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【連載】大塚ヒロタとイタリアと、コメディア・デラルテ第十六回 「ひさびさのイタリア語」

年明け1回目の記事がすっかり遅くなってしまった。実は今年の私達には新しい事へのチャレンジが沢山待ち受けている!!正確に言えば昨年するはずの挑戦が今年にずれ込んできたのだが、本年もテアトロ コメディアデラルテに是非ご期待ください!!


2022年は正月から沢山の連絡を頂くありがたいスタートとなった。


と言っても年賀状のことではない。


1月3日にフジテレビ系列でオンエアがあった『潜水艦カッペリーニ号』を観てくださった方が沢山、連絡をくださったのだ。この作品は、第二次世界大戦中にイタリアから救援物資を数ヶ月かけて運んだ実在した潜水艦の乗組員の話で。


なんと日本にたどり着いた時には戦況が変わり日本が敵国になっており、捕虜になってしまった不運なイタリア兵と当時の日本人の心温まるヒューマンドラマだ。


戦争という題材ではあるがコメディータッチで描かれており、イタリア兵の底抜けの明るさに思わず笑顔にさせられる。そして、人間の幸せとは何か改めて考えさせられるとても素敵な作品だ。


私は主人公の海軍少佐・速水洋平に帯同するイタリア語の通訳の役を演じた。


イタリア語を喋れるという事でこの役を任された訳だが、台本を頂いて海軍や潜水艦の専門用語を軍人言葉で話すセリフとその量に先ず面食らった。そして、通訳という役柄の特性上、日本人とイタリア人の会話を日本語はイタリア語に、イタリア語は日本語に両方訳し続けなければならないので、この作品の前半一番しゃべったのは私じゃないかという程喋りまくった。笑


しかもその言葉が難しいのよ!!私のイタリア語はあくまで日常会話レベル、そしてイタリアに居たのはもう10年以上も前…大分忘れてる…。結局家庭教師をつけてがっつり勉強して撮影に臨んだ。


初日のファーストシーンはいきなり捕虜と速水が対峙する大切なシーン、そして長いやりとり。日本語でも難しいセリフ。緊張する私。


しかし、実際の通訳も間違いなく緊張を強いられたであろうシチュエーション。私と役がリンクして境目がなくなっていった。撮影は緊張の連続だった。

しかし、とても暖かい現場の雰囲気に次第に私の通訳も板についていった。ついに緊張を全て乗り切って私の最終登場シーンはオールアップの日に撮影した。衝撃の事実を突きつけられ速水の元を走り去る私演じる通訳。


アドリブで出た『マンマミーア!』(直訳で「お母さん!」英語でオーマイゴッド!の意味)に現場に笑い声が起きた。すべての出番を終えた私に皆様からメッセージ付きの花束をいただいた。役者としてとても幸せな瞬間だった。

更には『マンマミーア!』はオンエアでも見事に使っていただき、嬉しかった。


思えば久々に語学の勉強をしっかりとした。勇んでアメリカに留学した時は聞く、話すが全くできずに初日のクラス分けテストで最底辺クラスへ振り分けられ21歳の大卒の私は、先生が自分の体の部位を指さしながら「リピートアフターミー、ハンド、アーム、エルボウ、ノーズ、アイ、マウス…」と各部の英単語を教えてくれる2歳児が受けるようなクラスに配属された。


そんな私が最終的には英語とイタリア語を話すわけだが、特に英語を話せるようになった後のイタリア語習得は、英語の時の倍以上のスピードで上達した。これをどう取得していったかについてのエピソードは以前好評だった「愛すべきイタリアシリーズ」として次回以降に書いていきたいと思う。


今年度も定期的にワークショップを開催予定です。ワークショップで作った作品の発表会の予定もありますので、詳しくはHPをご覧ください。
今年度も定期的にワークショップを開催予定です。ワークショップで作った作品の発表会の予定もありますので、詳しくはHPをご覧ください。

改めまして、今年もよろしくお願いします。


今年も全身全霊!!