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ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使おすすめイタリア映画

遠藤友香 Yuka Endo

2023.06.29

2001年に始まり、今年で23回目を迎えたイタリア映画祭。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、春の開催が中止となったり、会場変更を余儀なくされるなど様々な問題が生じました。今年は、5月2日(火)から5月7日(日)に東京会場の有楽町朝日ホールにて、6月11日(土)から6月12日(日)は大阪会場のABCホールにて開催。


そこで今回は、イタリア映画祭にちなんで、ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使に聞いたおすすめイタリア映画を3点ご紹介します。


ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使

まずは、ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使の経歴について触れておきましょう。1959年にローマ市で生まれたベネデッティ駐日イタリア大使は、1982年にローマ・ラ・サピエンツァ大学法学部において、最優等の成績にて卒業された秀才。1985年にイタリア外務省に入省。1987年から1991年には、在日イタリア大使館 経済・商務部へ。その後も在米イタリア大使館政治部、イタリア外務省政策企画部副部長兼統計室長、イタリア外務省政策企画部副部長兼統計室長、イタリア教育・大学・研究大臣外交顧問、駐イスラエルイタリア大使など、様々な役職に就いています。ベネデッティ駐日イタリア大使は映画好きでも知られており、ベネデッティ駐日イタリア大使のおすすめ映画はぜひチェックしておきたい。


おすすめのイタリア映画について、ベネデッティ駐日イタリア大使は、次のように語っています。


私にとって意味のある映画の中から、3つだけを選ぶのは難しいですね。自分の愛する家が火事になった際に、3つだけ救えるとしたらどれを選ぶ?という質問と同じような気分です。それでも感情的に3つのタイトルを選んでみます。


まずは、セルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』(Per un Pugno di Dollari)。西部開拓時代の冒険を力強く魅力的に描いていており、好きな映画です。また、イタリアの驚異的な経済成長期を描いたディノ・リージ監督の『追い越し野郎』(Il Sorpasso)もおすすめです。そして、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo Cinema Paradiso)。この映画の音楽を手掛けた巨匠エンニオ・モリコーネの感動的で胸を打つメロディーを伴った古い友情と記憶に感動を与えられます。


ただ先ほど言った通り、家が火事になった際にとっさに感情的に選んだような感じです。それにしても、まだまだ選びたい映画がたくさんありますね。


次に、ベネデッティ駐日イタリア大使の選んだ3本の映画について、詳しくみていきましょう。


『荒野の用心棒』(Per un Pugno di Dollari)

無法者が横行するアメリカとメキシコの国境にある小さな町サン・ミゲル。この町において、ロホ一家とモラレス一家がむごたらしい争いを続けていました。そこにある日、ジョー(クリント・イーストウッド)という名の流れ者のガンマンがやってきます。町民が彼らの犠牲になっていることを知ったジョーは、ワナを仕掛けて無法グループを同時に壊滅させようと試みますが……。


黒澤明の『用心棒』を西部劇に翻案したこの映画は、予想外のストーリー展開から世界中で大ヒットを記録し、一世を風靡した「マカロニ・ウエスタン」ブームの先駆者となりました。



『追い越し野郎』(Il Sorpasso)

ローマの8月のある午後、臆病で真面目な法学生ロベルトは見知らぬ男 ブルーノに些末なことを頼まれます。「一本電話をかけてくれないか」と。お礼にと飲みに誘うブルーノでしたが、そこから二人のドライブ珍道中が始まります。ロベルトの叔父を訪ね、ブルーノの別居中の妻と娘に会いに出かけ……。


声が大きく自信家で、横柄なスピード狂のブルーノにロベルトは嫌気がさしつつも、ロベルトと完全に対極にあるブルーノに惹きつけられていきます。そんな矢先、思いもかけない出来事がふたりを待ち受けます……。



『ニュー・シネマ・パラダイス』(Nuovo Cinema Paradiso)

戦後間もないシチリアの小さな村を舞台に、映写技師と少年の心あたたまる交流を描いた不朽の名作。ローマ在住の映画監督であるサルヴァトーレは、故郷の映画館に勤めていた元映画技師のアルフレードが死んだということを聞かされます。幼い頃、母と妹の三人暮らしだったサルヴァトーレは「トト」と呼ばれ、彼は地元の映画館「パラダイス座」に忍び込んでは、上映前の映画をチェックする司祭の検閲を覗き見ていました。サルヴァトーレの脳裏にはトトと呼ばれた少年時代や多くの時間を過ごしたパラダイス座、映写技師アルフレードとの友情がよみがえってきます。


映画愛に満ちた作品が話題となり、アカデミー外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別グランプリなど、各国で賞賛を浴びた作品です。日本国内における単一映画館での興行成績では、未だに破られていない最大動員数を記録しています。



以上、ジャンルイジ・ベネデッティ駐日イタリア大使に聞いた、おすすめイタリア映画を3点ご紹介しました。気になる映画があったら、是非チェックしてみてくださいね!

イタリアパビリオンの魅力を発信する日本人アンバサダーは誰? 【第1回】

ryo

2025.05.01

EXPO 2025 大阪・関西万博に出展するイタリアパビリオンでは、イタリアと縁の深い日本のクリエイターたちを「アンバサダー」として迎え、それぞれの視点からパビリオンの魅力や日本とイタリアの文化的なつながりを発信します。記念すべき1人目は、ファッションとデザインを通じて日本と世界をつなぎ続ける「コシノジュンコさん」をご紹介します。



日本人として初めてイタリアパビリオンのアンバサダーに就任したのが、世界的に有名なデザイナー、コシノジュンコさん。

本万博のシニアアドバイザーでもあるコシノさんは、舞台衣装や空間演出など幅広い分野での活躍がイタリアでも高く評価され、オペラ「蝶々夫人」の衣装デザインなどでも注目を集めてきました。


文化服装学院在学中の19歳のとき、史上最年少で「装苑賞」を受賞したことをきっかけに、ファッション界で注目。1978年には、パリ・コレクションに初参加し、その後22年連続で出展。1980年代以降は、北京やベトナム、キューバなど、様々な国でショーを展開し、文化交流の架け橋としても活躍を続けています。


万博ユニフォームを手がけるコシノジュンコさん©テレビ大阪


独自のスタイルと創作哲学

モノトーンを基調とし、建築的で前衛的なフォルムに日本の伝統美を融合させたデザインが、国内外で高い評価を得ているコシノジュンコさん。デザインの核である「対極の美」をコンセプトに掲げ、常に革新を追求する姿勢は、現在も多くのクリエイターに影響を与えています。


大阪・難波駅でコシノジュンコさんがデザインした新制服のお披露目会の様子

その活躍は、ファッションの枠を超えて現在も広がり続けています。2025年には南海電鉄創業140周年を記念し、新制服のデザインを担当。新制服は大阪・難波駅で開催されたお披露目会で発表されました。

コシノジュンコさんが手がける万博ユニフォームが、ファッション雑誌「anan」スペシャルエディションの表紙に採用

さらに、2025年大阪・関西万博ではアンバサダーやアドバイザーとしてだけではなく、「大阪ヘルスケアパビリオン」のスタッフユニフォームのデザインも担当。2025年4月2日発売の雑誌『anan』の表紙にも採用されたこのそのユニフォームは、万博関係者の間はもちろん、ファッション界でも大きな話題を呼んでいます。


photo by イタリアパビリオン


コシノジュンコ氏による本万博へのコメント

「ファッションとデザインを通じて、イタリアと日本の文化交流をさらに深めるために貢献したい」


アンバサダーとして、ファッションやデザインをはじめ、多彩な視点からイタリアの魅力を発信していくコシノジュンコさん。
その豊かな表現力と国際的な感性によって、日本とイタリアの文化交流をさらに深めていくことでしょう。
世界を舞台に挑戦を続ける彼女の今後の活躍にも、ぜひご注目ください。


次回のアンバサダー紹介もお楽しみに!



▶コシノジュンコさんのウェブサイトへのリンク:
www.junkokoshino.com



コメント引用:

https://www.italyexpo2025osaka.it/ja/itariaguananhasatanojieyang