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【連載】大塚ヒロタとイタリアと、コメディア・デラルテ「愛すべきイタリアシリーズ vol.4~言語習得編①~」

語学の習得、外国語が話せるようになりたい!!

「バイリンガル」という響きにあこがれを持ったことはないだろうか?


何を隠そう私は、日本語、英語、イタリア語を話すトリリンガルだ。わはは!どうだ!!まいったか!!それどころか韓国語やスペイン語、ポルトガル語だってちょろっと話せちゃうから、もうマルチリンガルという最強な存在なのだ!!!!

わはははは!!!!!


というのは、思いっきり言いすぎなのだが、ある意味言い過ぎではないのだ。

どういう事かというと、日本人は語学に対する苦手意識が強すぎて、“言語をしゃべれる”イコール“母国語の様にしゃべれなければならない”と思ってしまっているのだ。


海外でよく「俺は日本語がしゃべれる!」というヤツに出会うことがある。大抵は「ありがとう」とか「かわいいね」とか「波動拳」とか私たちの感覚からすれば、日本語の単語を知っている。という事を「しゃべれる!!」と言い切ってくるのだ。


ただ、彼らの言っている言葉の意味は理解できるし、意思が通じるのだから、彼らは間違ってはいないのだ。


そう、言語が喋れるというのは相手に自分の意思が通じればそれでいいのだ。


例えば道を歩いているときに外国人があなたに


「オナカ、イタイ。オマエ、タスケロ」


と言ってきたら、なんて失礼な奴だと無視するだろうか?

ほとんどの人は親身になって助けるのではないだろうか?言語の基本は、文法や表現を正確に紡ぐことではなく、意思を相手に伝える事なのである。なので、綺麗にしゃべる必要などほとんどないのだ。なぜか日本人は正確な文法で適切な単語を使わなければならないと思いがちだ。


そういった意味で私はマルチリンガルなのだ。

では「複数の言語を同じように操れるか?」と言われれば、日本語を10とすれば、英語は5~6、イタリア語は1、それ以外は測定不能と言ったところだろう。ただコミュニケーションを取るということだけならば、世界中の大抵の人とは可能であろう。


私が海外生活をして一番良かったと思えるところは「生きる力」が付いたことだ。おそらく、今なら「全く言語のわからない国に手ぶらで放置されても生きていけるだろうな。」という自信がついたことだ。


そんな私が体験した「どのようにして外国語が話せるようになったか」というノウハウをこの連載で伝えていければと思う。


テアトロ コメディア•デラルテの台本の執筆は、実は未だに手書きが多い。イタリア語を覚える時もノートにたくさん手書きしました。愛用のペンは、お気に入りの皮のペンケースに入れて
テアトロ コメディア•デラルテの台本の執筆は、実は未だに手書きが多い。イタリア語を覚える時もノートにたくさん手書きしました。愛用のペンは、お気に入りの皮のペンケースに入れて

何を隠そう、勇んでアメリカに留学した日本の大学の英米文学科を卒業したての21歳の私は「聞く、話す」が全くできずに、アメリカの語学学校の初日のクラス分けテストで最底辺クラスへ振り分けられ、先生が自分の体の部位を指さしながら「リピートアフターミー、ハンド、アーム、エルボウ、ノーズ、アイ、マウス…」と体の各部の英単語を教えてくれる1歳児が受けるようなクラスに振り分けられた。


日本人は「書く、読む」はそこそこできても「聞く、話す」がほとんどできない傾向にある。それは偏に日本の英語教育によるところが大きいと私は思う。例えば、私の場合中学高校6年間に大学4年間、合計10年間、英語を勉強する機会があったのに「話す、聞く」の能力が1歳並みだったわけである。


イタリア語の勉強をしていた頃のノート。結構丁寧にやってる(笑)!!
イタリア語の勉強をしていた頃のノート。結構丁寧にやってる(笑)!!

語学学校時代に何度「10年も勉強してるのになんでそんなにしゃべれないの?」と聞かれたかわからない。中、高、大学の同級生もほとんどみんな英会話が出来るようになっていなかったので、当たり前に思っていたが、よく考えたら本当にとんでもないことである。「どうなってんだ!日本の英語教育は?」と教育のせいにしてみたりする(笑)


では、どうすればしゃべれる様になるのだろうか?


その答えはもちろん一つではないが


「これがあれば間違いなく上達が早い」


という条件がある。それは、


「言語習得を目標にするべからず。」


という事だ。英語取得を最終目標に掲げていたクラスメートは、軒並み途中で挫折していった。

しかし、私であれば「演劇学校に入って演劇を学びたい」という目標を達成するには「まず英語が必要。」という状況だったので、英語の習得が目標ではなく最低条件だったのだ。


この「語学ができなくちゃ始まらない!」という条件が整うと、飛躍的に語学が上達する。


よく言う「英語しかしゃべれない恋人ができると上達が早い」というのは正にこの状況なのだ。好きな人に伝えたいことがある、相手の言っているとを知りたい。そのためには英語がわからなければ始まらないのだ。だから、語学習得のために語学学校に来ている人は、習得できなくても「あ~、やっぱ難しいよね…」で終われるのだ。


そりゃー、さぼっちゃうよ。現地の学校や企業に入るために学んでる人はみんなできるようになる。だってそれがなきゃ始まんないから。これは本当に如実な差を生む違いなのだ。これから語学を習得しようという人は、まずその先の目標を見つけられると良いと思う。


できれば、その目標が達成できなければ自分が大ピンチになってしまうような目標が見つかればなおよい。


次回は私がいかにして1歳児クラスから抜け出していったかを書いていきたいと思う。

英語やイタリア語等、語学を習得したい人は必見ですぞ!


最近のテアトロ コメディア•デラルテは、夏に参加する大地の芸術祭用のポスター撮影をしました!この裏でどんな撮影が行われたからお楽しみ
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