トリノの国立映画博物館で、イタリアサスペンス映画の巨匠ダリオ・アルジェントの大展覧会が開催されています。
国立映画博物館とは?
イタリア映画の歴史を保存するために設立された博物館です。
この博物館は、トリノのシンボルであるモーレ・アントネリアーナに併設されています。
モーレ・アントネリアーナはケーキのモンブランにタワーを差したような、ちょっと変わった形をしていてます。吹き抜けの巨大な空間が広がっています。
映画博物館は、この形状をうまく利用し、いくつかの展示会を螺旋状につなげてぐるぐる歩きながら見て回るようになっています。高所恐怖症ではない方におすすめなのが吹き抜けのフロアの真ん中から、上に向かう、建物の中心を通るエレベーターです。
Dario Argent(ダリオ・アルジェント)とは?
ダリオ・アルジェント。1940年ローマ生まれ。映画監督、脚本家、プロデューサー。
映画プロデューサーのブラジル人モデルの母との間に生まれる。作品は、彼の両親や家族によって語られた民話や、幼少期のトラウマがモチーフになっているといわれてます。
悪魔・魔女・魔法がちりばめられたサスペンス・ホラーが多く、豪華で不気味な世界観が特徴です。当たり前だと思っていた現実がほころび、その隙間から異世界が出てくる、見ているとそんなきもちになります。
Dario Argent とトリノ
監督の自伝では子どもの頃に訪れた、トリノの第一印象を「哀愁があり、同時に不気味な雰囲気と語っています。今では、トリノのことを「トリノは私の悪夢が一番映える場所」とまで言うほど。
今回はそんな彼の映画作品から2つを紹介します。
サスペリア
あらすじ)バレエ学校に入学したスージー。しかし、そのバレエ学校には何か怪しいところが……。
私もそうなのですが、「ホラー映画はちょっと苦手」と敬遠しがちな人にもおすすめです。
70年代のホラー映画なので、今見るとあまり怖さを感じません。そして、時代がかかったセットや舞台がおしゃれで、服もカワイイ。ただ、虫が嫌いな人には要注意です。
わたしは目撃者
盲目のフランコが夜の街を歩いていると、喧嘩の声を聴き、そこから事件に巻き込まれていきます。
「九尾の猫」という原題です。悪夢が一番映える街こと、トリノで撮影されています。物語の誰も信じられなくなっていく、怪しい雰囲気と、街がよく似合っています。1971年の映画なのですが、現代でも建物が全く変わっていないのはイタリアならではですね。
子どもの頃あんなに怖かった70年代ホラー映画ですが、2022年の今見ると、突っ込みどころ満載で、カワイイとさえ思えてしまうので、新鮮です。
是非秋の夜長にお試しください。