INTERVIEW
BUSINESS 12 Jan 2021

ドゥカティジャパンのリンドストレーム社長インタビュー


洗練されたイタリアンデザインとパフォーマンスを両立させたスタイルで多くのライダーを魅了するモーターサイクルブランド、ドゥカティ。プライベートでも積極的にバイクを楽しむドゥカティジャパン代表のリンドストレームさんに、仕事のこと、プライベートなことを伺いました。

マッツ・リンドストレーム

ドゥカティジャパン代表取締役社長、マッツ・リンドストレーム氏。2017年ドゥカティジャパン セールス部部長を経て、2018年2月に社長に就任。二輪免許は18歳の時にスウェーデンで取得、以来ずっと乗り続けている。

――数あるモーターサイクルブランドの中でも、もっともデザインや性能に優れたマシンを数多くリリースし、日本でも多くのファンを有するドゥカティ。二輪レースシーンでも活躍されていますが、まずは「ドゥカティ」がどんなブランドなのか教えていただけますか?

ドゥカティはイタリア・ボローニャを拠点とするモーターサイクルブランドです。創業は1926年、もうすぐ100周年を迎えます。ドゥカティは比較的早い時期からレース活動をしていて、1956年には世界グランプリ、1988年にはスーパーバイク選手権、2003年からはMotoGPに参戦しています。そのため、どのモデルにもスポーツバイクとしてのDNAを持っていますが、スポーツ走行を楽しむライダーだけでなく、全てのライダーにとって扱いやすく乗りやすいバイクを提供しています。

――日本でもドゥカティはとても人気です。ユーザーには女性も多いと聞きますが、その魅力はリンドストレーム社長から見てどこにあると思われますか?

私たちのブランドバリューは「スタイル、洗練、パフォーマンス、信頼」。ドゥカティのモーターサイクルは洗練されたデザインとパフォーマンスが常にリンクしています。例えばボルトひとつとっても鉄でなくチタニウムを使い、軽さとデザイン性を融合させるなど開発の初期の段階からデザインが考えられています。美しいものへの憧れは男女問わず誰にでもあると思いますが、女性の方がよりスタイリッシュに乗りたいという気持ちが強いのではないでしょうか。「ドゥカティはモーターサイクルメーカーでなくエンターテイメント会社」。イタリア本社のクラウディオ・ドメニカリCEOがいつも言っている言葉ですが、これはモーターサイクルという体験を通して、豊かな生活を提供するという私たちのミッションでもあります。どうしたらお客様に楽しんでいただけるか私たちはいつも考えています。

――具体的にはどういうことですか?

車両を提供するだけでなく、それに付随したアパレルやアクセサリーなどもリリースしています。イベントでは、世界中のドゥカティスタが集まるイベント「WDW(World Ducati Week)」の開催や二輪最高峰のレース「MotoGP」などのレース活動。旅の提案をするドゥカティトラベルも実施しています。イタリアでは、レストラン「SCRAMBLER DUCATI FOOD FACTORY」やテーマパーク「Ducati World」も展開しています。

――なるほど大人から子供まで楽しめるんですね。ところで今年はCOVID-19の影響で、厳しい年になりましたが、その一方で二輪免許を取る人が増えたとかバイクが売れていると聞きます。御社ではどうですか?

私たちのブランドでも新規で免許を取った方の購入は増えました。ただコロナ禍ではディーラーに行くのも正直難しかったと思います。そこでドゥカティでは「ドゥカティ・ケアーセーフィティ・ファースト」という感染防止対策に関する世界共通のガイドラインを作り、マスク着用はもちろん、ソーシャルディスタンスの確保や消毒などを徹底して、お客様に安心していらしていただけるようにしました。今年前半はイタリアのシャットダウンによる影響で生産が一時ストップ、輸入時期が遅れたものもありましたが、それでも1年を通して言えば昨年同様の販売実績にはなりそうです。

――そういった中、今年一番売れたモデルは?

スーパースポーツ・セグメントのパニガーレV2ストリートファイターV4が人気でした。これは今年の日本バイクオブザイヤー2020でも受賞したモデルです。どちらもスポーツバイクのDNAを色濃く示したハイパフォーマンスのバイクですが、軽くて意外にも扱いやすさも兼ね備えています。もちろんデザイン的な魅力もあります。

2020年に発売された、955ccツインエンジンを採用したスーパーバイクシリーズのトップモデルでもあるパニガーレV2。モノコックフレームを採用したスリムでアグレッシブなデザインが特徴。

――2021年はどんな年になるでしょうか?

来年は8モデルのリリースを予定しています。ただ、しばらくコロナ禍は続くと思われるので、お客様へのコミュニケーションとしてはリアルとデジタル、両方のプランを考えています。今年は年に一度開催されるモーターサイクルショーもありませんでしたので、いかにドゥカティの新しいバイクに魅力を感じてもらえるか。そのひとつのアプローチとして、今回初めて日本独自のインプレッション動画を作って配信したり、SNSを今まで以上に駆使して、お客様とコミュニケーションを途切れないようにして参りました。

――お忙しい日々ではあると思いますが、休日はどんな風に過ごされていますか?

休みの日はリラックスしたいので、とくにプランは考えずのんびり過ごしています。自宅が横浜なので、赤レンガ倉庫や山下公園に行ったり。もちろん仲間と一緒にツーリングにも出かけたりもします。行き先は湘南や相模原方面が多いかな。じつは通勤もバイクですが、オートバイで走っている間は何も考えないんです。自分にとってはメディテーションのようなもので、それがリフレッシュにもなります。

――ファッションで気に入っているイタリアンブランドはありますか?

ペルソールのサングラスは好きです。ファッションのトレンドはあまり詳しくはないですがロロピアーナのニットはよく着ます。アルマーニなどもそうですが、着心地のいいものが好きですね。バイクに乗るときはドゥカティのジャケットを着ています。デザインのみならず、プロテクターがしっかり装備されるなど安全性にもこだわっていることは、常に私にとって非常に大切なことです。

――日本でオススメのイタリアンレストランはありますか?

日本は美味しいイタリアンが多いです。最近は横浜関内にある「トラットリア・ダ・ケンゾー」によく行きます。今年の4月にオープンしたばかりですが、スタッフのみなさんがとても話しやすくて楽しい。その日入った食材を使ったこだわりのメニューはどれも美味しいですし、バルコニー席があるのも気に入っているところです。あとは、東京・中目黒にあるワインバー「クランデスティーノ41」。そこは料理も美味しいし、つねに新しいワインやチーズが並ぶので何度行っても飽きません。

――仕事でイタリアに行かれることもあると思いますが、イタリアでオススメのお店はありますか?

仕事で行くときはいつも忙しくて(笑)、ゆっくりできないことも多いですがボローニャの「ラ・ピッツァ」はピザが美味しいです。あと先ほども言いましたが「SCRAMBLER DUCATI FOOD FACTORY」。ピザがメインの地産地消の食材を作ったレストランですが、いつもお店の前には数台のオートバイが停まっています。

イタリア・ボローニャにあるレストラン「SCRAMBLER DUCATI FOOD FACTORY」。ネオレトロなネイキッドバイク、スクランブラーの世界観が表現されている。

――では最後に、ご自分にとって大切なものをイタリア語で表現してください。

「パッシオーネ(=情熱)」ですね。何をやるにもパッシオーネがないと難しいです。私はバイクも好きだし、食べるのも好き、写真を撮るのも好き。生活にはパッシオーネが必要です。あともうひとつは「ファミリア(=家族)」。自分の家族もそうですが、ドゥカティオーナーのみなさん全員がファミリア。一緒に頑張ろう、常にそう思っています。

ドゥカティ
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WRITER PROFILE
松崎 祐子 Yuko Matsuzaki
松崎 祐子 Yuko Matsuzaki

バイク雑誌「MOTO NAVI」や自動車雑誌「NAVI CARS」の編集部に約12年在籍。その後、国内外の二輪四輪アパレルをセレクトする「Motorimoda」でPRを担当。2018年にはバイクやクルマ好きの女性のためのwebメディア「Lady Go Moto」を立ち上げる。乗り物系メディアにて執筆する傍ら、2020年からはバイク女子のための情報web「バイク女子部通信」を運営。愛車はイタリアのモーターサイクルブランド、ドゥカティ・スクランブラー。 バイク女子部通信 https://bikejoshibu.com/