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 アジア・パシフィック最高峰のピッツァは東京で。世界が注目する「50 Top Pizza 2026」授賞式

小林 真子 Mako Kobayashi

2026.03.16

2026年3月9日、東京のイタリア文化会館は、国境を越えた特別な熱気と喜びに包まれていました。世界で最も影響力のあるピッツェリア専門ガイド「50 Top Pizza」が、今年で4回目を迎えるアジア太平洋地域の授賞式「Award Ceremony 50 Top Pizza Asia Pacific」を開催したのです 。


ピッツァ・マルゲリータ

駐日イタリア大使のマリオ・ヴァッターニ閣下による歓迎の挨拶で幕を開けた授賞式では、アジア太平洋地域における2026年のベスト・ピッツェリア50が次々と発表され、世界中のSNSで生中継されました 。このランキングは、専門の審査員が匿名で店舗を訪れ、ピッツァの品質から全体的な顧客満足度までを厳格に評価して決定される権威あるものです。今回ランクインしたのは、オーストラリア、中国、韓国、フィリピン、日本、インド、ニュージーランドなど全13カ国 。その中で圧倒的な強さを見せたのが、我が国「日本」です。


ランクインした店舗数が最も多い国は日本の11店舗で、次いでオーストラリア(9店舗)、中国(6店舗)という結果に 。都市別でも東京が7店舗でトップに立ち、まさに日本が「アジアにおけるピッツァの中心地」として、その情熱と豊かな食文化を世界と分かち合う、素晴らしい日となりました 。


2026年のアジア・太平洋ベストピッツェリア

「50 Top Pizza」のキュレーターであるバーバラ・ゲラ氏、ルチアーノ・ピニャータロ氏、アルベルト・サペレ氏らは、近年のアジア太平洋地域におけるピッツァの進化を高く評価しています 。「日本は質・量の両面で依然として業界のベンチマークであり続けている」と前置きした上で、過去2年間注目してきた『ナポリ風トーキョー・スタイル』という新たな波が、日本を超えてアジアの他の地域でも人気を集めていると分析しました 。


涙の東京ドリーム。「RistoPizza by Napoli sta ca」ジュゼッペ氏の情熱

第1位として名前を呼ばれた瞬間、ジュゼッペ・エリチエッロ氏は涙を流し、喜びを爆発させました。イタリアニティのインタビューで、彼は目を潤ませながら自身の「東京ドリーム」について語ってくれました。

「この日を迎えるまでに、本当に多くの犠牲を払ってきました。だからこそ、今心の底から幸せです。この賞は、より高みを目指して日々学び続けるすべてのピッツァ職人たちのものです。東京での20年間、本当にたくさんの困難がありました。最初は皿洗いからのスタートでした。それが今では、3つのレストランとピッツェリアのオーナーになることができたのです」

1位になったジュゼッペ・エリチエッロ氏を囲んで

そう語る彼の言葉からは、異国の地でゼロから這い上がり、頂点をつかみ取った人間の圧倒的な熱量が伝わってきます。そして最後に、日本のファンに向けて最高の笑顔でこうメッセージをくれました。

「みなさん、とても感謝している。がんばりましたよ、今まで !」


「日本の観光産業に貢献したい」世界基準となった日本人ピッツァ職人たち

日本人ピッツァ職人として最高位となる第8位、そして「パフォーマンス・オブ・ザ・イヤー2026 ロボ賞」という特別賞もダブル受賞したのが、名古屋にある「Pizzeria Braceria CESARI!!」の牧島昭成氏です 。彼は、「日本のピッツァ業界全体の未来」を見据えて熱く語ってくれました。

日本人最高位8位となった牧島昭成シェフ

「いつもランキングできて嬉しいです。こうやって日本のピッツァが、世界中のピッツァを評価するランキングで注目されて、これからは日本にピッツァを食べに来る外国人の方ももっと増えると思います」

日本のピッツァが、すでに「世界から目指される観光資源」になっていることを彼は確信しています。「だからこそ、ぼくらピッツァ職人は今まで以上にがんばって、日本の観光産業に貢献したい。そして何より、日本の皆さんにもっとピッツァを食べてもらいたい !」という彼の言葉には、日本の食文化に対する深い愛情と誇りが満ち溢れていました 。


「失敗からしか学べない」独学でOP50に上り詰めた職人たちのドラマ

ピッツァへの情熱は、本場イタリアや日本だけでなく、アジア全域で熱く燃え上がっています。今回、非常に印象的だったのがインドからランクインした2人の職人のストーリーです。

唯一の女性受賞者として見事第11位に輝いた、インド・グルグラム「da Susy」のスザンナ・ディ・コジモ氏は、異色の経歴の持ち主です。「私は東京が大好きで、日本語を勉強しているくらいなんですよ。」と日本語を披露してくれたスザンナさん。「私はナポリ出身ですが、もともとインドで観光業をしていました。ですがコロナ禍になって、家で独学でピザを作るようになったんです。それをYouTubeで紹介したり、周りの人に食べてもらったりしているうちに大評判になり、ピッツェリアを経営することに。元々はピッツァ職人でもなければ、イタリアで学んだこともないのよ !」

47位のハルミートシェフと11位のスザンナ・ディ・コジモシェフ

また、同じくインドの「Cucina Marinara」ピッツァ職人ハルミート氏(第47位)も、瞳を輝かせてこう語りました。「今回が初めての東京なんだ。まだ初日だけど、もうすっかり虜だよ。僕もスザンナと同様に独学でピザ作りを始めたんだ。イタリアで修行したこともない。自分でたくさん失敗して、失敗から学んで、それを繰り返して。失敗からしか学べないよ、だからたくさん練習することが大事なんだ」

伝統的な修行を経ていなくても、ひたすら独学で失敗と練習を繰り返し、情熱だけでTOP50という世界的な舞台に上り詰めた彼らの軌跡。その言葉を聞いていると、何かに挑戦することの尊さと、ピッツァが持つ自由で無限の可能性に気づかされます。


さあ、今日は最高のピッツァを食べに行こう

今回の上位15店舗は、9月15日にピッツァの聖地・ナポリで開催される「100 Best Pizzerias in the World(世界のベストピッツェリア100)」に自動的にノミネートされます 。日本、そしてアジア太平洋の代表として、彼らが本場イタリアでどんな旋風を巻き起こすのか、今から期待が高まります。

上位入賞者4人

「50 Top Pizza Asia Pacific 2026」が教えてくれたのは、単なる美味しいレストランのランキングではありません。そこには、皿洗いから頂点を目指した涙のストーリーがあり、失敗を恐れず独学で夢を掴んだ挑戦の軌跡があり、日本の観光を背負って立つピッツァ職人たちの覚悟がありました 。

全員揃っての記念撮影

アジア最多の受賞国であり、アジアのトップ1と2が食べられる街、東京。本場イタリアの魂を深く受け継ぎながら、最高に美味しくて情熱的なピッツァを日常的に味わえるこの国は今、間違いなく世界

有数の恵まれた環境と言えるでしょう。こんな素晴らしい職人たちが腕を振るうピッツァを、食べない手はありません。

さあ、今日は誰かを誘って、最高に美味しいピッツァを食べに行きませんか?


50 Top Pizza Asia – Pacific 2026」ランキング

1 RistoPizza by Napoli sta ca – 東京(日本)
2 ピッツァバー on 38th – 東京(日本)
3 Fiata – 香港(中国)3 gigiʼs – シドニー(オーストラリア)
4 Spacca Napoli – ソウル(韓国)
5 Crosta – マカティ(フィリピン)
6 Massilia – バンコク(タイ)
7 SHOP225 – メルボルン(オーストラリア)
8 Pizzeria Braceria CESARI!! – 名古屋(⽇本)
9 a mano – マカティ(フィリピン)
10 Bottega – 北京(中国)
11 da Susy – グルグラム(インド)
12 Margherí – ホーチミン(ベトナム)
13 Dante's by Enis Baçova – オークランド(ニュージーランド)
14 48h Pizza e Gnocchi Bar – メルボルン(オーストラリア)
15 ANTO – シンガポール(シンガポール)etc…

https://www.50toppizza.it