ART & DESIGN

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東京を拠点に活躍するイタリア人アーティスト、ジャンルカ・マルジェリと日本人アーティスト アリナ・エンドウが生み出す不思議な”おもちゃの国”

イタリアと日本出身アーティストが生み出す不思議な作品世界

見たことのない形なのに、どこかで見たことあるような気がする奇妙なオブジェたち。東京を中心に活動する二人のアーティスト、イタリア人のジャンルカ・マルジェリと日本人のアリナ・エンドウの二人は、鑑賞者のノスタルジーを揺さぶる、不思議な存在感を放つ作品を生み出し続けています。作品のモチーフになっている奇妙な物体は、2014年に二人が旅したインドの街の公園の遊具からインスピレーションを得たもの。日本人にもおなじみの滑り台やジャングルジム、そして危険防止のため撤去され、今までは見ることが少なくなった、回転遊具や箱型ブランコが無秩序につながる独特の世界を生み出しています。 

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マルジェリとエンドウは、ヴェネツィアでの展覧会「Edge of Chaos」や、ローマのMagazzino galleryでの2015年の展覧会「Homo Ludens」においてコラボレーション作品を発表しています。2019年3月23日(土)から4月21日(日)まで、東京 神楽坂のAYUMI GALLERY / CAVEで日本での初個展「Mery – Go – Round」が開催されます。

遊びと実用性の狭間を漂う奇妙な作品たち

この個展では、インドの街の公園の他にも、ベルリン、フィレンツェ、そして東京といった二人が移住した都市の情景からもインスピレーションを得ながら制作した、新作となる金属彫刻とコラージュ作品を発表します。

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実用的な「建築」と、子供の「玩具」の中間に存在する、世界各地の公園の遊具のフォルムをリサーチしながら、大人の合理的な考えに染まらない子供の空想のような自由な「おもちゃの国」を形づくりました。彼らが形作る、一見すると無意味や無価値に見える作品を見ることで、「成長」や「発展」というポジティブな言葉の裏で、常に前に進むことを強制させられている現代社会を生きる人たちに、子供のように自由で奔放な考え方を取り戻すヒントを得ることができるかもしれません。

ジャンルカ・マルジェリ / Gianluca Malgeri
1974年イタリア共和国カラブリア州生まれ、現在ベルリン・東京在住。近年の主な展示に、グループ展、2015年「Edge of Chaos」(Casa Donati、 ヴェニス)、2013年「The Naturalists」 ( Castelluccio di Pienza, curated by Peter Benson Miller、ピエンツァ) 2009年「ItAliens 」(Italian Embassy 、ベルリン)、個展に、2012年「God bless You」(GaleriArtist、イスタンブール)、2011年「INSH’ALLAH」(MAGAZZINO、ローマ)、「Pese et Vaingue」(GaleriArtist, イスタンブール)、2009年「Apollo e Daphne」(White Rabbit,ベルリン)、2007年「Wraped Time」(MAGAZZINO、ローマ)、など。

アリナ・エンドウ / Arina Endo
1983年兵庫県生まれ、東京在住。京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科卒業後、フィレンツェの版画学校Il Bisonte、フィレンツェ美術アカデミーで学ぶ。
近年の展示に、2015年「Homo Ludens」(Magazzino d’Arte Moderna /ローマ)、「Tie a Knot」(MILA KUNSTGALERIE/ベルリン)。2014年「Artworld Open International Printmakers’Competition」(Artworld/アムステルダム)2017年「Tokyo Midtown Award 2017 ア-トコンペ」受賞。

[Gianluca Malgeri / Arina Endo ” Mery – Go – Round “]
会期:2019年3月23日(土)-4月21日(日)12時-19時
休館日:水・木曜日
住所:Cave – Ayumi Gallery (〒162-0805 東京都新宿区矢来町114)