家?

シチリアは地中海で一番大きな島。歴史的にギリシャ、ローマ人だけでなく、イスラム、またフランスのノルマン系の人々にも占領されたため、文化が混じり合ったところです。ここにいる友人は、いつも海で遊んでいるイメージ。

しかし仕事をする人はすごい。アメリカンドリームを成しえたシチリア移民が多いのも、明るい未来に対して頑張ろうという野心家が多いからかもしれません。
太陽がサンサンとしていて、トマトもナスも、シチリアでは味がまったく違います。また、海の幸も、山の幸も素晴らしい、綺麗な素晴らしい所です。
イタリア人を理解するには、「イタリア人」という括りでは不十分。ご紹介した都市以外にも、小さくて素敵な町も村がたくさんあります。イタリアにいらっしゃる際には、ぜひ色々な所を訪れ、現地の人々と交流してみてください。
※記事は2019年10月23日に公開した記事を再編集しています