イタリア半島の中東部に位置する世界で最も古い共和国のひとつ「サンマリノ」。四方をイタリアに囲まれた風光明媚なサンマリノも大阪・関西万博にパビリオンを出展しています。今回は、その公式マスコットキャラクターである「リベルタス」にフォーカス!他ではなかなか知ることのできない「リベルタス」のデザインのコンセプトを詳しくご紹介します。
大阪・関西万博に登場するサンマリノパビリオンのマスコットキャラクター「リベルタス」。その名前は”自由の女神”にちなんで名付けられました。デザインを手がけたのは、世界的ライフスタイルブランド「tokidoki」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるイタリア出身のアーティスト、シモーネ・レーニョ氏。シモーネ氏は、イタリアパビリオンの公式マスコットキャラクター「イタリアちゃん」の作者でもあります。

リベルタスは、サンマリノが誇る歴史と精神を反映した「コスプレ風の鎧」が特徴的。西暦301年の建国以来、一度も戦争をしたことのないサンマリノ。この鎧は、自由と独立を守り抜いてきた強さと誇りを表現しています。また、リベルタスが子どもの姿で描かれている理由は「未来の社会を、命のためにデザインする」という万博のテーマを反映したためだとシモーネ氏は語っていました。

サンマリノの特徴を擬人化
リベルタスには、サンマリノ共和国の国章に描かれている「3本の塔」や「羽根」が記されています。鎧の頭の部分と瞳には3本の塔、そして瞳の中には羽根のシルエットを表現。また、緑色の髪はサンマリノの自然とティターノ山を象徴しています。さらに、本万博の開催国である日本への敬意を表して、手には3本の塔が描かれた扇子を持っているのも特徴的です。


単なるマスコットではなく、サンマリノの文化や歴史、国際的なつながりを象徴する愛らしいキャラクター。それがリベルタスなのです。
シモーネ・レーニョと tokidoki の物語
イタリア・ローマ出身のシモーネ・レーニョ氏。彼は幼少期から絵を描くことに夢中になり、壊れた鉛筆ケースにまで想いを込めていたそうです。この情熱がやがて「tokidoki」という世界的ブランドの創設へとつながっていきます。
「tokidoki」という名前は、日本語の「ときどき」から由来しているとのこと。
レーニョ氏は、日本文化と世界のポップカルチャーの融合を目指し、2005年にプーネ・モハジャー氏とアイヴァン・アーノルド氏と共にブランドを設立。現在では、ファッションやおもちゃ、化粧品や航空会社など、幅広くコラボレーションを展開しています。

また、レーニョ氏は2020年のドバイ万博でイタリア館の「イタリアちゃん」、バチカン市国のマスコット「ルーチェ」なども手がけてきました。それぞれのキャラクターに文化的な象徴やストーリーを描き、国と人々のアイデンティティを表現しています。
世界中の大学や文化機関で講演活動も行うレーニョ氏。彼の言葉と作品は、誰の中にも「未来を描く力」があることを優しく、そして力強く語りかけてくれます。

未来と自由をつなぐ「リベルタス」
サンマリノ共和国という小さな国の大きな精神を体現するリベルタス。長い歴史の中で、自由と独立を守り続けてきたサンマリノの誇りと未来を担う世代への希望。彼女は、その両方を愛らしくも力強い姿に込めて表現しています。
2025年の大阪・関西万博において、サンマリノの世界観とメッセージを伝える新たなシンボルとなっているリベルタス。自由をまとうこのマスコットキャラクターは、きっと訪れる人たちの心をつなぐ唯一無二の存在となることでしょう。