Copy link
bookmarked-checked-image

ジブリ映画にも登場、音楽の都クレモナの魅力!

ワダシノブ

2021.12.08

ロンバルディア州とエミリオロマーニャ州の境目にあるクレモナ。ミラノからは車で約1時間半、電車で約1時間のところにあります。


音楽の街クレモナ

クレモナは、ユネスコの無形文化遺産にも指定された音楽の街です。イタリア音楽に多大な功績を残した2人の偉大な音楽家、クラウディオ・モンテヴェルディ(16世紀後半)とアミルカレ・ポンキエッリ(19世紀後半)はクレモナに生まれました。


この人口7万人の小さな街になんと

  • 弦楽器工房 157
  • ボウ工房 6
  • オルガン工房 5
  • 劇場 15

と、これだけの音楽に関連した場所があります。まず劇場がこんなにあるのに驚きますよね。音楽が本当に街の一部になっています。


何よりクレモナといえばバイオリンなどの弦楽器工房です。16~18世紀にかけてアマティ、ストラディヴァリ、グァルネリ・デル・ジェスなどの弦楽器工房がこの街で活動を始めました。その伝統が残り、今でも弦楽器製作が盛んなのです。


クレモナ バイオリン製作学校

 スタジオジブリ作品「耳をすませば」でも天沢聖司くんが「バイオリン職人になるためにクレモナへ!」と言ってましたが、彼のようにバイオリン制作を学ぶことは今でも可能です。Cremona International Violin making School(クレモナバイオリン製作学校)は、今でも多くの優秀な職人を輩出しています。

https://www.scuoladiliuteria.it/


現在、この学校で学べるコースは以下の3つ。

  • 擦弦楽器製作(バイオリンなどのボウをつかうもの)
  • 撥弦楽器(マンドリンなどの弾く楽器)
  • 楽器の修復

ここは高校の楽器製作コースとも関連する学校なので、 天沢聖司くん のように中学を出たらここで修行を始めることも可能です。


バイオリンミュージアム

2013年にはクレモナに残るバイオリンを集めたバイオリンミュージアムも作られました。アマティやストラディバリウスの名器を実際にここで見ることができます。製作工程の展示もあります。

https://www.museodelviolino.org


ここでは、3年に一度、弦楽器制作の国際大会が開催されています。2021年の大会ではチェロで日本人の根本和音さんが入賞されています。

名バイオリンの音を聴き比べて見たい!という人にはこちらの動画をどうぞ。


ミラノからたったの1時間。ジブリの主人公が修行をした音楽の街にぜひ足を伸ばしてみてください!

ジブリ映画にも登場、音楽の都クレモナの魅力!
ジブリ映画にも登場、音楽の都クレモナの魅力!

スクリーンを通してリアルなイタリアを体感!イタリア映画祭が開幕

Keiko Shimada

2025.05.02

5月1日、待望のイタリア映画祭が10人の監督とスタッフが登壇して華やかに開幕!日本未公開の新作11本を一挙公開するまたとない機会に、イタリア映画ファンが駆けつけ、会場は期待と熱気に包まれました。


10人の監督・映画関係者が登壇した開会式

ロッセリーニに代表されるネオ・レアリズモ。ヴィスコンティ、パゾリーニ、フェリー二など、世界を魅了した巨匠たち。『ニュー・シネマ・パラダイス』の世界的ヒット。いつの時代も世界で愛されてきたイタリア映画は、スクリーンを通して、イタリアの風土や文化、ライフスタイル、カルチャーを知る機会でもあります。イタリアで大ヒットしながらも、日本では観る機会のない作品も数多くあり、そういった作品をスクリーンで観られるのが映画祭の醍醐味です。


2001年から開催されているイタリア映画祭は、今年で25周年。5月1日に開催された開会式には、7名の監督と3名の映画スタッフ・関係者が登壇しました。長編2作目となる『ファミリア』が話題の新世代監督の一人、フランチェスコ・コスタービレ。トニ・セルヴィッロとエリオ・ジェルマーノのスター俳優が初共演した犯罪ドラマ『シシリアン・レターズ』からは、シチリア出身の監督コンビ、ファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァ。世界各国でリメイク映画が生まれた大ヒット作『おとなの事情』の名匠パオロ・ジェノヴェーゼ監督は、最新作『狂おしいマインド』とともに、昨年に続き2年連続での参加となりました。


イタリア映画界を代表する名優の一人であり、脚本や制作にも携わるヴァレリオ・マスタンドレアは、監督第2作となる『にもかかわらず』とともに来日。2024年のイタリア映画を象徴する作品の1つとなった『ピンクのパンツを履いた少年』からは、監督のマルゲリータ・フェッリと脚本家のロベルト・プロイア。話題作『ディーヴァ・フトゥーラ』から、女優・脚本家・監督と多岐にわたる活躍を見せるジュリア・ルイーズ・スタイガーウォルトとプロデューサーのマッテオ・ロヴェレ。さらに、ライ・チネマのパオロ・デル・ブッコが登壇。来日した監督たちは、それぞれの作品の上映後に行われるQ&Aイベントに登壇し、観客と交流する予定となっています。



『シシリアン・レターズ』上映後に監督と観客が対話

開会式後に上映されたのは、シチリアのパレルモで生まれ育ったファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァが監督した『シシリアン・レターズ』。実話を元にシシリアンマフィアを描いた三部作の3作目で、イタリアを代表する名優トニ・セルヴィッロとエリオ・ジェルマーノの初共演も話題となっています。


上映後のQ&Aでは、「映画で描かれた1990年代にシチリア島を逃げ出してきた。当時の暴力に支配された世界は家族にとってもトラウマになっていて、自分たちが作家として表現しなければならなかった」と、制作の背景が語られました。ところどころ笑いも起こり、ブラックコメディにも感じられる作品だったので、監督たちの言葉は意外なものでした。観客から出た「ギリシア悲劇」という言葉に、「その視点はすごくうれしい。登場人物たちは、まるで古典劇のような囚われの立場におかれているが、少し引いてみると喜劇にも見える。この作品はグロテスクな喜劇と言えるでしょう」と語りました。


観客からの質問に丁寧に答えるファビオ・グラッサドニアとアントニオ・ピアッツァ監督は、「日本映画の大ファン。見えるものと見えざるものを描くところがとても好きです」とコメント。Q&Aを通して、自分とは違う視点を知り、作品への理解が深まったように感じました。こういった気づきも映画祭の大きな魅力です。


東京は5月6日まで、大阪は5月10日・11日に開催

スターが登場する話題作から社会派の衝撃作、自然界のドキュメンタリーまで、新作11本と日本劇場未公開の傑作1本、あわせて12作品が上映され、毎日足を運ぶファンも多い映画祭。上映作品は、配信、劇場公開が困難なものが多く、日本語字幕&スクリーンで味わうことができる貴重な機会です。観たい作品をチェックして、イタリアの多様な魅力を発見してください。

イタリア映画祭2025

【東京会場】

会期:5月1日(木)〜6日(火・振休)まで

会場:有楽町朝日ホール(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階)

あさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29)

当日券(オンライン)1回券:一般1,900円/学生1,600円

当日券(会場販売)1回券:一般2,200円/学生1,900円

【大阪会場】

会期:5月10日(土)・11日(日)

会場:ABCホール(大阪府大阪市福島区福島1-1-30)

あさチケ(https://l-tike.com/st1/asahi-id-top-29)

前売券(オンライン)1回券:一般1,400円/学生1,100円

当日券(オンライン)1回券:一般1,800円/学生1,500円

当日券(会場販売)1回券:一般2,100円/学生1,800円

5月10日(土)の初回『シシリアン・レターズ』の上映後に、ラジオDJ・翻訳家として活躍する野村雅夫氏のトークショーも実施予定。


公式サイトhttps://www.asahi.com/italia/2025/