ART & DESIGN

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トリノの夜空を彩どる光のアート「ルーチ・ダルティスタ」

夜のトリノの街歩きが好きです。

12月も半ばを過ぎ、トリノの街もぐっと冷え込んで来ました。冬になると日没も早くなり、1日が短く感じて少し寂しい気分になりますが、この時期は夜だからこそ楽しめるものがあります。

トリノの石畳の街並みがイルミネーションの輝きでいっそう美しさを増しています。女王の散歩道として作られたアーケードを歩くと、頭上には星座をテーマにした光のアートが広がり、うっとりして思わず足をとめてしまいました。

冬のトリノを盛り上げるイルミネーション、ただのクリスマスイルミネーションではありません。

「ルーチ・ダルティスタ」開催中。トリノの街が光のミュージアムに!

現在、トリノの街のあちこちで光のアートイベント「ルーチ・ダルティスタ(Luci d’artista)」が開催されています。イタリア国内外で活躍する芸術家によって手がけられた光のコンテンポラリーアートが、冬のトリノの街中を彩っています。

ワインやトリュフなど美食の街として知られるトリノですが 、実はアートの街という一面も。年に1度開かれるイタリアで最も重要なコンテンポラリーアートの祭典、アルティッシマ(Artissima)やパラティッシマ(Paratissima)を目的に世界中から芸術家が訪れます。

これらのアートの祭典に合わせてトリノの名所であるモーレ・アントネリッアーナの塔(Mole Antonelliana)や、カプチーニ修道院(Monte dei Cappuccini)などを中心に10月から1月の間、創造的な光のコンテンポラリーアートが街中で楽しめます。

イタリアの最初の首都として栄え、中世から変わらない伝統的な街並みに、現代的な光のコンテンポラリーアートが組み合わされて独特の空間を作り出しています。厳格で気品漂う街の中で見る、美しい光の温かさは、トリノで出会った人々の優しさを思い起こさせてくれます。

12月はさらにツリーやクリスマーケットなども増え、明るく美しいクリスマスの雰囲気を楽しむことができるので、ついつい遠回りしたくなる夜のトリノ。おいしい料理とワインを楽しんだ後は、光のアートを鑑賞しながら街を散策してみるのはいかがでしょうか。

【初出:この記事は2017年12月26日、初公開されました@AGARU ITALIA】