ガレリア ディ イタリア(Il galleria d’italia)がトリノのサンカルロ広場に、2022年5月にオープンしました。 galleria(ガレリア)はイタリア語でギャラリーの意味です。直訳するとイタリアのギャラリーとなります。これはサンパオロ銀行の所有するミュージアムです。
イタリアの価値、アイデンティティ、美しさを守り、広めるために、所有する3万5千点の芸術作品を地域社会と共有することを目的としています。イタリアを展示するミュージアムなのです。現在このミュージアムは、ミラノ・ナポリ・ヴィンチェンツァ・トリノの4都市にあります。
地下と地上で異なる顔を見せるトリノのガレリア
このミュージアム、現代アートも優雅な貴族の館も一度に見たい!という、欲張りな人におすすめです。
古い建物だらけのイタリアあるあるですが、このギャラリーももともとは宮殿。17世紀に建てられたトゥリネッティ宮殿を改装し、2022年に現在のギャラリーの形になりました。リノベーションされてモダンな地階と17世紀の建物を生かした地上階のコントラスト。私のように、どちらかだけだと、ちょっと飽きるなと思う人におすすめです。
地階は現代アート
中に入ると、まず中庭。そこから続く巨大階段を下り、地下二階のチケット売り場へ。続く地階では、環境や社会問題に関連したテーマの現代アートの展覧会が行われています。
地下3階には4Kプロジェクター17台を備えた、500平方メートル超のイマーシブ・ホールがあり、迫力のある映像で来場者が映像に没入できる体験ができます。私が行ったときには、砂漠の上を飛ぶドローンから撮った映像が流れていました。
また、この建物に、イタリアを代表するフォトエージェンシー「Publifoto」のアーカイブもコレクションされています。アーカイブから厳選された作品の展示も定期的に行われています。
地上階は貴族の館
展覧会と同じチケットでは入場できる建物の地上階部分は、地下とはまた別の世界です。14世紀から18世紀にかけての絵画、彫刻、美術、工芸品が展示されています。天井画から、床に敷き詰めらた木のモザイクまで、貴族のお屋敷を覗いているよう気持ちになれます。
現在開催中の展覧会
2023年5月現在、フランスのアーティストJRのイタリア初の個展を開催中です。
JRのアートは、社会や私たちの住む世界にインパクトを与えることがあり、アーティストにとっての中心的な質問である「アートは世界を変えることができるのか?」に答えようとしています。写真、パブリックアート、社会貢献を組み合わせ、国際的な移民の置かれた状況について問い続けるこの展覧会は、2023年2月9日~2023年7月16日まで開催されています。