INTERVIEW
ART & DESIGN 19 Nov 2020

「Made in Italy Project」を通して、イタリア製品の魅力を発信する女性起業家

SHARE

独占インタビュー|マリア・ラウラ・ベルリングェル

ENGLISH ARTICLE HERE

高品質のイタリアンブランドをブログで紹介し、伝統的な職人技、アート、デザインに革新的な取り組みを行うマリア・ラウラ・ベルリングェル氏。
彼女の目的は、本物の「Made in Italy」を扱う新世代の起業家の知名度を高めることです。

このインタビューでは、彼女が行う「Made in Italy」プロジェクト、地元で作ることの重要性、そして女性起業家を力づけるという彼女の使命についてお話を伺います。

-ブロガーになる前は、広報担当として働いていたとのことですが、何がきっかけで新しいキャリアを始めようと思ったのですか?

マリア: 47歳の頃、広報やコミュニケーションの仕事に携わっていましたが、自分オリジナルのものを作りたいと思ったのです。そして、自分のビジネスを始めることを決心しました。

これまでの仕事で培ったネットワーキング、PR、コミュニケーションスキルと、自分自身が本来持つ才能を組み合わせたいと思いました。その才能とは、ダイヤの原石を見つけることです。昔から美しいものが好きで、有名ブランドでなくても、手ごろな価格で購入できる美しいアイテムを発見するコツを知っていました。まさに「才能から始まる」ですね。そしてあとは実践あるのみです。

まず、ブログを始めることにしました。これが私の初のブログとなります。勉強、学習と一歩ずつではありながらも前進し続け、ブログに書くアイテムを探しました。そしてその中で、イタリアには上質で美しいものがたくさんあることに気付かされたのです。私が好きなことと得意なことを組み合わて、イタリア中の職人技に関する素晴らしい話を取り入れることで、新しい何かが作れるのではないかと思いました。

こうして2つ目のブログ「Made in Italy」が生まれました!もちろん、簡単ではありませんでしたよ。これまで正社員として働いていましたが、それを辞めて、50歳で人生が完全に変わるほどの決断をしたのですから。しかし情熱がそれを後押ししたのです。

-「Made in Italy」プロジェクトの目標は何ですか?
マリア: このプロジェクトを通して、「Made in Italy」を象徴する小さな企業やブランドの認知度を高めたいと思っています。たとえ同じ地域でも、職人同士の繋がりはほとんどありません。とある香水メーカーと生地メーカーが同じ地域に位置していたのですが、お互いのことを全く知りませんでした。そこで私が行っているのは、オンラインネットワークを作り、そこで企業同士を紹介するだけでなく、一般の方にも知ってもらうことです。

イタリア製品の価値を再発見し、たとえ小さなブランドでも有名ブランドと同じように美しく、エレガントで高品質な製品を作っていることに気付いてもらいたいです。そしてより多くの人にこれらの価値を伝えられれば、経済にもプラスの影響を与えられると信じています。

-マリアさんにとって「Made in Italy」とは?
マリア: 私にとって「Made in Italy」はイタリアンライフスタイル、つまり自分のライフスタイルですね。自分のライフスタイルでもあるからこそ、イタリア製のものをこよなく愛しており、皆さんにこの芸術ともいえるイタリア製品をもっと知ってもらいたいし、その価値を伝えたいと思っています。イタリア製品の美しさの背景には、多くの歴史が詰まっているのです。それはローマ人やエトルリア人の時代から、何世代にもわたって受け継がれてきた遺産ともいえるでしょう。

「Made in Italy」の製品で身の回りのものを揃えるのは、イタリアンスタイルを自分のものにするということなのです。

-今後、「Made inItaly」プロジェクトを日本でも展開する予定がありますか?
マリア: これはまさしく私のもう一つの目標だと言えます。

今日の世界では、イタリアの小さな企業が世界に輸出するのはとても難しい状況です。小さな企業の多くが家族経営であるため、言語やデジタルの大きな障壁にも直面しています。

そこで「Made in Italy」を通じて、インターネットにアクセスできる人なら誰でも本物のイタリア製品を検索でき、世界中の消費者とイタリアの小さいながらも重要なマーケットを繋げるのです。

私にとって最も重要なことは、イタリアで高品質な製品を生み出しているのは、グッチやプラダだけではないということを知ってもらうことです。

-イタリア製品は高価なイメージがありますが、それについてどう思いますか?
マリア: これはステレオタイプだと思いますね。表面だけ見ると高価なアイテムがたくさんあるかもしれませんがの、もちろんお手頃な価格のものもあります。よく見ると思ったほど高くないことがわかります。

小さなブランドで何かを購入する際、製品だけでなくアーティストの物語、情熱、芸術そして伝統も購入していると考えてみてください。工場で製品を複製することはできますが、その背景にあるストーリーを複製することはできません。

ですから、もっと文化レベルでも投資すべきだと考えています。これまでイタリアでは、手作業や芸術的な仕事よりも、学問的な職業を重視する傾向がありました。しかし幸いにも、少しずつではありますが若者たちがこのような仕事に興味を持ち始めており、彼らのスタートアップを強化する価値があると強く信じています。

-先ほど、「Made in Italy」製品の背景にあるストーリーの重要性についてお話頂きましたが、素晴らしいストーリーを持つ才能ある職人をどのように見つけるのですか?

マリア: 製品を作ったアーティストの喜びと情熱を感じて体験できるのが、私の仕事の大好きなところです。最初は自分の好みに合ったものを探していたので、そのようなものを作っていた職人さんにインタビューしてみました。
今はネットワークを作るようになりましたね。つまり、ソーシャルネットワークや私のサイトを通じて知り合った人々から情報をもらい、職人にインタビューし、彼らの話を聞き、そのアートについて学ぶという形で活動を行っています。

スカウティングについては、興味のあるものが見つかるまで一日中ネットサーフィンをします。それから職人のところに行き、自分の目で製品の品質を確認します。最後に、コラボレーションを提案し、ビデオまたはソーシャルメディアを活用し、製品とアーティストのストーリーを作ります。

-最近はどのようなプロジェクトに取り組んでいますか?

マリア: 今取り組んでいる2つのプロジェクトについてお話したいと思います。

1つ目は、私も制作に携わったネックレスです。カメオという古代の宝石を再評価したいと思い、ネックレスの着脱システムを加えることで実現することが出来ました。後ろが閉まっていないので、着脱がしやすいんですよ。金属製で、シルクやその他素材を組み合わせています。ベゼルはベゼルはブロンズ製で、真ん中にマイターペースト製の宝石が付いています。

カメオは私の情熱の1つで、大好きですね。この古い宝石を現代的な手法で再設計することで、イタリアの文化を取り戻し、それをすべての人が手頃な価格で手に入れられるようになるのです。

もう一つの取り組んでいるプロジェクトは、とても美しいデザインプロジェクトで、トリポリナデザインを採用したイスです。実際にTripolinaはフィールドチェアで、アフリカでのイギリス戦争中に使用されていました。木製の構造に折りたたまれ、普通のイスというより肘掛けイスに近いですね。革のマントはイスの中に折りたたむことが出来るので、船、車、または飛行機で世界中に出荷することができるのです!

とても才能のある職人により、従来のイスに基づき再設計され、最新のテクノロジーを使用して再建されました。たとえば、縫い目はステンレス鋼で作られており、環境を守るためにフルグレインレザーはイタリアで手作りされ、全て手縫いです。

どちらのプロジェクトも本当にユニークだと思います。最新ではなくとも、私の心に最も近いプロジェクトです。その理由として、イタリアの文化は少しずつ新しい方法で引き継がれ、支援され、現代風にアレンジされなければならないと、私は強く信じているからです。

-マリアさんはサルデーニャ出身ですよね。 サルデーニャでも同じ傾向が見られますか?

マリア: はい、サルデーニャでも同じことが起こっています。特に、若者たちが少しずつ仕事に戻っており、観光施設だけでなく職人の店も現代風になっています。

最近、麦わら帽子を作る女の子にインタビューしました。彼女は帽子を作るために、フィレンツェでわらを購入しています。伝統的にフィレンツェがこの分野の中心であるからです。
しかし、彼女が本当にやりたいことは、サルデーニャに特有の麦畑を植えて、その麦を使用した麦わら帽子を作ることです。そして、麦わらの残り(麦わら帽子の茎、ビールの麦粒などの残留物)を使いながら循環経済を利用したいというアイデアについても教えてくれました。

-「Made in Italy」では、主に女性がリードするプロジェクトをスカウティングされていますが、その理由を教えてください。

マリア: 私は女性の可能性や、自分の人生を取り戻しゼロからやり直すことができる女性の能力を強く信じています。多くの女性たち、特に私と同年代の女性たちが生涯の夢を持ち、私のようにいつの日か自分の人生を変えたいと思い起業家活動を始め、その夢を実現させることに成功しています。

新しい自分を発見し、美しいものを生み出すことで「Made in Italy」に貢献している多くの女性に会いました。今イタリアのビジネスは、徐々に女性が増えてきていると感じていて、とても嬉しく思います。それが、主に女性がリードするビジネスを支援する理由でもあります。もちろん男性の才能を発見することも好きですが、多くの女性と話をし、彼女たちの活動や生み出しているものについて知ることができるので、この仕事をとても楽しんでいます。私自身、その女性たちと似ている経験があったので、彼女たちのことをよく理解し、関わることができるというのも一つの理由です。

Website
https://www.marialauraberlinguer.com/

WRITER PROFILE
「ITALIANITY」編集部
「ITALIANITY」編集部

「ITALIANITY」編集部です。オフィスは港区北青山です。イタリアに関するさまざまなイベント、新製品などのニュースを募集中です。どうぞお気軽にご連絡ください。 http://italianity.jp/contact/

PR

時計ジャーナリスト・並木浩一氏がおすすめする、注目の腕時計7選ーー価格を超えた“腕時計以上のスーパーウォッチ”とは?

Mondo Alfa
PR

ひと味ちがう。イタリアンなキャンプごはん

fiat magazine CIAO!
PR

ふわふわオムライスが看板メニューのカフェ&デリ「オッキアーリ」|愛車と楽しむおすすめカフェ巡り(岐阜)

SCORPION MAGAZINE
PR

イタリア流エスプレッソの楽しみ方

fiat magazine CIAO!
PR

イタリアのライフスタイルそのものを伝えたい。老舗チョコレート店「ヴェンキ」の挑戦

Mondo Alfa
PR

本場イタリアも驚く、絶品ナポリピッツァ 東京の名店

fiat magazine CIAO!