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2025年 忍耐が作った偉大なヴィンテージ

mami(麻未)

2025.11.27


オルネッライアでは、先月頭に、今年のブドウの収穫が全て終了。生産管理マネージャーのマルコ・バルシメッリは、2025年ヴィンテージの大きな可能性を次のように述べています。 


マルコさんも太鼓判を押す熟成のポテンシャル


「2025年は『じっと待つ忍耐』の年でした。ブドウの熟度は予想よりゆっくり進みましたが、これが良い方向に働きました。時間がかかった分、果皮がしっかりと熟し、複雑なアロマと洗練されたタンニンが生まれ、糖分と酸のバランスも綺麗に整ったのです」

ワインの品質と熟成の可能性についての、マルコさんの以下のコメントも、非常にポジティブ!「最初に試飲した時、このワインの活き活きしたフレッシュ感に驚きました。酸味について語る時、それは、熟成のポテンシャルを意味します。このワインには偉大な熟成のポテンシャルがあると強く感じます。熟成の可能性が非常に高いだけでなく、同時に、しっかりした凝縮感、個性、深みのある力強さを備えています。オルネッライア2025には、テロワールが持つ個性、多様性、美しさが余すことなく表れています」



とりわけメルローの出来がすごい!


2025年のブドウの出来も素晴らしく、とりわけメルローの素晴らしさには、特筆すべきものがあります。


メルロー

非常に引き締まっており、フレッシュ感を備えながら、凝縮感と力強さも持っています。7月の冷涼な気候により、酸のレベルが例年より高く、アロマにフレッシュさが出ており、風味にもテンションがあります。2025年の黒ブドウの中で、最もテンションが高く、ミネラル感が出た品種となりました。


カベルネ・フラン

2025年ヴィンテージのポテンシャルが見事に表れています。絶妙のバランスを備え、フレッシュ感があり、香り成分は豊かで複雑。骨格のしっかりとしたボディを持ちながらエレガントで、余韻に風味が長く残るワインに仕上がりました。繊細さと力強さが完璧なバランスで共存しています。


プティ・ヴェルド

目が詰まっており、濃縮度が高いです。アロマは複雑で、しかも、品種本来のキャラクターを表現し、バラや黒コショウの含みを見せています。そして、非常に柔らかいタンニン。醸造時には、過剰な抽出をしないよう細心の注意を払いました。


カベルネ・ソーヴィニヨン

ジューシーで、肉付きの良いキャラクターを持ち、これはオルネッライアの典型です。深み、密度、凝縮感を備えたクラシックなスタイルながら、常にバランスが取れていて、フレッシュ。濃密で絹のようなタンニンにより、余韻が素晴らしく長く続きます。



2025年ヴィンテージの詳細


冷涼で雨の多い春

3月は、気温は平年並みながら、雨に見舞われました。3月中旬、気温が氷点下近くまで下がった区画もあり、芽吹きが早いメルローの発芽が遅れました。最初の芽吹きは3月末と遅く、その後も冷涼な気温が続いたため、生長は全体にゆっくり進みました。その結果、ブドウの生育リズムが緩やかになり、2024年と比べ、10日ほど遅れました。4月中旬には気温が上昇し、生長が通常のペースに戻ります。


転換点となった5月8日

5月8日以降、天候は劇的に好転し、乾燥して日差しの強い日が続いたことで、ブドウは再び生長を始めます。5月下旬に開花が始まりました。8月前半に再び暑さが戻り、猛暑日が数日続きました。「6月は、ボルゲリの観測史上、最も暑く乾燥した月でした。この様に夏が続くと、ブドウに影響が出ると心配しましたが、幸い7月に気温が下がって涼しくなったことで、ブドウが再びバランスを取り戻しました」と、バルシメッリは語ります。 


収穫

「2025年ヴィンテージの3つの鍵は、忍耐力、観察力、そして、適切な瞬間を見極めて収穫する判断力でした。畑で十分に時間をかけて分析し、各区画のブドウが熟す進み具合を細かく観察しながら、熟度が頂点を迎える完璧なタイミングを待ちました」

 9月下旬から10月初旬、パーフェクトな条件が整い、快晴が続き、日中は穏やかで、夜間は気温が下がりました。


白ブドウの収穫は、8月18日のソーヴィニヨン・ブランから始まり、22日にヴィオニエ、27日にセミヨン、9月3日から11日にかけてヴェルメンティーノと続きました。メルローは8月28日から収穫を開始。驚くほどのフレッシュ感と均一した熟度のブドウを収穫できました。

 9月の天候は一転し、一時的に不安定となります。月初めには局地的なにわか雨が降り、10日前後には、まとまった降雨が見られました。その後、天候は安定し、快晴が続いたことで、果実は均一に熟します。他の品種もゆっくりと熟しました。これは、偉大な品質を持つワインとなるヴィンテージに共通の特徴です。カベルネ・フランとプティ・ヴェルドは9月16日から収穫を開始し、翌17日からカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫が始まります。収穫は10月3日にすべて完了しました。


期待でワクワクするヴィンテージ

2025年も、期待大のヴィンテージの様です。とりわけ、毎年おおよそ4分の1とブレンドでの比率が高めのメルローが、非常にテンションが高いと言うことなので、長期熟成が予想できます。50~60%で使用されるカベルネ・ソーヴィニヨンも絹の様なタンニンということで、若いうちからアプローチしやすいのではないかと。


2025年を試飲できる日はいつかと、今からワクワクしてきます!