職人の街で認められた8人の日本人
中世から様々な芸術、文化が花開き、発展を遂げたフィレンツェ。当時から残る芸術や文化も多く、それらは世界中の人を魅了してやみません。そんな美しく素晴らしい芸術、文化がなぜ現代に残っているのか……それらを支え続けている職人達の存在を忘れてはいけません。
そして、彼らの熟練の技を目にし、憧れ、彼らのような職人になることを夢見てフィレンツェに滞在する日本人も少なくありません。その夢を実現し、フィレンツェに自らの工房を持ち、活躍している日本人職人の展示会「Japan in Florence Art」がMurate Idea Parkにて行われます。
参加するのは、先日ご紹介した望月貴文氏(木象嵌細工師)はじめ、バイオリン職人の阿部純氏、ジュエリー作家のフォリア吉田真理氏、鞄職人の森田京子氏、靴職人の松岡祥子氏、画家の道原聡氏と茅野晶子氏、家具修復師の長谷川素子氏。
バイオリン職人の阿部純氏は、1985年秋、イタリア・フィレンツェに移り、イジーノ・スデルチの弟子である臼井満政氏のもとで修行。1987年独立し、フィレンツェ市内に工房を構えました。ストラディヴァリ・グァルネリモデルを中心に、ヴィオラではオリジナルモデルも製作。
銀工房、ジュエリー作家のフォリア吉田真理氏は、2010年に“フィレンツェ・モードの若手職人10選”に選ばれた経歴を持ちます。2012年には師匠であり、夫でもあるジュリアーノ氏と共に工房「M.G.」を創設。
鞄職人の森田京子氏は、2013年秋、イタリアのフィレンツェに渡りました。翌年より伝統的な革の学校Scuola del Cuoioで鞄作りを学び、その後、鞄職人Dimitri Villoresiに師事。良質の鞄を、機械を一切使わず手縫いで製作し提供するという方法に共感。2015年末にIL MERLO Bagsを立ち上げ、デザインから縫製までを自身で行っています。
この3人以外にも職人の街フィレンツェで認められた日本人5人と、その作品が展示されます。
誇り高いイタリア人職人達が自らの技術を日本人に託し、その信頼に応え続けている姿は、同じ日本人としてとても誇りに思います。芸術の秋、彼らの素晴らしい芸術作品、そして、人柄に触れてみると、フィレンツェの魅力が何倍にも膨れ上がることでしょう。彼らの工房を訪ねるフィレンツェ街歩きも楽しいものです。
この秋、各工房を訪ね、彼らの想いを皆さんにお伝えしたいと思います。
開催日 9月27~29日
開催地 Murate Idea Park
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