松茸はお好きですか?松茸フェチなら、待ちに待った旬がいよいよ到来しました。
先日、旬の走りに、イタリア料理のシェフとして名高い、浜本拓晃氏に、ブータンの松茸を料理して頂く機会を得ました。
イタリア料理界注目の才能
浜本シェフは、2016年に30歳以下の若手料理人の世界一を決める「サンペレグリノ ヤングシェフ国際料理コンクール」でセミファイナルに選出され、2017年にイタリアへ渡り、ピエモンテ州、プーリア州、ラツィオ州、北から南まで地方色の強い名店で研鑽を積まれた方。
その後シンガポールに渡り、2018年10月には、新生FAROのリニューアルオープンに加わり、2023年に料理長に就任されました。現在はプレオープン中のCambio Corsaの料理長です。

秘境ブータンから届いた最高級松茸
シェフが調理して下さったのは、ブータンの高地から輸入されるプレミアム7最高級品「金乃松茸」。身が詰まっていて、切るとキュキュと音がし、素晴らしい歯触り。香りも、日本のものと比較し遜色ないと、料理人の方々からも評価の高い松茸です。
松茸と他の食材とのマリアージュを主眼とし、浜本シェフの独創的なスタイルと、彼の審美眼が表現される作品の数々。松茸&他の食材、そしてワインという、三位一体の世界の幕開けを体感してきました。


松茸を迎える極上のコンソメ
玉ねぎ、セロリ、牛肉。コンソメの甘みにテンションを出すため、トマトを入れて、その酸味を足したスープ。はあっ〜と、思わず肩の力が抜けて、笑みがこぼれる一皿。

コンソメは、それだけで楽しみたい完成度。この中に、写真の様に松茸が入っていますが、とりわけ柄の部分とぴったりのマリアージュを見せたのは、サシカイア等と並び、トスカーナのスーパータスカンとして知られる、オルネッライア。ヴィンテージは、2017年でした。

オルネッライアは、700年以上の歴史を持つフレスコバルディ家が所有するワイナリーで、現在は、ボルドーでも活躍した著名な醸造家マルコ・バルシメッリ氏が、プロダクション・ディレクターとして指揮をとっています。
2017 Ornellaia ― 松茸と出会う
2017年のオルネッライアは、イタリア語でソラーレ(眩い)と表現されるほど、温かく陽光に恵まれたヴィンテージを享受。赤みがかったガーネット色をし、香りには、土や森を思わせる含み、ブラックペッパーの様なスパイシーさも。
熟成が入ってきていて、甘く、複雑さを帯びた果実味、ミッドパレットから強く押し上げてくる、がっしりとしたタンニンがあります。コアもしっかりとしており、後味まで余韻に残るスパイシーな風味も魅力。

松茸の「柄」とオルネッライア
品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン56%、メルロー25%、プティ・ヴェルド10%、カベルネ・フラン9%という構成。
正直、カベルネ主体のワインは、松茸に合わせるワインとして、私が真っ先に選ぶワインではありません。
しかし、熟成が入っていること、ワインの香りにアーシーな含みがあることで、とりわけ松茸の柄の部分との相性は、抜群です!更に、松茸の風味の高さと、ワインの風味の高さが合っていたことが、最高のマリアージュを生み出した理由かと思います。
松茸のどの部分と合わせるかで、マリアージュもかなり違ってくることを、改めて学びました。
禁断の組み合わせ「松茸のフリット&生ハム」
「香りを逃さないために、調理時間を短くする様にしました」と、浜本シェフ。
そのために、この一品では、調理時間がより長く必要なパン粉で揚げず、ベニエ生地を使用。手で裂いた松茸を短時間で揚げてあります。閉じ込められたアロマが素晴らしく、鼻をヒクヒクさせたい程です!

これに、鹿児島のチンタセネーゼ豚から作った、超レアモノの生ハムを、羽衣の様に薄くしたスライスが鎮座。松茸の旨味グアニル酸に、生ハムのグルタミン酸が加わり、旨味爆発という感じです。
オルネッライアのメルローから来るスムーズな舌触りと、熟成から来る自然な甘味が、ネチっとした生ハムの食感と甘味にぴったりのマリアージュ。
後日、風味の脳内反芻を何度もしてしまう程、記憶にずっと残る一品です。


そしてもう一つの運命のマリアージュへ
次回の、秋の味覚、松茸に合うイタリアワインを探せ!後編記事では、松茸と最高に合う、もう一つのイタリアワインをご紹介します。
そして、2027年オープン予定で、東京の秘宝と呼ばれる様になるであろうレストラン、Cambio Corsaの情報も。
お楽しみに!!