中世のイタリアにタイムスリップしたかのような気分にひたれる吉祥寺“Giovanni ジョヴァンニ”。連載第2回目は、ショップでひときわ目を惹くコレクション「シーリングスタンプ」の魅力に迫ります。
古代メソポタミアから始まった悠久の歴史
シーリングスタンプで封蝋された手紙を贈られたことはありますか?筆者はまだないのですが、受け取ったらとてもうれしくて気分が上がるはず。ジョヴァンニには、イタリアで職人が手造りするスタンプヘッドからオリジナルのスタンプ、便利なグッズまで、シーリングスタンプにまつわるアイテムが多彩に揃っています。


オーナーの高梨さんにまずお尋ねしたのは、シーリングスタンプの歴史。筆者は中世を予想していたのですが、意外な答えが。「シーリングスタンプのルーツは、古代のメソポタミア文明ですね」。「メソポタミアって、あのチグリス・ユーフラテスの…」。「古代ではもちろん石で、認証の証として粘土に刻印するものでした。それが中国に渡って印になり、古代エジプトではシーリングスタンプの原型になったとされています」。
思った以上に遥かな歴史のあるシーリングスタンプ。11世紀には松ヤニに金属で紋章を付ける現代に近いスタンプがヨーロッパ各国の貴族たちに広まり、ルネサンス時代には、職人組合のギルドがそのマークを封蝋に使うようになりました。

飾っておいても「絵になる」コレクション
店内にディスプレイされたシーリングスタンプのヘッドには、百合の紋章、ドラゴンや動物、植物など、さまざまな模様が刻印されています。「模様にはそれぞれ意味があり、姓名のイニシャルが使われるようになったのは、かなり後の時代になってからです」。

店内には、ルネサンス時代に使用されていたシーリングスタンプを、イタリアの職人に依頼して完全に再現したジョヴァンニオリジナルスタンプも!フィレンツェやヴェネツィア共和国をはじめ、神聖ローマ帝国、十字軍のテンプル騎士団から魔術秘密結社や魔法陣など、精緻な手彫りで再現しています。

簡単にできて美しい!シーリングスタンプ
今回、筆者もシーリングスタンプを初めて購入。ルビナートのヴェネツィアガラスのブルーのハンドルに一目惚れしたので、ヘッドも同じ会社のイニシャルを選びました。アルファベットの文字は、中世イタリアで写本に使用されたもので、植物と絡めた美しいデザインです。
「FRANCESCO RUBINATO フランチェスコ・ルビナート」は、北イタリアのトレヴィーゾにある古典的な文房具やデスクアクセサリーを扱うメーカーで、職人が手造りするガラスペンで知られています。

このシーリングスタンプを実際に封蝋に使ってみると、思いのほか簡単でした。
①封筒を用意して、シーリングワックスをアルコールランプの炎で溶かして封蝋したい位置に垂らします。
②好きな形・大きさになったら、シーリングスタンプを押して、蝋が固まるまで数十秒待ちます。
③触ってみて固まっていたら、ゆっくりスタンプを剥がします。
不定形なはみ出しも味になるので大丈夫。初めてのチャレンジでも、すてきな封蝋ができました。

今回は1色で封蝋しましたが、カラーを混ぜたり、シーリングスタンプの上から金粉を散りばめれば、さらに豪華な仕上がりに!これは色々と試してみたくなります。

手紙やカードの封蝋はもちろん、ギフトラッピング、ノートやスクラップブック、しおりのデコレーション、インテリアデコールやハンドメイドのワンポイントなど、色々な使い途で楽しめるシーリングスタンプ。
実際に使ってみて、筆者はヘッドやハンドルのコレクション、ワックスのカラーも増やして、もっと楽しんでみたいと思いました。
中世の美しい技を、日常生活に取り入れて愉しむイタリア流のゆたかなライフスタイルと、そのエッセンスを伝える宝箱のようなショップ“Giovanni”。次回は、眺めているだけでもうっとりする、イタリアの紙とペン、インクを深掘りします。

Giovanni ジョヴァンニ
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町4-13-2
電話0422-20-0171
12:00-19:00 (水曜定休)
公式サイト
https://www.giovanni.jp/?srsltid=AfmBOoo1SdsDECR1qURoH7_yB7DxJzcBtOMf2E8lTj3Bb6yqmyy9F9pY