Netflixでゼロカルカーレのアニメシリーズが始まりました！今回は現在のイタリアを代表するマンガ家ゼロカルカーレについて改めてご紹介します。
ZEROCALCARE ゼロカルカーレ
ゼロカルカーレは1983年生まれのローマ在住の漫画家です。コミックブログで一躍人気になりました。イタリアでは日本と違い、ブログからヒットを出す人は少ないのですが、彼の漫画は一大ブームを起こしました。
どんな漫画？
ローマの10〜20代の日常をうるさいくらいの心の声と、イマジナリーフレンドのアルマジロなどの妄想を交えて描いたコミックエッセイです。「イタリア」という単語でで日本人の私が想像するような、「明るくみんな仲良く、楽しい毎日！」からは遠い、失業や面倒な人間関係など決して楽しいことばかりではない日々を乾いたユーモアで描いています。出てくる背景が美しい街ではなく、しっかり汚れた街なのがリアル。
コミックエッセイだけでなく、創作の物語やグラフィック・ジャーナリズムと呼ばれる漫画での体験記も描いています。日本でもシリア北部のルポルタージュ「コバニ・コーリング」が翻訳されています。
G7の最中に殺された若者からインスパイアーされた話を描いたりと、政治的な作家と呼ばれることも多いゼロ。本人もその点については漫画で意見を表明したいとインタビューにも答えています。
アニメーション
Covid-19でイタリア中がロックダウンになった2020年、ゼロカルカーレは自作のアニメーション を発表しました。これはテレビ局LA７で放映され、ロックダウン中の生活を描いたこのシリーズは大変話題になりました。アニメショーンの制作も音声も本人によるものです。多才ですね。
2021年の今見ると、「ああ2020年はスーパーマーケットの前で１m間を開けて並んだなぁ。面倒な人もいたよなぁ」など、ロックダウン中のイタリアの落ち着かない日々を思い出します。
Netflix「点線を切り取る」
そして、2021年12月にNetflixで放送が開始されました。イタリアでは放送時すぐにTOP10入りの話題作。これはゼロカルカーレの過去の回想（ブログにあったようなエピソード）と現在が行ったり来たりしながら展開される物語です。社会の閉塞感や友達との距離感への悩みなど、日本でも共感する人も多いはず。
こちらのアニメシリーズも、ゼロカルカーレ自身が声を当てています。「イタリア語学習におすすめ！」と言いたいところですが…彼のイタリア語はとても早口です。慣れるまで聞き取るのは難しいかも。
1話30分、全部で6話と見やすいサイズになっています。週末にぜひ！
